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ひもろぎ逍遥

謎の欠史八代(3)母を奪われ、命を狙われた神沼河命耳命は義兄を殺した


謎の欠史八代(3)

母を奪われ、命を狙われた神沼河命耳命は義兄を殺した

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サイ(ゆり)を持つイスケヨリ姫


葦原の しけしき小屋に 菅畳 いや清敷きて 我が二人寝し
(神武天皇の歌)


葦がいっぱい生えている原の、粗末な小屋で、菅で編んだ敷物を清らかに敷いて、
私とそなたと一緒に寝たなあ

これはイワレビコ命が二人の出会いを懐かしんで歌ったものです。
姫はサイ川の姫。サイとは百合のことです。

二人の間には三人の男の子が生まれました。

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前回の続きを読みましょう。


月日が経って、イワレビコノ命が亡くなりました。亡くなってからの名前を神武天皇といいます。

すると、その長男のタギシミミノ命が、遺された大后のイスケヨリ姫を妻にしました。そして、イスケヨリ姫の三人の御子たちを殺そうと計画しました。それを知ったイスケヨリ姫は苦しんで、歌を送って何とか知らせようとしました。

   「狭井河よ。雲が湧き起こっています。 
   畝火山(うねびやま)の木の葉がざわざわと騒いでいます。
    風が吹こうとしています。」

(狭井河のほとりで育った私の子供たちよ。怪しい雲が湧き起こっています。畝火山を象徴するお方の周りの木々がざわざわと騒いでいます。風が吹こうとしています。気を付けて下さい。)

そう歌を作ると、もう一つ付け加えました。
   「畝火山は昼間は雲が湧き起こっています。
   夜になると、風が吹くでしょう。木の葉がざわざわと騒いでいます」

(畝火山を象徴するお方は昼間は雲が湧いているだけですが、夜になると、風が吹きます。その前兆で木の葉がざわざわと騒いでいます。)

 母の歌を受け取って、その意味を理解した三人の子供たちは驚きました。
「義兄のタギシミミノ命は母上と結婚した上に、自分たちを殺そうとしている。それなら、殺される前に殺してしまおう。」
と三人は相談しました。

 三男の神沼河耳命が、二男の神八井耳の命に言いました。
「なあ、兄上。兵士たちを連れて、タギシミミノ命を殺して下さい。」

そこで、神八井耳命は武器を持って押し入り、タギシミミノ命を殺そうとしたのですが、手足がわなわなと震えて、殺す事が出来ませんでした。すると神沼河耳命が、兄の武器を「わたしに下さい。」と言って、取って中に入って殺しました。 

それからは神沼河耳命の武勇を称えて、建沼河耳命(たけぬなかわみみのみこと)と呼ぶようになりました。

 その後、神八井耳命が建沼河耳の命に、世継の地位を譲って言いました。
「私は仇(かたき)を殺す事が出来なかった。そなたはそれが出来た。だから、私は兄ではあるが、天皇になるわけにはいかない。そなたが天皇となって、天下を治めて下さい。私はそなたをたすけて、神を祀る忌人(いわいびと)となってお仕えしよう。」

こうして、建沼河耳命が天下を治めるようになりました。

こうして、日子八井命は茨田連、手島連の祖となりました。

神八井耳命は意富臣、小子部連、坂合部連、火君、大分君、阿蘇君、筑紫の三家連、雀部臣、雀部造、小長谷造、都祁直、伊余国造、科野国造、道奥の石城国造、常道の仲国造、長狭国造、伊勢の船木直、尾張の丹羽臣、島田臣らの祖です。

神沼河耳命は天下を治めました。

神倭イハレビコ天皇の御利は137歳。御陵は畝火山の北の方の白檮の尾の上にあります。

神沼河耳命は葛城(かづらき)の高岡宮で天下を治めました。
この天皇は師木県主の祖、河俣毘売(かわまたびめ)を娶って、生まれた御子は師木津日子玉手見命といいます。(一柱)
天皇の御年45歳。御陵は衝田岡にあります。
                                      (『古事記』より)

初めてこれを訳した時は、長男が義理の母と結婚した、という点に驚いたのですが、
今、再び見直すと、当時はまだ母系制が色濃く残っていたのかもしれないとも思いました。
エジプトのツタンカーメン時代などには同様な事例がみられますね。

日本の後継者選びについても、古代では末子相続と学んで、そのまま信じていましたが、
神武天皇の後継は兄が譲ったのが分かりました。
末子相続が正当なのかどうか、また見なおさなくちゃいけないんですね。

さて、綏靖天皇の兄弟は三人なのに、物語からは日子八井命の名がいつの間にか消えています。
『日本書紀』には当初から消えていて、二人兄弟になっています。
早世だったのかなあ。
皇太子はやはり神八井耳命かと、思ったら、書紀では神渟名川耳尊となっていました。(+_+)

神八井耳命の末裔の名を見ると、九州がずらりと出て来ます。
「火君、大分君、阿蘇君、三家連」とか、磐井の君の治めたエリアと重なっていませんか?
またまた、新たな謎ですね。

さて、今回は『古事記』のみを読みました。
前々回、「明日はどっちだ?」と言いましたが、結局、『日本書紀』はパスです( ´艸`)

産宮神社の奈留多姫はイスケヨリ姫と呼ばれるようになったと仮定していますが、
犀川のある福岡県東部の姫だったのが、糸島の産宮神社近くに輿入れし、
イワレビコ命が東征するとき、付いて行ったのでしょうか。

イワレビコ命の寿命が137歳というのも、昔は春と秋に年を取る二倍年暦からすると、
68歳ごろかもしれません。
そうすると、神沼河耳命は45歳の半分で、27歳。
即位して間もなく崩御したとすれば、子供が一人だけというのもうなずけるし、
業績も残らなかったはずですね。

これを不在の天皇としてしまうと、兄弟や両親も不在となる?
まるでタイムトラベルのワープにでも入り込んでしまいそうです。

不在説は無理っす。

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地図 産宮神社 犀川




2.綏靖天皇 - 神渟名川耳天皇(かむぬなかわみみ) 神沼河耳命・建沼河耳命
3.安寧天皇 - 磯城津彦玉手看天皇(しきつひこたまてみ)
4.懿徳天皇 - 大日本彦耜友天皇(おおやまとひこすきとも)
5.孝昭天皇 - 観松彦香殖稲天皇(みまつひこかえしね)
6.孝安天皇 - 日本足彦国押人天皇(やまとたらしひこくにおしひと)
7.孝霊天皇 - 大日本根子彦太瓊天皇(おおやまとねこひこふとに)
8.孝元天皇 - 大日本根子彦国牽天皇(おおやまとねこひこくにくる)
9.開化天皇 - 稚日本根子彦大日日天皇(わかやまとねこひこおおびび)




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by lunabura | 2014-01-10 20:45 | 謎の欠史八代 | Comments(0)

綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『豊玉』『星の迷宮へのいざない』   Since2009.10.25