ひもろぎ逍遥

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カテゴリ:「脇巫女」( 76 )

脇巫女60 馬上の武人は


脇巫女60

馬上の武人は


サンジカネモチの独白は続く

◇◇ ◇
俺はこの地の「モノノベ」たちの力を分散し、弱体化させたのではなかろうか

それは、ヤマトタケルの後ろの者たちの狙いではなかったのか
俺は結局、その者たちの策に乗せられたのか


みなに詫びる


二人の弟と多くの仲間
多くの「モノノベ」の衆に
詫びなければならない

命を奪った「ヤマトタケル」にも

俺のこの思い、分かってはくれまいか・・・

皆、この想い、受け止めてはくれまいか・・・

ただただ、俺はこの地を守りたかったのだ・・・
どうかこの気持ちだけは分かって貰いたい・・・

「もののべ」の衆よ
そなた等を裏切ったのではない。欺いたのではない


この地を守るために
われは今でも、戦っているのだ


身勝手な頼みではあるが
今一度
モノノベの者たちよ、われに力を与えよ
この地を守るために、われに財を与えよ

ふたたび、皆ともに、この地を守ろうぞ!・・・


「もののべ」の衆よ
この思い、受け止めてはくれまいか・・・


◇◇ ◇
以上がサンジカネモチの独白だ。

彼はこの地を守るために戦ったのだという。

この言葉を読んだとき、私は理解した。

そう。
私の夢に出て来た「馬上の武人」は、サンジカネモチだったのだ。

「私たちは国のために戦ったのだ」
馬上の武人はそう言った。

これを聞いた当初、私は勘違いした。
武人は、鞍手の英雄、鞍橋君ではないかと。

しかし、今思えば、武人が背にした「鷹ノ口おだ山丘陵」こそ、
サンジカネモチの物語の証だった。

サンジカネモチは精悍な顔をした男だった。



さらに思い出した。
もっと前の夢に出て来た「ヤマトタケルと武内宿禰」。
これもこの時代の主たるモチーフとして示されていたことに気付いた。

タケルの目は青かった。

この青い目こそ、ミヤズ姫が見たものだった。

ある日、菊如と崋山の結願の時に、
私の魂の記憶からミヤズ姫が出て来た。
私が受け入れられなかったのは、この過去世のことだった。
私がミヤズ姫?
全く自覚はなかった。

しかし、この時、ヴィジョンに見えたものがあった。

幼子たちが何人も、一斉に門から飛び出すシーンだった。
その中にミヤズ姫もいた。
右手に「小さな竹」を高々と持って、男の子たちと駆けていった。

そんなヴィジョンだった。

それから、ミヤズ姫の意識に焦点を当てると、
大人になったミヤズ姫がいつも待っている姿が浮かんだ。
立って、ヤマトタケルが来る方向を見つめていた。
二度と逢えぬとは知らずに。

菊如が言うには、ミヤズ姫は剣の一刺しで命を絶たれたために、
死の自覚さえもなかったという。


さて。
昨年、私と星読が出会って始まったこの物語は
歴史の一端を伝えるものかもしれないし、
単なる夢物語に過ぎないかもしれない。


それでも、鞍手という町が「物部の里」であり、
「三女神の降臨地」の伝承を持つ地であるということは、
多くの人に伝えることが出来たと思う。

現実問題として、
禁足地が商業施設に破壊される可能性は残っている。
が、星読たちはきっとこれを良い方向に持って行ってくれるだろう。


サンジカネモチの死後も鞍手の物語は続いていくようだが、
内容はよく分からない。

私はここで筆を置こうと思う。

「脇巫女」を応援してくださった方々に礼を言いたい。
黙って見守ってくださった方々にも。

ありがとう。

(終)




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by lunabura | 2016-04-25 20:26 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(20)

脇巫女59 独白


脇巫女59

独白

サンジカネモチはその生を振り返った

◇◇ ◇
「熱田」と「新北」の分裂
これは敵を欺くための戦略
・・・「熱田」に武器は無い
「熱田」の武器はいずこかへ持ち去った
二人の姫を守るために「新北」と取った作戦だった

