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金星の和名(3)ゆふづづ、ゆばりほし


金星の和名(3) ゆふづづ、ゆばりほし

清少納言(964~1924)の枕草子に
 ゆふづつ ゆばりほし
とあるのが金星の事である。
この星の名前は両方とも金星を指しているんですね。
それぞれに由来があるので、一つずつ見ていきます。
(内容が少し難しいので枠の中をパスしても大丈夫です。)

1金星が夕方に出る事から付いた名
ゆふづつ 
太白(金星)を「ゆふづつ」という。一番星は「宵の明星」のことであるが、この星が夕空に最初に輝く時期は、又朝空に暁の明星の姿を見上げる時期でもある。

昔は「あさづつ」の名もあったがついに消えた。今わずかにその名残を面影をとどめているのが、未だ夜の明けやらぬ時刻を「つと」と言い、「夙」と書く例である。

星は夜の代表である。従って朔初を重くみる暦法が普及するにつれて、いつしか一番星の観念だけが固定し、平安の世に入ると、「ゆふつつ」だけが取り残されることになった。

しかし、別の見方をすれば黄昏、即ち夜の始めこそは、来たるべき翌日の昼の初めなりとする式例が日本の民族の大半に守られていたことは事実であった。
金星は夜明けに出ると「あさづつ」、日暮れに出ると「ゆふづつ」と
呼び分けていたけれど、「ゆふづつ」だけが残りました。
「ゆふづつ」の方が注目されたのは
「夜」を「一日の始まり」とするようになったからという事です。

一日の始まりはいつか?
古代には、日没を一日の始まりとする氏族と
夜明けを一日の始まりとする氏族がいました。
それぞれのルーツが違うためです。

それでは現代人は?
私たちは一日の始まりを「夜中の0時」としていますね~。

いったい何の根拠で決まったのでしょうか。
よく考えると不思議な事です。

古代には
「日の出」を見て「一日の始まりだ~」と思う氏族と
「日の入り」を見て「一日の始まりだ~」と思う氏族がいた。

そして2012年。
元旦の日の出を見て「一年の始まりだ~」と思った人は前者のタイプかな。

眞鍋氏の文章は難しいけど、繰り返し言葉にするとあでやかな光が見えて来ます。
今回は研究したい方のために出来るだけ単語を残しています。

2「ゆばりほし」は弩(ど)の形状から来たもの。
私はかつて、枕草子の「ゆばり」は「尿」だから「彗星だ」と
習った気がするんですが…記憶が薄れました。

眞鍋氏は「ゆばり」は「弓張り」からだと伝えています。
これなら清少納言も平安のお姫様に読ませられるな…。
弩星(ゆみはりほし)石見星
朔望の光環を描写した名である。又の名を石見星という。石弓を張った形に見立てたのであるが、石見(がらみ)とは熔金の品質を鑑別する名人のことであった。なお「がら」とは星の胡語でもあった。

ゆみのほし
呂昧(ゆみ)又は盧微(いび)と書いていたらしい。
いずれも爐(ろ)の火加減を調整する達人のことであった。筑紫では特に呼子(よびこ)と俗にいっていたらしい。金星が盈虚(えいきょー満ち欠け)を繰り返す姿にあわせて風雨の有無を慎重に見はからっていた姿を思い出させる。
弩(ど)は勉強したばかりでした!(サイドバー → 弩)
金星が満ち欠けするので、その形から弓張りという名が付いた訳です。
金や鉄の工人たちは金星を観察して雨風を予測し、
少しでも品質がよいものを作ろうとしました。
そしてその暮らしの中から、いろいろな言葉が生まれました。
佐賀県の呼子(よぶこ)という地名も工人の言葉だったんですね。

ところで、金星の満ち欠けを肉眼で見える人いますか?
私は視力が悪いので、想像もできない世界です。
     (つづく)



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by lunabura | 2015-05-03 08:32 | <星の和名・天文> | Trackback | Comments(2)
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Commented by ldc_nikki at 2012-01-03 01:09
るなさん、新年あけましておめでとうございます。
毎回記事を楽しみにしています。2011年最後の記事、金星のお話の一話は、姫さまに繋がるヒントのような気がしています。
今まで、月ばかり見てきましたが、それだけではなかったのですね。
ちょうど、あの日、月の真下に金星を見ました。
まるで、月と金星が一つの線で繋がっているかのように思えました。そしてあの記事。
姫の姿が、金工の人々が祀る、月の女神、再生復活の女神から、織物の女神へと変化していったその過程が、少し見えてきた気もします。
時代とともに、変化していく女神の姿が。

これから、まだまだ寒くなりますが、どうぞ、お体に気をつけて、今年も頑張ってください^^
そして、本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
愛姫
Commented by lunabura at 2012-01-03 10:37
愛姫さん。新年おめでとうございます。

そう。金星をシンボルとする女神の変遷を知って、かなりのヒントがあるなと思いました。

有明海から筑後川にかけて、景行天皇が祈った宗像三女神の謎に取り組むのに、ちょっと手がかりがでてきたなと、こちらでも感触を得ています。

地元を歩くことで少しずつ眞鍋氏の本の内容も理解出来るようになって来ました。
また、折に触れて星の伝承に取り組みたいと思います。
るな
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