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ひもろぎ逍遥

敷粗朶(しきそだ) 水城と薦神社

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中国ドラマを見ていたら、堤防を補強する工事に「敷粗朶」(しきそだ)が出て来た。
敷粗朶とは葉が付いた枝を集めたもので、土手の下に敷き詰めるものだ。

ドラマでは沢山の枝が直径八十センチほどの円筒状に束ねられて数メートルほどの長さになっていた。
想像以上に円筒状の直径が大きかったので、驚いた。


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「乾隆帝」より

これは敷粗朶を作っているシーン。


敷粗朶が水城(みずき)の底からも出土している。


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水城 現地説明会

水城は福岡県の御笠川を堰き止める土手で、発掘調査された時、底から敷粗朶が青々としたまま出た。あっという間に色は黒くなったが、広葉樹の葉だった。

水を制圧する為に、木の枝が活用されたのである。
その枝は葉が茂っていたので、初夏の頃のものだった。
しかし考えると梅雨のすぐ前なのだ。
川が増水する前にかなり計画的に作業をしないと、無駄骨になる。

しかも遠方から運搬しなくてはならず、粗朶を束ねるために想像を超える長さの縄も必要だったはずだ。
葛などの長いツル性植物を利用したのかもしれない。

水城の工事について真鍋大覚は、御笠川の大洪水で下流が氾濫したのを契機に、筑紫君磐井が蘇我氏の技術で作ったと記す。その土木工事で敷粗朶が敷かれたのである。

同じ敷粗朶が「枝敷き」という名で宇佐の元宮の薦(こも)神社にも伝わっている。

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薦神社 ご神体 三角池

ここはご神体が三角池だが、もともと広大な湿地帯だったところを、秦氏の技術で枝を敷いて土手を作ったと伝わっている。

蘇我氏と秦氏がそれぞれに伝えた技術だが、中国ドラマを見て、大陸では一般的な技術だったと分かった。

しかし、これまでは敷粗朶とは、一人ひとりが担げる分量と思っていたので、ドラマを見て、自分の想像力の小ささに、あぜんとした。
水の力は想像を絶する。
古代人たちは、それはそれは強い決意で築堤に臨んだことを知った。

<20260509>



# by lunabura | 2026-05-09 16:25 | 太宰府政庁跡・水城周辺 | Comments(0)

新著の販売会を5月23日(土)します。くるま座にて

念願の万葉集を本にすることができました。タイトルは
『癒しの万葉集』-人生の四季を歌うー
です。
これまで沢山の万葉集をブログに挙げていきましたが、いつも感じるのはその癒しの力でした。万葉人が生きていく折々に吐露された想いが、不思議にも力を与えてくれるのです。

歴史的な真実が垣間見える歌もありますが、今回はちょっと触れる程度で、あまり追及せずに、「暮らし」「生きていく」ことに焦点を当てました。

万葉集の言霊(ことだま)は日本人の琴線に触れるだけでなく、普段は意識しない深奥の「生きていくチカラ」をそっと励起するような力があるんですね。

言霊の宝庫である万葉集。

これを読むにあたって、文法を知っていると良いのですが、それよりも「言葉」の意味の説明の方を優先しました。
だから、直訳と超訳を並べてみました。
言葉をちょっと知ると、ぐっと理解できて引き寄せられる。

全体の構成も、恋をし始めた年代から壮年、そして終焉の時と並べていきました。
そうして、最後の最後に自分の心の奥から生まれた言葉が
「人生もまた季節のごとし」
でした。そこで、これをサブタイトルを「人生の四季を歌う」にしました。

【目次】
一の巻 恋する  
二の巻 機(はた)を織る 
三の巻 七夕の夜は
四の巻 逢いたい
五の巻 二度と逢えない
六の巻 男同士で一杯やろう
七の巻 忖度(そんたく)なんかしないぞ
八の巻 ふるさとよ 我が子よ
九の巻 永遠の別れ     
十の巻 ひとり残されて
終の巻 寿ぐ(ことほぐ)

読んだ後に生まれるチカラを感じてください。


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これもまたAmazonだけでの販売です。
ちょうど季刊「邪馬台国」147号も出版されて、「筑紫なる斉明天皇と天智天皇」の第3回が掲載されました。

そこで、いつものくるま座さんで販売会をします。
お茶を飲みながらいろいろおしゃべりをしましょう。

バスハイクが無くなって、古代の話をするチャンスも無くなりました。
あれやこれや、方向も定まらずにおしゃべりする時間を楽しみにしています。

日時は
2026年5月23日(土)14時~16時
です。


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遅いランチに玄米定食が人気でしたよ。カレーもおいしそうだった。
ドリンクを頼んでから、おしゃべりをしましょう。

