2010年 02月 11日
日天宮(2)御神体は巨岩でした・出たのはUFOでなく
日天宮(2)
福岡県嘉麻市嘉穂町牛隈
謎の巨石文明
日天宮、月天宮の御神体は巨岩でした
出たのはUFOではなく、恐怖の…

鳥居を過ぎると、坂の途中から、すでに巨岩が見え隠れします。
「すごいねえ。大きいねえ。」と言いながら、上って行きました。
全く人里離れた山の中なのに、石段や境内が掃き清められています。
「ほうきの痕(あと)があるよ。」
くるま座さんが教えてくれました。
「ここで会った人がね、仕事を辞めて実家に帰ってたら、あんた、ブラブラしてるなら、
一週間ぐらい神社に泊って掃除をしなさいって言われてね。」
「へえ。それで?」
「一か月ここに寝泊まりしたんだって。」
「へえ。こんなとこに?。」
そんな話をしながら、石段を上がると正面に簡素な拝殿がありました。
その拝殿の後ろに日天宮の御神体の巨岩があります。

これが御神体岩。
この磐座の割れ目は自然に割れたのではなく、いくつかの岩が組み合わされて出来ています。
それぞれの岩の目が違っていたり、割れ目の接合面が合わなかったりしています。
正面から見ると、岩の上の方に巨大な丸い浮き彫りがくっきりと見えました。
下宮の星岩宮で見た丸の浮き彫りとほぼ同じ大きさです。
でも、よくよく見ると、周りにも彫り跡が見えて、全体では眼にみえます。
写真でも、丸の周りに瞳らしき彫り跡が分かると思います。

これが太陽なのか眼なのか、また、盤座(いわくら)を置いた人たちが彫ったのか、
別の時代の人が彫ったのか、全く分かりません。
修験道時代の人たちもよく岩に彫りものをしていますが、その時代は結構きれいな形をしています。
この荒削りな彫り方は、なんとなく、もっと古い時代を思わせます。
さて、境内は右の方に開けています。
山の斜面の一部が平たんに整地されている感じの境内です。
ずらっと巨岩が並びます。
その中でも、独立してひときわ目立つのが月天宮の御神体岩です。

一緒に行った人が、その御神体岩を見上げています。
左上方に丸いのが見えるでしょう。それが岩の頂上に当たります。
下の写真は同じものを右側から撮ったものです。

この風化の仕方は、波で出来たものではないかと、思われるような穴のあき方です。
外宮の月読宮と雰囲気が似ています。岩そのものが堆積岩のような印象です。
先ほどの日天宮の岩と質が全く違うので、ここにもともと自然に存在した物ではない事が分かります。
ここから、まだ先に巨岩が百メートルほど連なり、
富具永大明神、塩釜宮と立札がある磐座(いわくら)が次々に現れます。
この日天宮の構成は、
日天宮、月天宮、富具永大明神、塩釜宮、星岩宮、月読宮の、
六つの磐座で構成されていました。
日天宮、月天宮、富具永大明神、塩釜宮は上宮にあり、
星岩宮、月読宮は麓の下宮にあります。
たしかに、日、月、星、という珍しい組み合わせです。
印象としては、盤座が古代からあって、それを再発見した後の世の人が、名前をつけたような感じです。
さて、この六つの盤座の先に進と、道が終わって崖になっていました。
これで終わりと思ったら、くるま座さんが山を登り始めました。道なんてありません。
(え~っ、登るの?)
ついていくと、裏にもまた巨石群。だれかが祭祀した気配があります。
こんな雰囲気の巨石群、どこかに似たのがあったなあと思いながら
ついて行くと、まもなく巨岩列の上に出ました。
道なんてない、林の中を蜘蛛の巣と枝を避けながら、さらに進むと、日天宮の頂上に出ました。
岩から下を覗くと拝殿の屋根が見えます。
知らない間に御神体岩の上に立っていました。その岩には杯状穴が6個ほどありました。
祭祀跡です。

穴の大きさが分かるように靴と一緒に撮りました。靴のサイズは24センチです。
液体を入れるのにちょうど良い大きさです。
別の所ですが、巨岩の頂上で火を燃やしていたケースを確認した事があります。
それは、灯台代わりのものでした。ランドマークと言います。
ここはどうなのでしょうか。地形からすると、平野の奥まった所の丘陵地帯です。
あとで、地図を出します。
さて、後方の腐葉土を払いのけると、深い切れ目が現れました。

溝の接合面が揃っていません。これで、御神体岩が割れたのではなく、組まれたことがよく分かります。
また、さっきの月天宮と違って火成岩です。
この境内の巨岩たちのいくつかは、全く違う所から移動させたのが分かります。
どうやって?
これがまたまた謎です。
この岩を降りると、振り出しの拝殿に戻ります。
腐葉土のふかふかした坂を下り始めました。
とても気持ちがよくて、立ち止まって話をしていたら、黄と黒の縞の大きなハチがやってきました。
スズメバチ?
さ、三センチ!?
ホバリングしてる!
明らかに警告です。
(あれっ、どうしたらよかったっけ。騒ぐといけないけど、死んだふりしたら逃げられないし。)
一瞬、背中をボコボコに刺されているシーンが浮かびました。
コワッ。
次の瞬間、足もとの腐葉土の中から、応援のハチが二匹飛び出して来ました。
「うわ、巣がある。逃げろ。」
と、走り出しましたが、
「刺された!」
と、先を走る、くるま座さんの声。本気モードで腐葉土の坂を駆け下りましたよ。
さいわい、ハチは追いかけて来ませんでした。
くるま座さんの肩甲骨あたりがみるみると腫れて来ました。
「ハチにはアンモニアがいいけど。」
「おしっこを掛ける?」
「そこは無理だよ。」
「いえ、大丈夫。子供の頃にも刺されてますから。」 (;一_一)
「それじゃあなおの事。この前、友達が二度刺されて、救急車で運ばれたばかりよ。」
「そう、ハチは二度目が危ない。」
「とにかく、水筒の水で冷やそう。」
「ちょうど、ツボの所が刺されてるから、元気になったりして。」
とにかく、持ってきた水で冷やしました。翌日恐る恐る電話をしたら、元気な声で電話に出てくれました。
という訳で、出たのはUFOではなく、恐怖のスズメバチでした…。
UFOは日天宮とは関係なかったです。
それでも、ガセネタではない?
UFOについては、新聞記事では、出現地が八丁峠(はっちょうとうげ)とあります。
地図を見ると日天宮とは場所が離れていて、直接関係ないようでした。
ただ、この町からはその峠の山がよく見えます。
露店が立ったほどだから、けっこう派手に何日も飛んだんでしょうね。
でも、1975年という事ですから、ずいぶん昔の事です。残念。
それでも、10年ほど前、この大きな山塊の反対側から、UFOを見た話を聞いた事があります。
警察署に事務で勤める友達から聞いたのですが、パトカーで夜中にパトロールした警察官の人たちが、
UFOを見たと言ってたと教えてくれました。けっこう深刻な表情だったらしいです。
まだまだ、期待できそうですね。
(つづく)
地図 日天宮 UFO出現地?