ひもろぎ逍遥

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神楽か能か




あれから二日になるのに、まだ私の中では「甕の音なひ」が
満ちています。

口寄せの山崎阿弥さんとイソラの上杉満代さんの
あの絡みをどう表現したらいいのか、
言葉を探しながら料理をしていると、
夫が全く同じシーンの話をし始めました。

いただいたコメントもそのシーンに関して、
それぞれの思いが綴られています。

「今日はどんな神が降りられるのか」
そんな藤枝守氏の意味深な言葉は、
当日より、時間が経った今、効きはじめました。

私の中でも発酵、熟成が続いていたようです。


イソラが後ろから口寄せを抱え込むシーンは新聞にも掲載されました。
だれもが静かな衝撃を受けたようです。

「あれはリハーサルの時と同じなんですか?」
と、山崎阿弥さんに尋ねると、違っていたということでした。

後ろから迫るイソラにギリギリまで気づかなかったそうです。

あれこそ観客の熱と共に発酵されたシーンだったようです。




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「能舞台は特別な場で、
時や思いや空間などのものが積み重なっているのです」
と笙(しょう)を吹いた石川高氏は宙を観ながら話をされる。
出演した皆さんも全く同意見で、それら見えないものとの交歓をしながら
瞬間、瞬間、創り出されていくものであることを、
受け入れ楽しんである様子でした。

「能舞台は冥界に通じていますし」
と言う石川氏。

この言葉もまた衝撃。
そうだった。
能の世界は死霊が出現して己が思いを吐き出すものだった。

「イソラを世阿弥は描いていますか?」
と尋ねると、それは見たことはないと、皆さん。

今、思えば、「甕の音なひ」は神楽なのに、
何故か能的な世界をみんな感じている。

イソラは神なのか、死霊なのか。

それは能舞台の持つ、冥界とつながる宿命が
神の舞を覆ってしまったからかもしれない。

それは融合とはちょっと違う。

右足はあちらの世界で、左足はこちらの世界。
そんな近寄り方。

プログラムを見るとはやりどちらにも足を突っ込んでいる。

藤枝守氏こそ「神楽か能か」という命題を
誰よりも考え抜かれたのだろう。

どちらとも分けることが出来なかったこの舞台の印象は
イソラがもう一度演じられるのではないかという予感となって
自分の中で膨れ上がっていく。

いや、あくまで期待だ。

それは、筑紫の古代史が多くの人に醸し出された後かも知れない。
誰もがイソラのことを知るようになった時。
その時、イソラは明確な輪郭を取って出現するのだろう。


四時開演という時間も計算しつくされていたものでした。
高い窓から差し込む冬の日差しは観客の顔を照らしていましたが、
しだいに陰りを見せ、舞台の灯りだけになっていきました。

ここもまた、昼と夜の「あわい」。
精霊や神々が「音なひ」始める時が選ばれていたのでした。



「もう一度、この能楽殿で演じたいですか?」
とイソラを舞った太田垣悠さんに尋ねると、
「何度でも、何度でも」
といとおしそうに言われた。

「最後、三度、回ったでしょ。」と私。
「そうです。イソラ舞が三度回るって知ってたから、そうしたんです。
実際はどう回ったんですか?」
「実際は氏子さんで年配の方が、鞨鼓(かっこ)を胸に下げ、
白い布を顔につけて、右回りに回るんです。
「舞能の岸の根松や。まいのうのきしのねまつや」と言いながら、
ぐるんってね。
でも、春日大社では数歩歩きながら四つの方角を回っていく。
八乙女の舞も、その場に留まって右回りに四方を向いて回っていくんです」

