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カノープスの和名(3)諏訪星 スサノヲの宿命

宇佐・安心院(34) 佐田神社4

カノープスの和名(3)諏訪星
スハヒル スサノヲ

 
サハラ沙漠の遊牧民族は、南の地平線の彼方にスハヒルの光芒を見出すと、たちまちにして駱駝と共に高所に居を移す。満々たるナイルの洪水が氾濫するからである。スハヒルは水魔の象徴であった。

そして永遠に天極から見放されて、大地の果てを放浪する運命を背に負わされた呪われた星であった。

何故に過去の宿業に悩まされているのか。近東の神話はその理由を語らない。しかしその鬱積した憤まんが天地晦冥(かいめい)のなかに暴水と怒涛をもって人類を漂没する悪神として敬遠されてきた。

前26世紀および前38世紀の二度にわたるノアの洪水も又、スハヒルの為すところと信ぜられている。

ナイルの氾濫を知らせる星としてはシリウスしか知りませんでした。
カノープスもまたその時を告げる星でした。
確かにシリウスとカノープスは同じように南に出ていましたね。



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シリウスは道しるべのように天高く夜空を渡るのに対して、
スハヒル(カノープス)は地を這うように進んで、すぐに沈んでしまいます。

その姿を見ると人々は肥沃な土地を捨てて、水から逃れる旅に出なくてはなりませんでした。

その情けない姿とスハヒルの鬱屈した姿を重ね合わせたのでしょうか。
スハヒルは呪われた星という宿命を背負わされました。

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日本神話にも、同じ宿命を負った神がいました。スサノヲです。

『古事記』神代記にいわく、
こうして、それぞれがお言葉に従って、授けられた国を治めておいでになる中で、
スサノヲの命は授けられた国を治めないで、ヒゲが胸のところに伸びるまでひどく泣きました。その泣く様子は、青い山は枯れるまで、川や海は干上がるほどでした。そのために、悪い神の声はハエがワンワンとたかるように満ちて、いろんな災いが起こるようになりました。

そこで、イザナギの命がスサノヲの命に尋ねました。
「どうしてそなたは授けた国を治めないで泣きわめくのだ」
「わたくしめは亡き母の国、根の堅洲国に行きたくて泣いています」
とスサノヲの命は答えました。すると、イザナギの大神は大変怒って言いました。
「それなら、そなたはこの国に住んではならない」
と言って、そのまま追放されました。


須佐男命はまさにスハヒル即ち諏訪星を神格化した存在であったかもしれない。天照大神は日神であり、月読命は月神であり、そして須佐男命は星神であった。遠い祖先が人間の生活に時間の区切りを教える空間的存在の一つであった。星暦は今はない。

スサノヲは父から追放され、姉からも追放されます。
ナイルの氾濫を告げるスハヒルと、ナイル河畔から出て行かねばならない人々。
そして追放されるスサノヲ。
すべてが重なるのですね。

毎年の洪水のために、ナイル流域の人々は家を建てることも出来なかったことでしょう。
その地を捨てて東を目指した集団が出た理由はここにあったのかも知れません。

スハヒル星は日本では諏訪星と呼ばれて、スサノヲ神と重ねられました。


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(つづく)

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by lunabura | 2013-09-19 23:26 | <星の和名・天文> | Trackback | Comments(0)
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