車の方は駅前やクローバープラザの有料駐車場があります。
徒歩ではJR春日駅から歩いて1分です。

  • 福岡県春日市千歳町1-24

  • 最寄り駅: JR春日駅(徒歩約1分)

  • 電話番号: 092-592-8903

持っていく本は次の四冊です。

豊玉 紙書籍版は2420円です。電子書籍は880円です。

<20260508>



# by lunabura | 2026-05-08 11:05 | 万葉・日本書紀の風景 | Comments(0)

「筑紫なる斉明天皇と天智天皇」第3回 は「乞食の相あり」

季刊「邪馬台国」147号が5月に発売されます。

連載中の「筑紫なる斉明天皇と天智天皇」は、斉明天皇が崩御したあと、いよいよ中大兄皇子の話に移ります。


タイトルは
「乞食の相おはします」中大兄皇子の西国修行と称制問題
です。


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斉明天皇が朝倉市で崩御したあと、中大兄皇子は福岡で何をしていたのでしょうか。
通説では天皇に即位せずに称制を行ったとされますが、自分で『日本書紀』を訳していくと、すでに「天皇」と書かれた部分もあって、称制とは言えない内容が出てきます。訳す時、めっちゃ困るんですね。こういうの。で、あれこれと調べた結果を書きました。

驚くのは、中大兄皇子が天皇に即位する前に、卜者に「乞食の相があります。天皇に即位する前に修行すれば免れます」と言われた話が残されていることです。

卜者の言葉を受け入れた中大兄皇子は「オサジマ」に行って修行するのですが、その「オサジマ」は福岡県のみやま市にありました。

現地に行くと、あの「こうやの宮」のそばだったのです。そう、「こうやの宮」とは七支刀を捧げた神像がある神社です。正式名は磯上物部神社です。

中大兄皇子はそこで、いったいどんな修行をしたのでしょうか。


また皇子を占って修行を決心させた人とは誰なのでしょうか。
「乞食」(こつじき)という仏教語から、関連ある僧侶を探すと、側近の中臣鎌足の子に手がかりが出てきました。

幸いに、みやま市の伝承を伝える方の講演を聞き、また直接「こうやの宮」の神像を拝する機会を得ました。

そこの地名はかつてはヤマト郡オオミワだったのです。
山門県。物部の里。


神功皇后と田油津姫の激戦の地でもあります。

中大兄皇子はそこの物部氏に迎えられたのでした。

そこに伝わる腹赤魚の伝承。
この謎解きも、やはり真鍋大覚のお世話になりました。

第3回はそんな話です。

真鍋大覚ノート『星の迷宮へのいざない』は物部氏の口碑そのものです。
今、出版準備をしているのは物部氏が書いた『高良玉垂宮神秘書』


『神功皇后伝承を歩く上下』も物部氏の研究本と、とある大学教授から言われました。(ほんとは古代豪族たちが何処にいたかが分かる本ですけど)

福岡は物部氏の里だらけ……
神社参拝すると遭遇する多くの物部氏。
今回は旧山門郡の話になります。

「季刊邪馬台国」は全国の書店で展開しています。取り扱いが無ければ注文して書店を応援しましょう。
通販なら、梓書院に直接が一番早いです。

<20260425>

『星の迷宮へのいざない』は物部氏の口碑の研究書です。



# by lunabura | 2026-04-25 15:29 | 朝倉橘広庭宮 | Comments(0)

『癒しの万葉集』-人生の四季を歌うー 出版しました!

『癒しの万葉集』無事に出版しました!
手許で開くととてもかわいいです。


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いちおう、当時の結婚の風習や防人の制度などの解説も、簡単ですが加えましたよ。

