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2017年 02月 11日 ( 1 )

ひめちゃご58 ミヤズヒメ



ひめちゃご58

ミヤズヒメ
 


2016年3月10日 結願


ミヤズヒメはフルベの倉に匿われていた。

「暗い。誰も帰ってこない。このような所に閉じ込めて。
タケルさまは何処じゃ。
何があった。
タケルさまに何があった。
外のモノノベたちがざわついている。
こんな倉に入れて。

カネモチは何処じゃ。

みな、武器を持って固めている。
戦があるのか。

カネモチは何処じゃ」

「ははっ。ここにおります」
サンジカネモチは両手をついて頭を下げた。

「タケルさまはどうした」
「…」

「何をした」
「姫…。タケルの命はもはや…。
姫を苦しめたタケルは在らず。
姫のため、この手で。
守るため。

ご安心なされ。
カネモチがこの手で…。
姫、もう心配いらぬ。
姫、我に続け。
この地を去りましょう」

「わらわは待つ。
タケルさまを待つ。
あの方は死んだりなんかせぬ」

「タケルは二度と現れませぬ。何とぞ、我とともに」

「わらわの前から去れ」

「何とぞ我と共に」

「わらわの前から去れ」

「それほどまでに…。お許しくだされ!」

サンジカネモチの左手が剣を掴むと、次の瞬間、ミヤズヒメの喉できらめいた。

一瞬のことだった。
ミヤズヒメは自分の死さえ自覚できなかった。



ミヤズヒメの霊が語り出した。

サンジカネモチすなわち星読がまだ目の前にいた。


「わらわはカネモチに刺された。のどをやられた。
人を思う一途な気持ちが…
何故このような事態に流されねばならぬかのう。
遠い異国から来て、やっとこの地に根付き、このようなことになろうとはのう。
何故、タケルはわらわの元に来ぬ。

星読「戦のことで心がいっぱいだったのです。
人を思う気持ちの余裕がなかったのです。

「ジングウと会っているのではないか」

星読「密談をしていました」

「わらわよりジングウと会っているのではないか。
そんなにジングウはすごいのか」

星読「姫を苦しめている者をサンジカネモチが…。
姫は誰にも渡さぬ。
生まれ変わられて、また一緒に」

「われは行くぞ」

ミヤズヒメは崋山から離れていった。

ミヤズヒメの命を奪いし者、サンジカネモチ。


***

これもまた一年ほど前のことだった。

ようやく書くことが出来た。



<2017年2月11日>


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by lunabura | 2017-02-11 19:52 | 「ひめちゃご」 | Trackback | Comments(4)
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