他のモノノベたちは知らない

全てはこの地を守るため

われはこの地を守るために戦ったのだ
・・・そう信じたい

二人の姫は分かってはくれまいか・・・

二人の姫のことを思うと・・・いまだに体の震えが止まらない


「熱田もののふ」・・この地を代表して戦いに挑んだ・・その名は三師金持

「宗像」三郎昭政はこの地を奪った
・・・「宗像もののべ」は「熱田もののふ」の死を知って
    この地を我が物としたのか
    「熱田もののふ」の死に関係しているのか

「香月」実篤三郎太はこの地から去った
・・・「熱田」と「新北」が分裂したと思い込んで

他の多くの「モノノベの者」たちよ
われはそなた等を裏切ったのではない。欺いたのでもない
われのこの思い、分かってはくれまいか・・・


◇◇ ◇

ミヤズ姫がまだ生きていたころ、
ヤマトタケルと神功皇后の密談が行われていた。
ヤマトタケルから見たら、神功皇后は息子の嫁に当たる。

夜になると、安全な木月で作戦会議を行った。
この作戦会議は、夜な夜な二人が遭っている、という噂となり、
カネモチの耳にまで届いた。

◇◇ ◇
サンジカネモチは・・・星読は・・・つぶやく

俺は本当にこの地を守ったのだろうか

俺はこの地を守りたい

ただ、それだけの気持ちだった

この地を、他の者に渡したくなかったのだ

俺は本当にこの地を守ったのだろうか・・・

あのときは、
武人として強靭な武器を持ち
その力にうぬぼれたいたのかも知れない

あのときは、
ヤマトタケルを操る後ろの者たちのことなど考えもしなかった

この地を守ることは敵を・・・
目の前の敵を倒すことだと信じていた


もっと広い考えを持つべきであった
もっと広い視野を持つべきであった

なぜ、ヤマトタケルとの話し合いの席に着かなかったのか
いっときの感情に支配された・・・

そうだ!
ミヤズ姫のあの言葉で・・・繰り返されるあの言葉で・・・
冷静さを失っていた

魂の記憶が蘇る
そうだ
あの言葉・・・
「なぜ、タケルは来ぬのか」

われらは一度はヤマトタケルと和議を結んだ
この地の平安を得るための和議を結んだ
大切な「姫」と引き換えに・・・
その「姫」が悲しんでいる・・・
「なぜ、タケルは来ぬのか」と

ヤマトタケルは神功皇后と頻繁に二人で会っている
夜・・・二人で・・・
そう知らされた

「姫」を差し出したことも腑に落ちない
なぜ、われらの「姫」を大切にしないのだ!
なぜ、われらの「姫」をないがしろにするのだ!

われらの「姫」は幼き頃より活発な御子
このままでは、「姫」は神功皇后の命を奪うやも知れぬ
そのようなことになれば「姫」は確実に返り討ちになる・・・
剣の力は神功皇后には適わないことは明白

「姫」の命を守らねばならぬ
如何なる方法で「姫」を守ればいいのか
俺が代わって皇后の命を・・・いや出来ない
女の命を奪うことなど「もののふ」は出来ない

ならば、ヤマトタケルの命を・・・
これしかない・・・「姫」を悲しませないために・・・
「姫」の命を守るために・・・

われら「熱田もののふ」が手助けするために同行する、と使いを出し
部下を連れてヤマトタケルの軍勢へと向かった

それを信じたヤマトタケルは油断していた
われは真っ先にヤマトタケルに切りかかった
一瞬早く、我が剣がヤマトタケルの鎧を貫いた

しかし、ヤマトタケルが戦いで命を落とすことは想定されていた
すでに身代わりの者は常に訓練されていた・・・
進行を続けるために

短慮であった

ヤマトタケルの命を奪っても
「姫」は・・・「ミヤズ姫」は喜ぶはずもない
短慮であった

ヤマトタケルに戦いを挑んだことで
他の「モノノベ」たちは困惑したに違いない
短慮であった

しかし別の方法は考えられなかった
「姫」を守る方法は・・・
短慮であった

◇◇ ◇
サンジカネモチがヤマトタケルを殺した動機が語られた。





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by lunabura | 2016-04-23 20:34 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(4)

脇巫女58 熱田サブロウタ


脇巫女58 

熱田サブロウタ


サンジカネモチは再びこの地に生を受けた。
星読として。

さて、ある日、菊如と崋山の結願で「熱田サブロウタ」が呼び出された
この男は結願があるたびに来ていたが、姿を現さないでいた。

この日、崋山の身体を借りて、「熱田サブロウタ」が現れた。
星読がその場に居合わせた。

◇◇ ◇
見えない世界から「熱田サブロウタ」を呼んでみる
何日も前から来ていたそうだ

だが・・・なかなか現れない・・・どうかしたのか?

