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ひもろぎ逍遥

3 坂本八幡宮・大伴旅人の邸が近くにあるという


3 坂本八幡宮

大伴旅人の邸が近くにあるという

さて、時間が経ちましたが、再び蔵司(くらつかさ)あとの
歴史散策の話に戻ろうと思います。

政庁と蔵司の間の小道を北上していくと別れ道に標識がありました。

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道路は舗装されていますが、周辺に史蹟が分布しているようなので、
古代人の感覚を掴むために歩いていくのもお勧めです。

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ここは大宰府政庁の北西にある八幡宮です。坂本八幡宮。

大宰府政庁のすぐ近くという点で、気になりました。
寄ってみましょう。


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拝殿です。御祭神は応神天皇。
八幡宮ですから応神天皇を祀るのは当然なのですが、創建が新しいようで、
神功皇后ゆかりの宮にあるような、リアルな伝承がないのが、かえって新鮮です。

八幡神はどのような事情で勧請されたのでしょうか。
風水上、大宰府に関して、何らかの守護を願ったのでしょうか。

境内の説明板を読んでみましょう。

「坂本八幡宮縁起
この坂本八幡宮は土地神‥産土神(うぶすな)として崇拝されている神社で応神天皇を御祭神としています。
「圓満山四王寺縁起」によれば「嵯峨天皇弘仁二年(811)辛卯二月勅宣にて四王院に釈迦仁の像を造立し有智山寺の沙門鳳詮法師行願具足の僧十一輩を移し開眼供養を遂げられ水田五十町を寄付し給ふ。鳳詮法師は坂本に住して善正寺と号す。又坂本坊と呼り。」とされ、平安時代にはこの坂本の地に四王寺の座主坊としての善正寺が成立していたとされています。
坂本にあったこの寺は中世は天台宗の寺院で、本山の比叡山に習い九州の天台系寺院には境内に八幡宮を祭る形が多く見られます。」

四王寺山はすぐ北にあります。

嵯峨天皇の勅命で四王院に釈迦仁の像を造立した時、
鳳詮法師が開眼供養をして、有智山からここに移って善正寺を営んだが、
天台系だったので、例にならい、境内に八幡宮を祭っていた。
その名残で八幡宮がここに残ったということかな?

文脈がよく分かりません (´・ω・`)

つづきを読みましょう。
「当社の勧請時期は「福岡県神社誌」(1944年刊)の記述によれば
「天文‥弘治の頃」(1532~1557)の戦国時代とされていますが、
おそらくこの頃に寺院が廃れ土地を経営する現在の坂本区の原型となる村落ができ、
その村の鎮守として寺の境内にあった社が再興されたものと考えられます。
戦国時代に廃れた寺にあった八幡神社が産土神として再興されたようです。

境内入り口南側にある「がらんさま」と呼ばれる立石は天台寺院の故地によく見かけられ、寺の中心地や結界となる境に置かれる事があるようです。」

それがこれですね。

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天台寺院の中心地や結界に置かれるものか…。
やはり、ここは寺が在ったあとの神社ということのようですね。

つづき。
「この場所が大字の境で「辻」という小字であることも、当社の鎮守としての性格を現わしています。
 古代には大宰府や九州を守護する寺であった四王寺が形を変えながら、現在では坂本区の鎮守として生き続けています。」

なるほどですね。
最初に疑問に思った大宰府政庁の風水には関係ありませんでしたね。


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境内には万葉歌碑がありました。
「わが岡に さ男鹿来鳴く 初萩の 花嬬問ひに 来鳴くさ男鹿
(わがおかに さおしかきなく はつはぎの はなつまとひに きなくさおしか)
 万葉集 巻八 1541
大意 私の住む岡に牡鹿(おじか)が来て鳴いている。今年初めての萩の花が咲き、牡鹿がやってきて妻問いをしていることよ。

この辺りは大宰帥(そち)大伴旅人の邸跡と伝えられている。旅人邸は「万葉集の華」ともいうべき梅花の宴が開かれた場所としてよく知られているが、赴任後間もなく妻を亡くした旅人の暮らしは心淋しいものであった。
萩の花が咲き初める初秋、牡鹿が牝鹿(めじか)を求めて鳴く求婚の甲高(かんだか)い声にも、妻を想う自分の心を重ねずにはおられないのであった。」

大伴旅人の邸跡が周辺にあったとは。そこから大宰府政庁に通ったんですね。

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右手が政庁です。
邸はすぐ目の前の平地辺りにあったのかなあ。

梅の木が見えますね。
大宰府政庁の背部に思いがけない彩りの世界があるようです。
早春に訪れてみたいな。








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by lunabura | 2014-12-08 18:54 | 太宰府政庁跡・水城周辺 | Comments(0)

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