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ひもろぎ逍遥

日天宮(2)御神体は巨岩でした・出たのはUFOでなく


日天宮(2)
福岡県嘉麻市嘉穂町牛隈
謎の巨石文明
日天宮、月天宮の御神体は巨岩でした
出たのはUFOではなく、恐怖の…


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鳥居を過ぎると、坂の途中から、すでに巨岩が見え隠れします。
「すごいねえ。大きいねえ。」と言いながら、上って行きました。

全く人里離れた山の中なのに、石段や境内が掃き清められています。
「ほうきの痕(あと)があるよ。」

くるま座さんが教えてくれました。
「ここで会った人がね、仕事を辞めて実家に帰ってたら、あんた、ブラブラしてるなら、
一週間ぐらい神社に泊って掃除をしなさいって言われてね。」
「へえ。それで?」
「一か月ここに寝泊まりしたんだって。」
「へえ。こんなとこに?。」
そんな話をしながら、石段を上がると正面に簡素な拝殿がありました。

その拝殿の後ろに日天宮の御神体の巨岩があります。

日天宮(2)御神体は巨岩でした・出たのはUFOでなく_c0222861_15493986.jpg

これが御神体岩。
この磐座の割れ目は自然に割れたのではなく、いくつかの岩が組み合わされて出来ています。
それぞれの岩の目が違っていたり、割れ目の接合面が合わなかったりしています。

正面から見ると、岩の上の方に巨大な丸い浮き彫りがくっきりと見えました。

下宮の星岩宮で見た丸の浮き彫りとほぼ同じ大きさです。
でも、よくよく見ると、周りにも彫り跡が見えて、全体では眼にみえます。
写真でも、丸の周りに瞳らしき彫り跡が分かると思います。

日天宮(2)御神体は巨岩でした・出たのはUFOでなく_c0222861_15514576.jpg

これが太陽なのか眼なのか、また、盤座(いわくら)を置いた人たちが彫ったのか、
別の時代の人が彫ったのか、全く分かりません。

修験道時代の人たちもよく岩に彫りものをしていますが、その時代は結構きれいな形をしています。
この荒削りな彫り方は、なんとなく、もっと古い時代を思わせます。

さて、境内は右の方に開けています。
山の斜面の一部が平たんに整地されている感じの境内です。
ずらっと巨岩が並びます。
その中でも、独立してひときわ目立つのが月天宮の御神体岩です。

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一緒に行った人が、その御神体岩を見上げています。
左上方に丸いのが見えるでしょう。それが岩の頂上に当たります。

下の写真は同じものを右側から撮ったものです。

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この風化の仕方は、波で出来たものではないかと、思われるような穴のあき方です。
外宮の月読宮と雰囲気が似ています。岩そのものが堆積岩のような印象です。
先ほどの日天宮の岩と質が全く違うので、ここにもともと自然に存在した物ではない事が分かります。

ここから、まだ先に巨岩が百メートルほど連なり、
富具永大明神塩釜宮と立札がある磐座(いわくら)が次々に現れます。

この日天宮の構成は、
日天宮、月天宮、富具永大明神、塩釜宮、星岩宮、月読宮の、
六つの磐座で構成されていました。

日天宮、月天宮、富具永大明神、塩釜宮は上宮にあり、
星岩宮、月読宮は麓の下宮にあります。

たしかに、日、月、星、という珍しい組み合わせです。
印象としては、盤座が古代からあって、それを再発見した後の世の人が、名前をつけたような感じです。

さて、この六つの盤座の先に進と、道が終わって崖になっていました。
これで終わりと思ったら、くるま座さんが山を登り始めました。道なんてありません。
(え~っ、登るの?)

