2011年 01月 28日
漂着物博物館(2)流れついた人の営みと神々
超ミニ博物館 海の館(2)
人の営みと神々

浜辺にあった小さな瓶。誰が使ったんだろ。どんな海流に乗って来たんだろう。いろんな事が思われます。それをこうして並べると、なんていい感じ。

これは中国製のライター。普通はゴミとして処分されますが、漢字を読むと、左は「1997年香港回帰祖国」と書いてあります。1997年7月1日にイギリス領だった香港が中国に返還された時の記念ライターでした。福岡県の津屋崎浜に流れ着いていました。
右のライターは「99澳門 99・12・20記念」と書いてあります。「澳門」はマカオの事です。1999年12月20日ポルトガル領のマカオが中国に返還された時の記念ライターです。2001年10月6日に宮崎県の青島に漂着。すごい。すごい。
遠い異国の歴史ドラマが日本の浜辺に漂着するなんて。急に身近な事件になりました。台になった半月の板も味がありますね!

「むむ。この額は何ですか?この人は?」なんだか漂着物とは違うみたい。
「孫文。三民主義を唱えた人。」
「え?あの有名な?でも、これってどうしてこんな所に?」
「台湾から、中国に向けて宣伝ビラを流したんよ。」

これがビラが入っていた容器。海漂器といいます。プラスチックのマグカップです。これが台湾から中国にねえ。物資不足の中国の人たちはきっと喜んで拾ったんだろうな…。

開けると、ビラが丸まって入っていました。これは海水に濡れて、紙がくっついていました。台湾から日本にも流れて来たんですね。
こんなお話を聞くと、急に遠くの国の暮らしが身近になります。

これはセグロウミヘビの標本です。
出雲の神々を研究する人なら必見のあの竜蛇神です!
「インド洋から太平洋の暖海に分布するウミヘビで、日本列島の周辺海域からも採捕されます。日本海側の出雲・石見地方の「竜蛇信仰」の対象とされるウミヘビです。」と書いてあります。
これがお祭りの日には浜に漂着するのですね。ほんと不思議です。
現物と絵馬と研究論文と神事の写真。セットで置いてあると、基礎資料はバッチリです。

前回は岡湊神社で、スサノオの神像が海中から拾い上げられた話を書きましたが、ここにも、いろんな神様が流れついていました。これも実際に漂着したものだそうです。これはあまり摩耗していない感じで、新しいものかな。

これは船魂(ふなだま)さま。20センチ前後です。
船に備えられる神さまです。
ずっと以前に伺った時に、初めて御開帳して下さったんですが、中味は何でしたっけ。お、思い出せません…。(今度、また聞いておきます。こっそりここを書き替えます。)

さて、このコーナーが石井氏の理想の博物館のモデルです。
これはヤシの実のコーナーです。
ヤシの実の研究書があって、そばにヤシの実の現物があり、実際に漂着した記録が並んでいること。ヤシの実も皿になったり、玩具になったりと、いろんな形をとっています。
「本と実物と記録」それが一体となった展示。
そんな生きた展示の博物館を作りたいとの事でした。
「いろんな取材があったけど、資料室の取材は初めて」と言われました。
だって、新しい学問が産み出された現場ですよ!
ルナが見せていただいたのは二度目なんですが、沢山の発見があってとても楽しい。しかも、よく分かる。こんな生きた超整理法あっての、発展だったんですね!
「これが僕の神さま。」と言われたのがこの漂着物。波に洗われて、摩耗したその姿は、まさに寄り着きしもの。「これが九州国立博物館でスポットライトを浴びて展示されていた時には感動したね。」と、うれしそうに話されました。展示が終わって戻って来た時には、こうして九博の人が木の入れ物を作ってくれていたとか。う~ん。いい話。
さて、この超ミニ博物館には他にもいろんな種類がありましたが、
今回は「見せる保存」というテーマでほんの一部を紹介しました。
関心ある方は、本が沢山出ていますので、そちらをどうぞ。
石井先生、お忙しい所を本当にありがとうございました。
※ただ今、平行して『古事記の神々』では「蘇我の稲目」を現代語訳中。ハマってます。
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船魂なんて、初めて知りました。それに、木造らしき神様、どこからやって来たのでしょうね。
現在の漂着物のライターやビラ入り海漂器も
おもしろいですね。政治が目に見える感じです。
古墳も、現地に発掘風景とか、出土品の看板があると、とても分かりやすいです。歴史資料館とかが、こんな視点で改良されると、もっと多くの人が興味をもつのではないかと思いました。
ちなみに石井忠氏が館長を務める古賀市歴史資料館も記事を出しているので、見てみてください。例の銅剣と銅矛の違いが分かった所です。
さて、年表の追加素晴らしい!細かい記事を読んでると大まかな年代が分からなくなる時があるので、助かります。これはどのようにされたのですか?カテゴリーに追加?時間があるときに教えてください。
これは単に、メモ帳の所に書きこむだけですよ。リンクもないので、本当に書くだけでOKです。
私も、どっちの天皇が先だったのか分からなくなることがあります。私も自分のブログに関連した年表を作りたいと思っていたのです。









