2015年 12月 07日
脇巫女 21 すべてを奪い取られた「熊襲」
脇巫女 21
WAKIMIKO
すべてを奪い取られた「熊襲」
<十四>2015年11月19日
すべてを奪い取られた「熊襲」
「鬼」は高等な文化を伝えた
鉄の精製術
錬金術
航海術
占星術
気象観測術
土木技術
治水技術
「鬼」は伝え、地域は繁栄した
その末裔たち「熊襲」
熊襲の力を恐れ、騙し討ち、暗殺、殺戮
熊襲は技術、土地、文化、神をも奪い取られた
熊襲が崇拝していた神
すべての神を束ねる神
絶対神
熊襲を騙し討ちにした「朝廷」はタタリを恐れ、
長の命だけでなく、その痕跡さえも消し去りたかった
自分たちの「神」のために
熊襲は九州そのもの
熊襲が仕えし「神」は唯一絶対神
すなわち「セオリツ姫」
「神」の名も奪われ、消された
◇◇ ◇
かつて「鬼」が渡来して高等な文化を伝えた。
この鬼とは前述の白人系の民の第一波だろう。
その末裔の「熊襲」は九州全体に広がった。
それは集落の集合体だったという。
当時の九州は倭人から見たら異人の世界だったとも星読は言った。
熊襲の神は唯一絶対神で、それがセオリツ姫だった。
その神の声を聞く巫女もまたセオリツ姫と同一視された。
「朝廷」は熊襲を恐れて首長を騙し討ちにし、その痕跡も消そうとした。
そして熊襲の神には自分たちの神を覆いかぶせたという。
しかし、巫女たるセオリツ姫の血筋は残った。
それは星の声を聞く血筋で、これが「月守の民」だと星読は語った。
「月守の民」の中のセオリツ姫の血を引く子供たちは
集められて一緒に育てられ、
その中で一番力のある者が選ばれて、「星読みの民」の姫巫女となった。
それをイチキシマ姫と言った。
イチキシマ姫とはセオリツ姫の血を引く巫女だった。
それは「星読みの民」にとっては神に等しかった。
一方、「月守の民」の男の子は「星読みの民」を守る者として育てられた。
イチキシマ姫の降ろした神託は「物述」によって各国に伝えられた。
その後、新たに登場した「海の民」は「物述の民」に武器をもたらし、
物述の一部と手を組んで強力な武力集団となっていった。
海の民は星読みの民が疎ましくなり、その姫巫女イチキシマ姫を暗殺した。
ところが、その時、大災害が起こった。
このためにタタリを恐れた海の民は沖ノ島に神殿を建てて姫を祀った。
しかし、イチキシマ姫すなわちセオリツ姫の名が残ると困るので、
海の民は策を練った。
(つづく)
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