太田さんのしなやかな手は舞台をなぞるように宙を回る。
まだ能舞台の気を纏っているかのように。

「この三回まわり、もしかして私と太田さんだけが知ってるかも」
そんな話を酔っ払いながらしたのでした。

酔っ払いの記憶なので、あいまいな部分ばかりですが、
それでも創作のお話を聞くのが大好きなので、
ここにメモしておきます。

登場した方、そんな事言ってません、ということでしたら、
いつでも訂正するので、遠慮なく言ってくださいね。 ^^

そして、今日、志賀島の歴史講座での話の依頼がありました。
もちろん、話します!
「安曇なら何でも」と言われました。
「それなら、イソラを話しましょう」

「イソラの行方」
そんなタイトルが浮かびました。
今、読み込んでいる「高良玉垂宮神秘書」をお伝えしたいなと思います。
1月17日です。





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by lunabura | 2015-12-14 20:53 | 甕の音なひ | Trackback | Comments(8)
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Commented by 七色 at 2015-12-14 21:08 x
こんばんは
るなさんの魂の響きもイソラと共に伝わってきます
ご主人さんとのシンクロを楽しまれて入らして又々読者も ほのぼのでしょう
数日前になりますが 鞍手の古墳群横を通過中「あずみ」「あずみ」っと突然に響き渡り私にはお伝えがきていました
Commented by 七色 at 2015-12-14 21:14 x
16(水)は朝倉郡東峰村宝珠山辺りへお呼ばれして行ってきます なぜ??宝珠山周辺?修験道?っと不思議がいっぱいですが・・・今世でのパズルのピースを集めに行ってきます
先程 買い物中に宮地嶽神社を想ったので行かなきゃっと思いました 母方ご先祖・・・安曇族です♪
Commented by lunabura at 2015-12-14 23:31
七色さん、こんばんは。
宝珠山付近、ケルトと同じような「力石」の風習がありましたよ。
海の民が入ってると思います。
Commented by わたつみ at 2015-12-15 17:52 x
るなさん~先日はほんとに嬉しいひと時をありがとうございました。たぶん、誰よりも感激していたのは私かも(笑)。藤枝先生と、るなさんのおふたりが出逢って、生み出された空間。まるで自分の手柄でもあるかのように、舞いあがっていました。数年前、藤枝先生が熱く語られていた、阿知女作法。見事によみがえり、イソラを表舞台へと上げて下さいました。目の前に現れる異空間、神々の世界へのいざないでした。東京やニューヨークでもやりたいと、漏れ聴きましたので、遠くない将来、イソラは世界へはばたくかもですね。
Commented at 2015-12-15 22:08 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lunabura at 2015-12-15 23:40
◆わたつみさん!私は単なる観客です(^^;
人の縁のすばらしさをしみじみと噛みしめています。
阿知女作法、次回があるとすれば、みんなで石川さんに教えてもらって、一緒に唄いたいです♪
バスツアー、サプライズがあるかも♪です^^

◆非公開さん、コメントありがとうございます。
あちこちでシンクロが起きているようですね♪
いろんな形で集まっては交流する時期に来ているのかもしれません^^
Commented by 七色 at 2015-12-16 00:42 x
るなさん こんばんは
コメント欄「あづみ」の字を間違えました 失礼しましたm(_ _)m  

るなさんからコメントで教えて頂いた「ケルトと同じような力石の風習があり・・・海の民、、、」という内容に昨日から色々調べました
過去記事から ケルト 力石 ダーナ神族 海の民 色々調べると・・・

るなさんも3年前の12月に宝珠山周辺のケルト 力石 ダーナ神族 海の民 を再度研究なされていました
そして私も今年11月30日にNHK放送 ドラゴンは生きていた?!タイトル(記憶が曖昧ですみません)でイングランド地方を含む北欧に伝わる神話伝承をテレビから見ていて写真を取りまくり勉強勉強っと気になっていたのです
それらが ケルト 力石 海の民に繋がるなんて!?
本当に感無量でございます やはり私は海の民のルーツを追う必要性を「脇巫女」「ガイアの森」から確信に感じています!!!明日の宝珠山周辺へは・・・
魂の目的もわかり今から楽しみで仕方ありません
と同時に既に体調が悪くなって昨日はヨコイながらの1日でした しっかり施術もしてきました

それと12月1日にお話させて頂いた「保食神」の話
「保食神が龍神」=龍族=ダーナ神族
という結論に!?私の中ではパズルがハマりそうです
(ケルト 力石 海の民)などの過去記事を見させて学んでからです(o^ O^)
Commented by lunabura at 2015-12-16 23:13
何か役立つことを書いていたとしたら、嬉しい限りです。
「脇巫女」に関するかもしれないので、
当方でも、過去記事を探し出して、再度UPしようと思います。

明日は寒いことでしょうが、きっと目的が達せられるでしょう。
また、報告を楽しみにしています。
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綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『ガイアの森』   Since2009.10.25


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