やっと現れた・・・その姿を見て驚いた

怯えている
確かに怯えている
目を合わそうとしない
それどころか、星読の顔も見れない状態だ

「何があった」
星読は促すが・・・サブロウタはただただ怯えている

なぜ?
星読には状況が掴めない

菊如と崋山のやりとりを見つめるだけだった

やさしく、うながすように菊如が声をかけると
「熱田サブロウタ」小さな声でささやいた

「殺した
イチキシマ姫を殺した
熱田の木の根元に埋めた」

そう言うと、「熱田サブロウタ」は小さくうずくまった


この時、はっと突然、星読は「サンジカネモチ」になった

サンジカネモチは「熱田サブロウタ」に語りかけた

「もうよい
辛い思いをさせたのう
もうよい・・・もうよい
サブロウタよ、余を見よ
すまなかった
もうよい・・・もうよい」

更に続けた
「余がフルベで死んだことを知って
余の言い付けを守っただけじゃ
もうよい
辛い思いをさせたのう
もうよい・・・もうよい
サブロウタよ、余を見よ
すまなかった
もうよい・・・もうよい」

熱田サブロウタは最後までサンジカネモチの顔を見ようとはしなかった
ただただ小さくうずくまっていた


「熱田サブロウタ」
その者は「熱田」に残り
攻め込まれたときには
「姫」ともども自害せよと言い付けた
下級の武士

最後まで言い付けを守った忠臣の者

「熱田サブロウタ」よ、許せ
辛い思いをさせてすまなかった


◇◇ ◇
フルベに向かう前、熱田に匿っていたイチキシマ姫の今後について、
サンジカネモチはサブロウタに命じていた。

熱田が攻め込まれたら、イチキシマ姫を敵に渡さぬよう、
共に自害せよと。

サブロウタは命令を遂行した。

サブロウタは1800年もの間、その罪に震えていたのか。

魂たちが再生した時、
サブロウタはようやくサンジカネモチにその報告ができた。





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by lunabura | 2016-04-22 16:01 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(0)

脇巫女57 三折の剣


脇巫女57

三折の剣



これまで仲間だったフルベは、
サンジカネモチの行動に対して反発し、亡き者にせんと、剣で迎えた。

カネモチはその剣をさばいたが、多勢に無勢。
ついに、最期を迎えようとしていた。

◇◇ ◇
このとき、若いモノノベが懐に飛び込んできた
この者は以前、夢に見た者だった

サンジカネモチの動かないはずの右腕がその男の襟元を掴んだ
「この幸せ者よ
そなたは、このサンジカネモチが奪う最後の命」

そう言うと、左腕に持ちかえた「三折の剣」を
その男の下腹部から突き上げた

――この剣を敵に渡すことは出来ぬ

若者の身体を鞘として、剣をその身体に隠した

束を握る左手に力を入れ直すと
剣を抜きやすいようにするために、若者の腹を大きく切り裂いた



どれぐらいの時が過ぎたのか
身体はもう動かない

ところが、その時、身体に温もりを感じた

――この温もりは?