古典と現代人を繋ぐものとして、現代語訳に超訳も加えました。

難しいことは抜きにして読んでみてください。

自分の中に隠れていた想いに寄り添う歌を見つけた時、胸が熱くなる想いを経験します。
それは未分化の思いが言葉を得た喜びです。
それがたとえ悲しい歌でも。

そして、不思議に生きていく力が生まれてきます。

それが1300年経っても愛される万葉集の力だと思って「人生の四季を歌う」という副題を付けました。


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kindleのペーパーバック版です。


【目次】
一の巻 恋する
ばれずに恋がしたい/君の名は?/後朝の別れがつらい ほか        

二の巻 機(はた)を織る 
乗馬服/機織り/何色に染めよう/婿取りの日 ほか  
             
三の巻 七夕の夜は
彦星と織姫/僕らも川を隔てていた/ああ 出かけたくない ほか 

四の巻 逢いたい
馬よ 走れ/僕はくすみそう/ブラック勤務に泣く ほか   

五の巻 二度と逢えない
現地妻に心を奪われた/采女を愛してしまった ほか

六の巻 男同士で一杯やろう
俺独りで飲むのかよ/酒壺になりたい/俺の功績を覚えてくれていたなんて ほか       

七の巻 忖度(そんたく)なんかしないぞ
飲んだ後なら散ってもいいぞ/梅は何処に散ってるんだい ほか

八の巻 ふるさとよ 我が子よ
都の風習は忘れた/あなたは私を忘れる/名を立てずには ほか

九の巻 永遠の別れ
青き人魂/弟が死んだ/三十五歳のあなたとの別れ ほか           

十の巻 ひとり残されて
分かっていたつもりだが/空っぽの家/恋を忘れさせる貝 ほか       

終の巻 寿ぐ(ことほぐ)
さあ、愛し合おう/良き事よ 重なれ 

<20260424>



# by lunabura | 2026-04-24 15:33 | 万葉・日本書紀の風景 | Comments(0)

4月20日 『癒しの万葉集』-人生の四季を歌うー を出版します

4月20日 『癒しの万葉集』-人生の四季を歌うー を出版します_c0222861_11104051.png



『癒しの万葉集』―人生の四季を歌うー

万葉集から百二十二首を選び、
人生の流れに添って編み直した小さな歌集です。

人生もまた、季節のごとし。

恋して結婚し、働き、友と酒を酌み交わし、
やがて伴侶と永遠の別れを迎える。

人生の出来事、その折々の思いが和歌となって残された万葉集。
そこには、生きていく喜び、哀しみ、辛さなど、人の心のありようがそのまま詠われています。

そしてそれは、今を生きる私たちの感情と驚くほど響き合います。

時を越えて心と心が触れ合うとき、その言霊は、失いかけていた「生きていく力」を蘇らせてくれるでしょう。

庶民も貴族も歌を詠んだという、世界でも稀有な日本の和歌集・万葉集。

本書では、短歌・長歌・旋頭歌など様々な様式の歌を選び、
すべての歌に現代語訳と簡単な語句の解説を添えました。

万葉集を読んでみたい方
日本の古典に触れてみたい方
想いを言葉にしたい方
生きていく意味を考えている方
など、どなたでも読めるように構成しました。

贈り物や待合室の読み物にも適しています。

【目次】
一の巻 恋する
ばれずに恋がしたい/君の名は?/後朝の別れがつらい ほか        

二の巻 機(はた)を織る 
乗馬服/機織り/何色に染めよう/婿取りの日 ほか  
             
三の巻 七夕の夜は
彦星と織姫/僕らも川を隔てていた/ああ 出かけたくない ほか 

四の巻 逢いたい
馬よ 走れ/僕はくすみそう/ブラック勤務に泣く ほか   

五の巻 二度と逢えない
現地妻に心を奪われた/采女を愛してしまった ほか

六の巻 男同士で一杯やろう
俺独りで飲むのかよ/酒壺になりたい/俺の功績を覚えてくれていたなんて ほか       

七の巻 忖度(そんたく)なんかしないぞ
飲んだ後なら散ってもいいぞ/梅は何処に散ってるんだい ほか

八の巻 ふるさとよ 我が子よ
都の風習は忘れた/あなたは私を忘れる/名を立てずには ほか

九の巻 永遠の別れ
青き人魂/弟が死んだ/三十五歳のあなたとの別れ ほか           

十の巻 ひとり残されて
分かっていたつもりだが/空っぽの家/恋を忘れさせる貝 ほか       

終の巻 寿ぐ(ことほぐ)
さあ、愛し合おう/良き事よ 重なれ 

【収録した歌人一覧】
大伴旅人 大伴宿奈麿 大伴家持 大伴坂上郎女 大伴坂上大嬢(おおいらつめ) 大伴百代
藤原麻呂 藤原宇合 藤原房前 藤原広嗣 郎子
柿本人麻呂 小野老 葛井廣成 沙弥満誓 山上憶良 抜気大首 宇努男人
雄略天皇 藤皇后(光明皇后) 安貴王 手持女王 田邊福麿 依羅郎子 
詠み人知らず



【著者 綾杉るな】
古代と現代を繋ぐストーリーテラー。
星の和名や磐座、祭祀線を研究し、日本の神話、古典、そして各地に息づく神社の伝承を独自の視点で再構築している。緻密なフィールドワークに基づいた執筆活動を展開。

kindleのペーパーバック版です。
(電子書籍は作っておりません。)

発売はAmazonのみです。
ストアが開いたらまたお知らせします。

<20260415>


# by lunabura | 2026-04-15 11:10 | 万葉・日本書紀の風景 | Comments(0)

綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『豊玉』『星の迷宮へのいざない』   Since2009.10.25
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