2018年 07月 20日
ウーナ67七つの珠28 貴布祢神社2 ウガヤは名も無き人として死んだ
ウーナ67
七つの珠28 貴布祢神社2
ウガヤは名も無き人として死んだ
七つの珠をすべて奉納し、法具を手に入れた夜、菊如たちは法具を精査した。
翌日、結願の結果を崋山が知らせてくれた。
貴布祢神社に祀られている八大龍王は青い龍だった。
1300年頃にここに祀られ始めたのだが、汚れて朽ちかけていた。
それを癒すと本来の姿に蘇ったという。
そして、ウガヤフキアエズついて結願をしたらしい。
なんと、この白砂清松の企救の長浜で起きた事件が出て来た。
サワラビメのミコトがウガヤフキアエズを殺したという話をしていたが、殺したのはやはり別者の方だったという。
ウガヤフキアエズは船に乗って陸伝いに東に逃げた。
ウガヤは黒い衣装で、短い烏帽子のようなものを被っていたという。
そうして着いた所がこの小倉の企救の長浜だった。
ところが、ここでは二部族の間に戦いが起きていて、何も知らないウガヤフキアエズは戦いに巻き込まれて死んでしまったのだという。
名も無き人として。
この戦いから赤坂という地名になったとも。
ウガヤフキアエズは歴史的にその功績が伝わっていない。
名も無き人として死んでしまったとしたら、確かに伝わるものはない。
ウガヤフキアエズの記憶を持つ白皇が貴布祢神社の境内に入ったとたん、頭痛を訴えたのはこの時の記憶だったのか。
崋山が言うには、
当時、海の民と陸の者の争いも起きていた。
陸の者からみると、ワダツミの神は津波や竜巻、台風をもたらす悪神なので、封印されたのだという。
話が一段落して私は尋ねた。
「ところで、和布刈神社で白皇の左肩に預けた龍神については、どうだった?」
「あ、まだ聞いてない」
今も左肩で待ってる?
待ちかねて出ていった?
気になるところである。
異世界小説
20180720
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