膝の温もり・・・頭を支えてくれている
左腕をさすってくれる・・・優しい手のぬくもり

それは月守の巫女の温もりだった

――約束を覚えてくれていたのか
  戦場で倒れたときの約束を・・・
  我が剣をいずこかに隠せ
  そんな、辛い約束を・・・

――月守の巫女よ
  剣を頼む
  我が左腕は動かない・・・
  切り落としてくれ・・・
声が出ない

――月守の巫女よ
  最後にそなたの笑顔が見たい
目が開かない

月守の巫女は約束どおりに
左手を切り落とし、若者の身体から剣を抜き
衣に隠して去って行った

――すまない
  辛い思いをさせて・・・
  すまない

  守れなくて・・・
  月守の巫女よ・・・すまない
  ・・・許してくれ・・・

  俺は何も守れなかった

  すまない

  モノノベの者達よ

  俺は、この地を守りたかっただけなのだ

  解ってはもらえないだろうか・・・

  多くの者達に詫びねばならぬ

  この地の者達に
  モノノベの者達に


そして、今、ふたたびこの地に生まれた
この地を守るために

◇◇ ◇

サンジカネモチの最期は同じモノノベの若者の剣によるものだった。

それは、この「脇巫女」の冒頭に出てくる
「星読の夢のシーン」でもあった。

星読がこの物語を紡ぎ始めたときに、
最期のシーンを夢で見せられていたのがここで分かった。


サンジカネモチは味方の集うフルベに馳せ参じる時に、
木月の月守の民の脇巫女に草薙剣を預けた。

そして、自分の三折剣を万が一の時には預かってくれと頼んでいた。

カネモチは最期の時に、若者の身体に剣を突き通し、
その肉体の中に剣を隠した。

月守の巫女は瀕死のカネモチとの約束を守るためにやって来た。

束だけが外に残ったが、カネモチの指が握り締めたまま硬直していたために、
手首を切り取って、剣を取り出したという。


薄れる意識のなかで、カネモチは巫女に感謝した。


そして、自らの行動を振り返った。

それは、この地を守るため。
ただ、それだけの思いからだった。

そして、六ケ岳の黒だまの秘密を守るため。


それから1800年経って、
カネモチは再び六ケ岳の麓に生を受けた。
それが星読だった。


サンジカネモチは「三師金持」と書く。
「三師」(さんし)とは周代に初めて設置された身分で、
のちの宰相に相当したという。

カネモチはモノノベを統括する身分だったのだろう。

(つづく)
  





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by lunabura | 2016-04-19 21:47 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(0)

脇巫女56 最後の戦い


脇巫女56

最後の戦い



三折(みつおれ)の剣とは、
稲妻のように、ギザギザに折れ曲がった剣だったという。

両刃であるために、断面はソロバンのように左右が尖っていた。
鞘(さや)が作れないために、革袋に入れていたという。

一方、草薙の剣は直刀で、軽かったと星読はいう。
それを妖刀と呼んだのは、
何でも出来る気持ちにさせる剣だったからだという。

◇◇ ◇

このままでは、再びヤマトタケルが攻めてくる
そう思った「熱田もののふ」

ヤマトタケルの剣を手にしたとき・・・心がゆらいだ・・・

〈 自分は何でも出来る 
われに従え
「熱田」の者たちよ 〉

ヤマトタケルの剣は「妖刀」だった



「熱田もののふ」は自らの剣「三折の剣」と「妖刀」を両手に持った

これに従う多くの「熱田」の者たちは
「熱田」がこれまで蓄えてきた強靭な武器を持ち
われらの聖地「六嶽」と
「星読の民」「月守の民」が暮らすそれぞれの地を守るために
「ふるべ」の地に向かった

