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ひもろぎ逍遥

日天宮(1)三つの天体を祀る宮


日天宮(1)
福岡県嘉麻市嘉穂町牛隈

太陽と月と星を祀る宮

UFO騒動まであったって?
それなら行くしかないでしょ。

星岩宮と月読宮


電話でくるま座さんが教えてくれました。
「太陽と月と星を祀る珍しいお宮がありますよ。」
「ええっ?星もですか。それは珍しいですねえ。」
天体の三つとも祀る神社はまだ聞いた事がありません。

くるま座さんは福岡県の春日市JR春日駅近くで
玄米定食など、自然食を出す店を経営しています。
そして、裏の顔は古代祭祀線地震雲の研究家です。

ルナとくるま座さんとが顔を合わせると、何をしてるかというと、
国土地理院の地図を貼り合わせた、1メートルほどの地図を広げて、
あちこちに引いた線を見ては、どうだこうだと話してます。

二人とも、天体と山と、神社の関係が知りたくて仕方がないのです。
日本に残されている巨石文化を調べています。

さて、そのくるま座さんが送って来てくれた新聞のコピー。
タイトルは日天宮
読んでいて、あれ?これと同じ切り抜きを私も持ってる…。
十年以上も前の新聞記事ですが、やっぱり気になる所は同じでした。
二人が同じ記事を大切に持ってたなんてねえ…。

その新聞記事のさわりだけでもざっと紹介しましょう。

日天宮 『太陽、月、星を祭る神社』
「なぞめく天体信仰」太陽、月、星。いわば三点セットを祀った珍しい神社が嘉穂町にある。
「日天宮」という。
その由来は「農作物の豊作、凶作を左右する天体を神としてあがめた」という見方があるが、
地元住民もその起源は分からず、伝説、伝承もほとんどない。

同町にはもう一つ、「北斗宮」という、文字通り星を祭り、星占いをする神社が存在する。

かつてこの町では「UFO騒ぎ」があったと聞けば、何やら静かな農村もどこか、宇宙的な信仰の広がりを伴ってなぞめいてくる。



そんな嘉穂町で「UFO騒動」が起きたのは1975年秋のことだった。場所は甘木市との境界にまたがる八丁峠。
「空をジグザグに動くなぞの物体が見える」
うわさを聞きつけた人たちが各地から集まり、たちまち露店がでるほどの大騒ぎとなったという。

「もともと、この土地は宇宙との交流があった場所だから、天体信仰があってもいいじゃないですか」とは、
地元の一人。なるほど、ここはUFO伝説にふさわしい町なのかもしれない。
(1999年9月西日本新聞)
さて、この新聞記事を見て、一人で日天宮を探しに行ったくるま座さんですが、簡単には見つからなかったそうです。
記事を書いた記者に尋ねても、うまく説明できないとのこと。
数回探して、見つけ出したそうです。

碓井町の道の駅で待ち合わせて行ってみました。

福岡県嘉麻市牛隈の県道211号線のコンビニから脇道に入ったのですが、
その先のルートの説明が出来ません。(なんと、道がない!)

話によると、神社への道は産業廃棄物の会社が買い取ったために、参道が無くなったとか。
一般の民家の庭を通るしか、ルートがないようになりました。
挨拶をして通らせてもらって、車で坂を登り切ると、開けた丘陵地帯にでました。

そこは、流木や倉庫などが山積みで、本当に廃棄物処理場の中です。
トラックのつけた道があるのみ。
「あれ、変わったなあ。こっちかな。」
くるま座さんの勘頼りで、草むらの中の神社への入口に辿りつきました。

小さな石柱があって、日天宮と分かりました。

イノシシの足跡がくっきりと残る山道を歩くと、星岩宮と書いた立札がありました。
緑のもみじの向こうに、磐座(いわくら)がありました。
手前には小さな祠があります。
岩には直径50センチほどの丸が浮き彫りしてありました。

日天宮(1)三つの天体を祀る宮_c0222861_1538462.jpg

この岩の後ろにも二つほど岩があって、ためつ、すがめつしていると、
「ここは序の口ですよ。この先、もっとすごいですから。」
と、促されて、奥へと進みました。

次の磐座は少し大きめ。月読宮と立札が立っています。
ここにも、祠がありました。

日天宮(1)三つの天体を祀る宮_c0222861_15413678.jpg

岩の側面にいくつかの穴があります。
近寄って見ると、それは人工というより、海岸で自然に出来たような形状です。
ここは山の中です。
「なんだか、海から運んだ岩みたい。」
そんな話をしながら裏の方に登って見ると、垂直に切り出したような岩もあります。

日天宮(1)三つの天体を祀る宮_c0222861_15424736.jpg

岩の配置に法則性は全く感じられません。

ここも、ほどほどにして、さらに奥へと進みました。自然歩道を歩くような参道です。

まもなくして、奥深くに石の鳥居が見えました。見て下さい。この鳥居のたたずまい。
いかにも古いお宮の風情です。

日天宮(1)三つの天体を祀る宮_c0222861_15441351.jpg


ひっそりと、誰にも知られずに。しかも、知る人ぞ知る。

手すりがあることから、こんな人里離れていても、地元では大切にされているのがよく分かります。
鳥居から先は急坂になっています。廻りは原生林。
腐葉土がとてもいい雰囲気です。

(つづく)




by lunabura | 2010-02-12 16:01 | 日天宮・にちてん・嘉麻市 | Comments(0)

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