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ひもろぎ逍遥

新原・奴山古墳群


新原・奴山古墳群
しんばる・ぬやま
福岡県福津市
宗像の君の奥つ城?
国指定史跡 津屋崎古墳群のひとつ


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県道495号線を走っていると、あれあれ?ポコポコと、あちこちに古墳らしき墳丘が。
田畑の中にあるので、遠くからでも見えます。この古墳群、なんと国指定でした!
左から前方後円墳は30号。円墳は25号。その右の森になった丘は22号。

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前方後円墳30号墳に近づくと円墳に見えますねー。

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これは495号からすぐの所にあるもので、正面が15号円墳。
左奥の鳥居があるのが22号前方後円墳です。

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22号前方後円墳に近づきました。前方部が失われていて、
ほたて型ではなかったかと言われています。この古墳群の中では最大級で、80m超。
鳥居には「縫殿宮」と書かれています。
石段があって墳丘上には縫殿宮の境内が残っています。
この中のようすと縫殿宮については縫殿神社にレポートしています。
⇒縫殿神社と22号古墳 http://lunabura.exblog.jp/16459935/

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これは24号前方後円墳。墳丘の形が30号とは全然違います。
それにしても、前方後円墳の全容がこうして見えるのは感動もんです。

ここは「新原・奴山古墳群」です。「津屋崎古墳群」の一部です。
59基が発見されていて、41基が現存しています。
5世紀から6世紀後半にかけて造られたもので、宗像の君一族の墓とみられています

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これは現地の掲示板の一部。ずいぶん沢山あります。
車を止めて、ぶらぶらと歩くのにちょうどいい場所です。

副葬品が見たい!
道路整備のために発掘調査されたものからは、こんなものが出土!

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左の白黒写真の中央にある変わった形に注目!これが出た5号墳は直径15mの円墳です。
革袋の形をそのまま土器で作った、皮袋形土器が出土しています。
実用品を土器で再現してるんだ。使ったんでしょうか。
それとも埋葬するためにだけ作ったもの?こんな形を割らずに焼く技術もすごいですよね。

右端と下の鉄製品は44号墳から。
44号墳は直径15mの円墳で、石棚をもつ横穴式石室です。
朝鮮半島的な鉋(かんな)形鉄製品や国内最大のノコギリなど。
大工道具ですね!船とか家を作ったのでしょうか。

中央の土器は49号墳円墳(直径12m)から。「三連はそう」(漢字は瓦に泉)というそうです。
このタイプの土器はあちこちで見ますねー。いったいどうやって使うんだろ。

るな的には、噛んで造るタイプのお酒の器ではないかと想像しています。
穀物の形が残っているので、藁(ストロー)を入れて、水分だけを飲みます。
これだと、三つのストローを入れて回し飲みです。
でも、実際に実物を触った事がないので、単なる妄想です。
本気にしないで下さい。書きたかっただけです。
(できたら正しい使用法を教えてください。)

この写真は福津市が発行している「津屋崎古墳群」というパンフレットから転写しました。
このパンフレットは古墳の形と石室と被葬品がセットで書いてあるので、
それを手にして歩くと楽しいです。
総合観光案内所や、カメリアホール横の古墳公園準備室で貰う事が出来ます。
津屋崎古墳群は将来、総合的な史跡公園になるそうですよ。
楽しみです。

現状でも、古墳時代の人々の営みを想像しながら、
この穏やかな田園風景を歩くのは気持ちがよくてお勧めコースです。

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古代の地形を想像すると、リアス式海岸のように出入りする岬あたりに
古墳群があるのが分かります。万葉集にも出てくる所です。

ブログ内での福津市のお散歩ならこちら

宮地嶽神社と宮地嶽古墳 
縫殿神社と22号古墳 
渡の牧跡 
渡の金山たたら製鉄遺跡 
謎の蛇行鉄器
高句麗―伽耶―倭をつなぐもの


新原・奴山古墳群

 