その途中、「熱田もののふ」は「妖刀」を
「月守の民」が暮らす「木月」に預けた


◇◇ ◇

サンジカネモチは妖刀である草薙の剣を木月に住む
月守の民の脇巫女に預けた。

そして、自分に何かあったら、三折の剣を人に奪われぬように、
持ち去って欲しいと頼んだ。


サンジカネモチたちは
熱田に蓄えた武器を持ち、仲間であるフルベの地へと向かった。

いざ、ヤマトタケルとの決戦へと。


しかし、フルベではサンジカネモチが勝手にヤマトタケルを殺した事が
問題になっていた。

――和議が出来ていたものを。
――よけいな事をした。
と。

こうして、フルベはサンジカネモチを亡き者にしようと待ち構えていた。

◇◇ ◇
「ふるべ」の地でヤマトタケルの反撃を待ち構えるはずだった

「熱田もののふ」たちを待つ「ふるべ」の地には
多くの「モノノベ」たちが集結していた

サンジカネモチの声が空しく響く

「フルベの者達よ
モノノベの者達よ
この地を守り大切な者達を守る戦いだ
われに従わないのか」

謀られたことをサンジカネモチが悟ったときには・・もう遅かった

先の戦いで利き腕の左腕に傷を負ったまま、右手に剣を握って戦った

「フルベ」の地は戦場となった・・・モノノベ同士の・・・

仲間だった者たち

なぜ戦いを挑んでくるのか
そなたたちでは、この命、奪うことは出来まいに

いくつもの剣先を受けるカネモチ
傷つく身体



なれない右腕の戦い・・・
サンジカネモチは両の腕に深手を負い、これ以上戦えないことを悟った

それでも、相手の命を奪い続けた

いくつかの深手が自由を奪う

動けない

動かない

戦場での死とは、このようなものか

経験がない

動かない

意識は、まだ、ある

これ以上は戦えない

最後の者が、わが命を奪うのか

◇◇ ◇

サンジカネモチは仲間と思っていたフルベたちに命を狙われ、戦った。
しかし、深手を負って、次第に意識が遠のいて行った。





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by lunabura | 2016-04-17 20:47 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(0)

脇巫女55 ミヤズ姫


脇巫女55

ミヤズ姫



星読によると、ミヤズ姫は熱田から離れ、
小牧?付近に新たに屋敷を構えて、ヤマトタケルを迎えたという。

その警護にはフルベモノノベが当たっていた。

サンジカネモチによって、一代目のヤマトタケルが討たれたが、
二代目がすぐに活動を始めたので、
新妻であるミヤズ姫はタケルの死を知らないままだった。

タケルの目は青かった。

二代目がミヤズ姫を訪れることは決してなかった。

◇◇ ◇
<2016.3.31> 最後の戦い

これは、星読のひとり言

頭から離れない・・・ことば
          映像
          思い込み
なぜか、書かなければ収まらない・・・・


ミヤズ姫は繰り返す
「なぜ、タケルは来ぬのか」
「わらわのもとへ、なぜ、来ぬのか」

このとき、ミヤズ姫は外の異様な雰囲気に気付く
「戦が始まるのか?」
「カネモチを呼べ」

そこは「フルベが守る地」

サンジカネモチはミヤズ姫のもとを訪れた

カネモチの前でミヤズ姫は繰り返す
「なぜ、タケルは来ぬのか」
「わらわのもとへ、なぜ、来ぬのか」
「外はどうなっているのか」

・・・それほどまでに「タケル」に逢いたいのか
   それほどまでに「タケル」を慕っているのか

カネモチはついにミヤズ姫に告げた
「タケルのもとへお連れ致す」

つぎの瞬間、カネモチの利き腕である左腕が動いた
三つ折の剣を抜くと、
その剣先がわずかにミヤズ姫の喉元を切り裂いた

ミヤズ姫は笑顔のまま、そこに座って動かない

「姫はこのサンジカネモチがヤマトタケルのもとへお連れした」

そう言い残すと、サンジカネモチはフルベが待つ地へ向かった


◇◇ ◇
新妻であるミヤズ姫は政略の婚儀ながらも、
ヤマトタケルを慕った。

青い目のタケル。

しかし、二代目は発覚を恐れ、ミヤズ姫を訪れることはなかった。

呼び出されたサンジカネモチは何も知らない姫の言葉にいらだった。
「そこまで言われるなら、望みどおりにマトタケルの元へ」
それは、あの世での再会を意味した。

三つ折剣は抜かれ、一瞬で喉を切り裂いた。

こうして、カネモチはミヤズ姫の命を絶った。



サンジカネモチはヤマトタケルから奪った草薙剣を木月に預けると、
勇んでフルベの拠点に向かった。

仲間であるフルベの元へ。

しかし、フルベの情勢が変わってしまったことに
カネモチは気付いていなかった。






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by lunabura | 2016-04-16 20:35 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(2)

脇巫女54 サヨリ姫(イチキシマ姫)



脇巫女54

サヨリ姫(イチキシマ姫)