ついていくと、裏にもまた巨石群。だれかが祭祀した気配があります。
こんな雰囲気の巨石群、どこかに似たのがあったなあと思いながら
ついて行くと、まもなく巨岩列の上に出ました。

道なんてない、林の中を蜘蛛の巣と枝を避けながら、さらに進むと、日天宮の頂上に出ました。
岩から下を覗くと拝殿の屋根が見えます。

知らない間に御神体岩の上に立っていました。その岩には杯状穴が6個ほどありました。
祭祀跡です。

日天宮(2)御神体は巨岩でした・出たのはUFOでなく_c0222861_15565174.jpg

穴の大きさが分かるように靴と一緒に撮りました。靴のサイズは24センチです。
液体を入れるのにちょうど良い大きさです。

別の所ですが、巨岩の頂上で火を燃やしていたケースを確認した事があります。
それは、灯台代わりのものでした。ランドマークと言います。
ここはどうなのでしょうか。地形からすると、平野の奥まった所の丘陵地帯です。
あとで、地図を出します。

さて、後方の腐葉土を払いのけると、深い切れ目が現れました。

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溝の接合面が揃っていません。これで、御神体岩が割れたのではなく、組まれたことがよく分かります。
また、さっきの月天宮と違って火成岩です。

この境内の巨岩たちのいくつかは、全く違う所から移動させたのが分かります。
どうやって?
これがまたまた謎です。

この岩を降りると、振り出しの拝殿に戻ります。

腐葉土のふかふかした坂を下り始めました。
とても気持ちがよくて、立ち止まって話をしていたら、黄と黒の縞の大きなハチがやってきました。
スズメバチ?
さ、三センチ!?
ホバリングしてる!
明らかに警告です。
(あれっ、どうしたらよかったっけ。騒ぐといけないけど、死んだふりしたら逃げられないし。)
一瞬、背中をボコボコに刺されているシーンが浮かびました。
コワッ。

次の瞬間、足もとの腐葉土の中から、応援のハチが二匹飛び出して来ました。
「うわ、巣がある。逃げろ。」
と、走り出しましたが、
「刺された!」
と、先を走る、くるま座さんの声。本気モードで腐葉土の坂を駆け下りましたよ。
さいわい、ハチは追いかけて来ませんでした。

くるま座さんの肩甲骨あたりがみるみると腫れて来ました。
「ハチにはアンモニアがいいけど。」
「おしっこを掛ける?」
「そこは無理だよ。」
「いえ、大丈夫。子供の頃にも刺されてますから。」 (;一_一)

「それじゃあなおの事。この前、友達が二度刺されて、救急車で運ばれたばかりよ。」
「そう、ハチは二度目が危ない。」
「とにかく、水筒の水で冷やそう。」
「ちょうど、ツボの所が刺されてるから、元気になったりして。」
とにかく、持ってきた水で冷やしました。翌日恐る恐る電話をしたら、元気な声で電話に出てくれました。

という訳で、出たのはUFOではなく、恐怖のスズメバチでした…。
UFOは日天宮とは関係なかったです。

それでも、ガセネタではない?
UFOについては、新聞記事では、出現地が八丁峠(はっちょうとうげ)とあります。
地図を見ると日天宮とは場所が離れていて、直接関係ないようでした。

ただ、この町からはその峠の山がよく見えます。
露店が立ったほどだから、けっこう派手に何日も飛んだんでしょうね。
でも、1975年という事ですから、ずいぶん昔の事です。残念。

それでも、10年ほど前、この大きな山塊の反対側から、UFOを見た話を聞いた事があります。
警察署に事務で勤める友達から聞いたのですが、パトカーで夜中にパトロールした警察官の人たちが、
UFOを見たと言ってたと教えてくれました。けっこう深刻な表情だったらしいです。

まだまだ、期待できそうですね。

(つづく)

地図 日天宮  UFO出現地?
 



Commented by くみりん at 2010-02-16 10:37 x
もののけ姫や木々に住む精霊たちがそこかしこから
顔を出しそうなそんな雰囲気を写真から感じます。
すごい所にお宮があるんですねぇ……


Commented by lunabura at 2010-02-16 15:10
そうですね。
実はこんな巨石群は日本のいたるところにあるんですよ。
おいおい、紹介できたらと、思います。
by lunabura | 2010-02-11 16:30 | 日天宮・にちてん・嘉麻市 | Comments(2)

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