2017年 11月 14日
ウーナ8 ガドゥ
ウーナ8
ガドゥ
シュメールの姫がエジプトにさらわれて、それをガドゥたちは盗み出した。
姫を入れて13人が船に向かって逃げていく。
「それなら、崋山、記憶あるよ」
と言うと、菊如は崋山の左の耳の下からカケラを抜き出した。ガドゥは崋山に転生していたのだ。崋山のカケラにはガドゥ時代の映像が残っていた。
崋山は一瞬でガドゥになった。
ガドゥは左手で船に手をかけ、右手を大きく振りながら、
「さあ、早く!船に戻れ。皆、乗ったか。西に向かう。船を出せ。姫は無事か。西の果て、まっすぐ進め!」
と命じた。さらに、
「今日は星がきれいだ。追ってはもう来ぬ。これからモーゼより受け継ぎし、父ヤコブの神託をもとに開かれない地に挑む。姫はヤコブをこの地に降ろす。あの飾りを使ってその地にてヤコブとの交信、モーゼとの交信をする。決して、敵・シバは近づけさせない。
首飾りに集められし者たちがこの地を開く」
と言うと、
「そう、あせるでない」
と菊如に言った。
ガドゥはヤコブの子。姫には神を降ろす能力があったので必要だったのか。首飾りはそのための神具。そういうことなのか。
次に、菊如はサル―ディについて尋ね始めた。既に二人の間に出てくる名前だったらしい。
「サル―ディとはどなたですか」
「われらがこの地にたどり着いたとき、新しく付けた我の名だ。ガドゥは名乗れぬ。ガドゥの名は捨てた。サル―ディ、サルージと変えた。
新しく動き出すぞ。我は闇のサルタヒコだ。この地を守る。案ずるでない。
すべて上手くいく。鞍手からすべては始まる」
「鞍手ですか」
「クラを手に持って神輿を挙げる。この地に初めて降りた証。クラージ、クラテ。
ガドゥ族のサルタヒコはそなたの集めた猿田彦ではない。我は裏より操る」
「サル―ディ、そうすると、姫の新しい名前は?浮かぶのは「月の沙漠を」という歌です。何故、この歌が?」
「契約の箱は二つある。本物は鞍手、もう一つは剣山。大事なものは二つある。必ず一つは偽物」
答えがずれている。菊如は先の話題を続けた。
「白山くくり姫、セオリツ姫…。ククリ姫?もう一人の姫は?」
「そなたが知っていることは教えん」
「分かりませぬ」
「ケルト、クルト、ククリだ。
透かしの技法がある。月や日の光と影。昔は月は明るかった。月の明かりで透かしの影ができる。これが暗号になる。
姫はシュメール。守っていかねばならぬものが胸にある。良くも悪くも使える。ウーナはシュメール人でケルトに関わりがあった。
ウーナはケルトの名に変えた。クルトの姫」
菊如と崋山はかつて神の命(メイ)で、各地に祀られていた六柱の猿田彦神を集め、宗像の猿田峠の豊日社におさめている。当時、そこでは猿田彦の石祠は倒れて落ち葉に埋もれ、忘れ去られていた。
ガドゥはサルージと名を変え、サルタヒコとなった。しかし、豊日社の猿田彦とは別神で、表と裏の関係になっているようだ。
菊如が突然歌い出した「月の沙漠」は私が既にブログに書いている。
何故か、この夜、私はこのネックレスを着けねばと思って胸に下げていた。
それは二枚の円で三日月が見える仕組みになっていて、透かし模様があった。
「透かし模様」の「影」がシュメールの暗号解きのヒントとして示された。
一部不明な名前があったので、あとで訂正するかもしれない。
異世界小説
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