 
◇◇ ◇
ミヤズ姫を差し出したことを後悔している「熱田もののふ」は、
「六ヶ岳」と「サヨリ姫」はどんなことをしても守りたいと、
そのことだけを考えていた。

そこで、差し出す姫はもういない
この地にはもう差し出すものは何もない

そうすれば、一行はこの地を離れると思っての策

戦わずにこの地を去っていくものと願っていた

「六ヶ岳」の秘密を守り通すために・・・

◇◇ ◇
ミヤズ姫は「熱田もののふ」即ちサンジカネモチの幼(おさな)なじみだった。
ヤマトタケル側は和議の証として、ミヤズ姫との婚儀を求めたようだ。

そして、熱田はミヤズ姫を差し出していたことがこれで分かった。

熱田モノノベにとって、このミヤズ姫以外にもう一人、重要な姫がいた。
それがサヨリ姫だったという。

サヨリ姫が死んでしまえば、もうこれ以上、差し出すものはなく、
ヤマトタケル側はあきらめてくれると、考えての偽の葬儀だったようだ。

さて、このサヨリ姫とはどんな姫だったのか。
菊如と崋山の結願のようすを星読は記録していた。

今回はそれを読もう。
「イチキシマ姫」とは通称で、本名は「サヨリ姫」だった。

結願の時、サンジカネモチが現れて、答えた記録である。


◇◇ ◇
(サンジカネモチに)「イチキシマ姫」のことを尋ねてみた

われわれは、かの地から一族で海を渡ってきた
この地は、土地は痩せており、農耕には向かない

そこで暮らす「やまとの民」は貧しい暮らしをしていた
しかし、われらは知っていた
この地で採れる「黒だま」の価値を

われらの「たたら衆」の技術は「やまと」のものとは比べられないほど
優れていた

われら一族は、この地を奪いに来たのではない
この地に、ただただ住みたかった
われらの農耕の術も優れていた
だが、われらの風貌は「やまとの民」には異様に見えた
体は大きく
身に着けているものは鮮やかな色彩をしておる
言葉も通じない

当時、壱岐は貿易の要衝であった
壱岐・対馬は危険な場所でもあったがな

そこの「姫」はわれらの言葉を操ることが出来る
この地に暮らす「やまとの民」にわれらのことを説得してくれた

われらは、直ぐに打ち解けることが出来た
「姫」のおかげじゃ

だが、言葉が分からん
「姫」はわれらに「やまとことば」を教えるために残ってくれたのじゃ

この「姫」のことを
われらは「壱岐・対馬の姫」じゃから
「イチキシマ姫」と呼んでおった

本当の名は・・・確か・・・「さより姫」と言っておった
心優しい姫だった
いつも「黒だま」では武器は造らぬように、と言っていた

「サンジカネモチ」は「熱田」をまとめる者であった

懐かしそうに話すと、「サンジカネモチ」は戻っていった


◇◇ ◇
サヨリ姫は壱岐対馬の姫ということから、
なまって「イチキシマ姫」と呼ばれたようだ。

サンジカネモチたち、渡来人が鞍手に定着できるように、
通訳として残っていた。

「黒だま」を製錬する技術者を連れていたサンジカネモチたちにとって、
サヨリ姫は恩人だったのだ。

サンジカネモチはミヤズ姫に続いてサヨリ姫まで要求されることを恐れて、
死を偽装したことが分かった。


記憶は時系列に呼び戻されるものではない。
行ったり来たり、ぐるぐる回りながら、深層へと辿りつくものだ。

星読の記憶もまた、ぐるぐると螺旋を下りながら、再現されていった。

さて、「六ケ岳」の秘密とは如何なるものか。
まだ、ここでは明らかになっていない。
すでに、星読は思い出しているのかもしれないが。





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by lunabura | 2016-04-13 20:32 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(6)

脇巫女53 サヨリ姫と脇巫女と


脇巫女53

サヨリ姫と脇巫女と


さて、前回、サンジカネモチはヤマトタケルを襲撃し、
タケルは絶命。
側近たちによって埋葬され、側近も自害した。

が、第二代目のヤマトタケルが発動し、
見かけ上は何も変化が無い状況となっていた。

サンジカネモチはヤマトタケルを襲撃する前に、
自分たちの姫であるミヤズ姫を「ふるべもののべ」に預けていた。

そして、六嶽の姫であるサヨリ姫を奪って熱田に連れてきていた。

星読の記録の続きを読んでいこう。
「熱田もののふ」とはサンジカネモチのことだ。
サンジカネモチはサヨリ姫を守る為に、戻ってきた。

◇◇ ◇

「熱田もののべ」が守らなければならないもうひとりの姫がいた
それが「六嶽」から「熱田」にお移しした「サヨリ姫」だった

しかし、「六嶽の姫」は同行しようとなさらず、この地に留まると言われた


「熱田もののふ」は「二度と戦いには行かない」と言い、
その証に「三折の剣」を差し出すも、姫は聞き入れてくれなかった

悩んだ「熱田もののふ」は
ヤマトタケル側の攻撃を阻止する為
「熱田」と「六嶽」を守る為
「熱田もののふ」の命よりも大切な「六嶽の姫」の命を奪ったと
デマを流した

さらに「熱田もののふ」は「六嶽の姫」の埋葬を剣岳の正面の段丘で行なった
このとき、石棺に遺体を入れなければならなかった
・・・身代わり・・・
「熱田もののふ」は口には出来ない

