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ウエサク祭と水沼



ウエサク祭と水沼



友人との会話で、ウエサク祭の話が出た。
ウエサク祭とは鞍馬寺の五月の満月祭のことだ。

このウエサク祭がアジアの各地でも行われていることは
今では周知のことだが、
それが初めて分かったのは十数年前のことだ。

それが分かった時、鞍馬の祭に異国でウエサク祭を伝える寺の僧侶が招かれた。

その年、幸運にも私はウエサク祭に参加することとなった。



この祭は瞑想がメインだ。
しずかに満月の光を浴びながら瞑想をする。
夜中の行事だ。
しかも、戸外で行われる。

金属の容器に水を張り、満月の光を転写し、それを分かち合う。
それが、満月祭の本質だと私は理解した。


一方、水沼の手によって
月の光を宿した水を変若水(おちみず)という。
若返りの水だ。

「ウエサク祭の本質は変若水だと思う」
私は友人にそう言った。

が、気になってネットで、二、三、ざっと検索してみた。
この「水」について言及したものは見当たらなかった。

ウエサク祭はブッダの悟りと結びついて考えられているようだ。




そうすると、福岡の「水沼」(みぬま)はどうだろうか。
関連があるのだろうか。

何度も書いて恐縮だが、
私が「水沼」に深く惹かれるのは、
このウエサク祭の経験があったことも、ひと役買っている。


水沼族は福岡の南部、
筑後川を母として繁栄してきた。

「水沼」とは「巫女」。
月にある変若水が聖なる泉に降り注ぐ時、
水沼は神と人との間を取り持ったという。

この伝承を知った時、
私は満月が頭上に月暈を従えてこうこうと輝いた、
あの年のウエサク祭の奇跡の光景を思い出した。

月の光を存分に吸収した水は尼僧の手によって参拝者に手渡される。
それは変若水だったのだ。
そう、思う。



日本の古代においては、その役割を水沼が行った。



月の光と水。


鞍馬のウエサク祭が仏教の行事だとしたら、
水沼はどうだろうか。

時代を考えてみた。

水沼の君は三女神を祀る。
だから、景行天皇はわざわざ祀壇を作り、
自分の子供・国乳別皇子を代理として住まわせた。
そして、水沼の姫君を娶(めと)らせた。

紀元2世紀ごろのはなしだ。
これから考えると、すでに弥生中期には水沼が筑紫にいた。


通説では、弥生時代にはまだ仏教が入っていないことになっているので、
水沼の存在は、仏教流入以前の日本の古代の姿をそのまま残していることになる。

漆黒の闇を照らし出す満月の夜のひそやかな儀式。

水沼と泉と月。

その「水沼」が水の女神と呼ばれるようになった。

それが三女神を祀った家系だ。


私の中では、鞍馬と水沼は重なり合った世界となっている。
満月と黄金の器の水と共に。








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(『神功皇后伝承を歩く』78大善寺玉垂宮より)







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by lunabura | 2016-06-07 20:38 | 大善寺玉垂宮・だいぜんじ久留米 | Trackback | Comments(7)
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Commented at 2016-06-07 22:29 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lunabura at 2016-06-07 22:57
非公開さん、こんばんは。

「欠史八代」は既にUPしています。
サイドバーの「謎の欠史八代」
http://lunabura.exblog.jp/i219/
を、取りあえずご覧になっていてくださいね。

Commented by まーりん at 2016-06-07 23:36 x
水沼は月の波動を水に転写するのですね
わたしも同じことをやっているので、できればもっと詳しく知りたいものです。
霊水と言えば、元伊勢の真名井神社は比沼真名井とも呼ぶそうですが水沼とは関係ないんでしょうか・・・

ウエサク祭、鞍馬~貴船は特別ですね
ホツマツタエでは、貴船は玉依姫がおわすところ。豊玉姫は山幸彦に出産を見られて、怒って妹のところ(貴船)へ行ってしまったということです。
Commented at 2016-06-07 23:48 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lunabura at 2016-06-08 00:01
まーりんさん、こんばんは。
元伊勢、「比沼」真名井ですか?
これはほぼ水沼ですね。
「みぬま」は当地では「みずま」と変化します。
真名井の話は赤司八幡神社の方に詳しく書いています。
赤司も、水沼、三女神のエリアです。
「水沼」の文献は、拙著の画像で出している以上は、
出会っていません。

とりあえず、こんな感じです。


Commented by まーりん at 2016-06-08 00:31 x
るなさん、ていねいに教えてくださり、ありがとうございます。

元伊勢の真名井神社は、比沼真名井(ひぬまない)と籠神社が書いています。
http://www.motoise.jp/yuisyo/index.php

それをネットで確認していたら
比沼麻奈為神社(ひぬまないじんじゃ)がでてきました。
同じく元伊勢と名乗り、丹後にある神社です。
そのそばには、「月の輪田」と「清水戸(せいすいど)」という泉が!
・・・どんどん足がはまっていきそうです 水沼だけに。
Commented by lunabura at 2016-06-09 20:41
「水沼」というキーワードだけで、そこまで類似するとは!
大善寺は水沼の女神に安曇の玉垂命が覆いかぶさっていきますが、
籠神社にも同じストーリーがありそうですね。
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綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『ガイアの森』   Since2009.10.25


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