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日若神社(3)ここは古代の交通の要衝だった。

日若神社(3) (日少神社)
ひわかじんじゃ

豪華な顔ぶれがここに来た理由。
ここは古代の交通の要衝だった。


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前回までに分かった事をまとめました。

●イザナギの命が「ここの水は自分が産んだ水の中で最高だ」と喜んだ。
●神武天皇がここを通る時、霧で困っていたら、神が現れて、
「イザナギの命が最高の水だと言われた」と教えてくれた。
天皇はそこでイザナギの命を祀って、笹に水を付けて振りながら進むと、
霧が晴れて進む事が出来た。
●神功皇后もここを通る時に、この霊泉で禊をして、皇子の無事を祈った。
●江戸時代に疫病がはやって、この神に祈ったら、「博多から祇園を勧請せよ」と
神託が降りたので、その通りにしたら疫病がすぐにやんだ。
●近くの綱分神社に「ここの水を汲んで来て、その水で清めよ」という神示があった。
●仏僧の覚念さんが困った時に、神道で祈ったら霊験があった。
●これらの事から、時の権力者も、民衆もこぞって参拝した。

江戸時代には参拝者が多かったのでしょうが、
現在は人家もなく、道もこの先で途絶えています。
しかし、2000年以上も前の伝承と聖地と霊水は守られました。

さて、イザナギの命も、神武天皇も、神功皇后もやって来たという、この場所。
なんでだろうという疑問が湧きます。
「庄内町誌」で歴史を調べると分かりましたよ。

ここは古代の交通の要衝だった。
庄内町で人の生活が本格的に始まるのは弥生時代からであり、当時から本町内は豊前地方と筑前地方を結ぶ重要な交通の要衝であったことがうかがわれる。

ここは古代の人の幹線道路だったのです。
しかし、大きな鳥尾山塊の山越えを避けられませんでした。
現代でも、この山越えルートは大切な道です。

古代の旅ってどんな風?

古代の人の交通手段って何だったろうとずっと考えて来ました。
これまで分かった事をまとめると、

陸路は、徒歩か古代馬に乗って移動した。
貴人はお神輿タイプの輿に乗って移動した。
川は小船で行き来した。
海は新羅までいけるような大きな船があった。
となりました。

ところが、本州と九州を行き来する旅となると、いくつかの難所があります。

水路の場合、船で玄界灘を通る時には、関門海峡鐘崎の危険水域を通らねばなりません。
ここでは実際に船がたくさん沈んでいて、その漂着物を拾ったら、誰が貰うかというルールまで、出来ていました。
それほど沈没は多かったのです。それに、船そのものが手に入りません。

陸路を考えた時、
海岸沿いのルートは湿地帯、沼地で歩けなかったでしょう。
特にここ古遠賀湾一帯は葦原の広がるクニです。
リアス式のような岬を回りながらのルートになります。
途中の川も進路を遮ります。

こう考えると、一番確実なのは山を越えて行くルートでした。
自分が古代に「海か山か選べ」と言われたら、山の方がいくらか安全だと思いました。

地図 しょうけ越え 鳥尾山越え 仲哀トンネル 周防灘


このアイコンを左から右に辿ると周防灘に抜けます。これが神功皇后の移動ルートの一部です。
(まだ、この先追加する予定があります。)

神功皇后の祈り

神功皇后もこの峠を越えて、周防灘に抜けて行きます。
皇子もずいぶん大きくなったことでしょう。
(皇子が初めて立ったという神社もあるんですよ。)

彼女の当面の目的地は山口の豊浦宮です。
そこに、夫の仲哀天皇の亡骸が安置されています。
葬儀もまだ済ませていません。

天皇の死が公になったとたんに、皇子は世継ぎ争いに巻き込まれます。
先の后には二人の成人した皇子がいるのですから。
自分の皇子を無事に天皇にするためにはどうしたらいいか、
ありとあらゆるケースを考えているはずです。

彼女が禊をしてまで祈ったのには、そんな背景がありました。

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上の写真は神社のすぐ横の池です。その向こうに日王山と鳥尾山が見えます。
古代も現代も、豊前に行くにはこの峠を越えなくてはなりません。

次回は神武天皇のケースです。






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by lunabura | 2010-05-06 14:20 | 日若神社・ひわか・飯塚市 | Trackback | Comments(0)
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