一人の脇巫女が自ら身代わりになることを申し出た

その脇巫女を石棺に納め
地中に埋葬した・・・生きたまま・・・

このとき「熱田もののふ」は
自分の考えを「熱田」のモノノベたちに告げずに戦いを始めたことを心で詫び、
ヤマトタケルの軍勢がこのまま去ってくれることを願った

一部始終を見ていたヤマトタケルの軍勢が
「このようなことをしてまでも守りたいのか、
ならば、このまま先に進もうか」
と考えたのを、「熱田もののふ」は知らなかった

“悲劇の序章”・・・“見なければよかった”・・・“聞かなければよかった”

なんと、剣岳にはヤマトタケルと呼ばれている無傷の武将がいた
第二代目だった


◇◇ ◇
六嶽の姫を熱田に連れてくることに何のメリットがあったのだろうか。
また、その姫を殺すことに、どんな戦術が込められているのか。
正直、私には分からない。

ここは星読の解説を是非ともコメント欄に入れてほしい。

六嶽の姫、サヨリ姫の見せかけの葬儀。
それが、あの「鷹の口おだ山」だったのか?






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by lunabura | 2016-04-12 21:32 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(4)

それぞれの神


それぞれの神


サヨリ姫

ミヤズ姫

イチキシマ姫

タギツ姫

タゴリ姫

セオリツ姫


ヤマトタケル



数日間のコメントで、皆さんの心の中に


それぞれの神が住まわれているのを知りました。



言葉にならぬ深い祈りの思い。



よく伝わってきます。


星読の心の奥から生み出される不可思議な世界

「脇巫女」

そのページを開くと、その神々が肉体をまとい、息づいている。

ほんのひと時だけど、

その神々が己が心の中に息づく。

心から敬愛する神とのひと時。

どれほど恋い焦がれたか。





しかし、この後、あなたは様々な感情に触れなければならない。

悲しみや憎しみ、恐れ、絶望。怒り。嫉妬。

それは何度もの転生の中で魂が受けた心の傷だ。


魂の心の傷は表現を求めて、言葉を作り出す。

言葉が生まれたら、一歩踏みとどまって振り返ろう。


己が言葉を。




すべての言葉は宇宙を創造している。

己が言葉は良き未来を創り出しているだろうか。



己が言葉の生み出したものを見届けよう。

愛があふれる世界を創造しているだろうか。



あなたも神そのものだ。

あなたの言葉は宇宙を創り出している。


あなたの中の神は何を求めているだろうか。

光り輝く自分自身の姿を見つけてもらいたいのだ。




光体の自分自身。



今世紀の私たちの挑戦は、光り輝く自分自身に出会うこと。



そうは思わないかい?





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by lunabura | 2016-03-21 21:28 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(7)

会計




今日は講演会を聞きに行ってきました。
菜の花が真っ盛りです。

昨日から沢山のコメントありがとうございます。

人それぞれ意見がありますし、
表現の自由が保障されています。
何人も私の文章を検閲することはできません。

日本は本当にありがたい国ですね。


さて、昨年から町内会の会計を預かっていまして、いよいよ年度末。
一昨日はエクセルのプロに習いに行ったりして、数字と格闘しています。

で、コメント、いっぱい頂いていますが、お返事しません。

報告書
が出来上がったら、また「脇巫女」再開します。



これはファンタジーとかエンターテイメントの部類に属する「小説」ですから、
真実と勘違いしないでくださいね(^_-)-☆



読者の方、謀られませぬよう。

謀られたら、私の勝ちです^^






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by lunabura | 2016-03-20 20:05 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(7)
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綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『ガイアの森』   Since2009.10.25


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