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Commented by じゅんじゅん at 2011-06-15 09:06 x
縫殿神社や、宮地嶽、渡りの牧跡、金山たたら遺跡はちかくなのですね。すこし地理が分かってきました。福津市と宗像市は隣同士ってことも。
宗像の君はこの辺を支配してたのですね。
ノコギリの副葬品が残っていたのですね。木を加工するのには絶対必要なものだと思うけど、確か初めて見た。腐食して残りにくいのでしょう。
Commented by lunabura at 2011-06-15 13:21
地図をいっぱい出したので、少しずつ理解していただけたら嬉しいです。現代のと古代のと両方ですから、県外の方には大変ですね。
ここは未発掘の所が多いので、ほんの少しの出土品のようですが、こうして一部でも、分かると、暮らしぶりが見えて来ます。鍛冶道具も他の所で出ていたりします。
古墳と出土品が対応して見られると、一族像なども見えてくるんでしょうね。これからは、そんな展示になる時代だと期待しています。
Commented by ギター好き at 2011-06-26 11:57 x
はじめましてlunaさん。

こちらの古墳群で須多田天降神社古墳は行かれましたか。

以下参考アドレスです。
http://w.nsview.net/v/00003/IMG_1746.html

上記サイトにもあるようにこの地方最大で全長83mあり、
この古墳に併設されてる天降神社は、少彦名命が祭られてます。
天降神社や少彦名命の名前が出てくるような古墳は、
誰が埋葬されてるのかすごく気になってるんですが、
lunaさんはなにかご存じないでしょうか?
Commented by lunabura at 2011-06-26 15:40
はじめまして!ギター好きさん。
須多田天振神社古墳はまだ行っていません~。
あのエリアはクニの中心エリアではないかと思っているのですが、
紹介のアドレスで確認すると、古社の雰囲気がいいですね!
晴れたら行かなくっちゃ!!
少彦名は砂鉄のシンボルなので、砂鉄を使って製鉄出来る集団が、壱岐の方面から、木を切り倒したながら、少しずつ移動して行った可能性がないかなと考えています。
鍛冶の家は福津から出土しているので、製鉄技術がなくて、韓国から鉄のインゴットを買い付けていた時代があって、それから、製鉄が出来る集団が入植してきたのではないかと思っています。
宗像族もずいぶん遅くにやって来ているので、この古墳群は「宗像族の奥津城ではない」のではないかとも思い始めました。
宮地嶽古墳は、宗像徳善ではないし。
「ニタ」「用山」という地名は小郡市にもあったので、関連性を調べ始めた所です。ちなみに「ニタ」は沼のような干潟の事らしいです。二つの地域をつなぐ「縫殿」と「媛社」について、これから記事にして行くので、参考にしてください。
Commented by ギター好き at 2011-06-27 20:52 x
lunaさん

ちなみに須多田天降神社は、自分は見つけることができませんでしたが、
対になる風降神社も近くにあるようですよ。
近くの古賀市にも天降神社があって、そちらは「あまふり」とは言わずに、
「あもり」と発音するようです。素盞鳴神・大己貴神・少彦名神が祭られているようです。

以下参考サイトです。
http://sites.google.com/site/kogakeikan/furusato-miwake/sukunahikona

>宮地嶽古墳は、宗像徳善ではないし。

自分も宮地嶽古墳は、宗像徳善ではないと思います。
被埋葬者が宗像徳善であればあの古墳が忘れ去られることは
なかったのかなとも思います。

>「縫殿」と「媛社」について、これから記事にして行くので

ぜひ記事にしてください。楽しみです。宗像神が4人のうち1人に
残ってもらった話にすごく惹かれます。現代でも天皇の客人に
宗像市の市長が残ってもらうなんて今の世でもできないことですよね。
それができた宗像の神様ってどれくらいの権力があったのかなぁ~
なんて考えたりします。
Commented by lunabura at 2011-06-27 21:17
この地域は古墳と伝承と地形がそのまま残っているので、魅力的ですよね。海も綺麗だし。
ギター好きさんが見つけられなかったとすると、下調べが必要なんですね。
宮地嶽古墳については、宮地嶽神社の方も宗像徳善ではないと、はっきり言ってありました。磐井の君の末裔を祀っているそうです。

宗像の神は船を持っていて、彼の援助なしには移動が出来なかったんじゃないかな…て想像しています。
「船を出さん」と言われたら、どうしようもないですよね。

そののち、この地域にはチャイナタウンが出来ます。唐坊跡がそうです。その時代に宗像族が大活躍します。大型船は博多でなく、この福津に入港して、中国語・韓国語・日本語が飛び交う国際都市の様相になります。歴史を知ると楽しいですね。
by lunabura | 2011-06-14 20:43 | <古墳シリーズ> | Comments(6)

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