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(2)紅白の「なかて」と北欧神話フライヤとユール


(2)紅白の「なかて」とは神を先導する器

北欧神話フライヤとユール

今夜は獅子座が空を駈けながら木星を咥えようとしていました。

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今日は3月14日。三寒四温の波の中、暖かい日差しに騙されてコートを着ずに外に出ると冷たい風に身を縮めてしまいます。

そんな冬とも春ともいえない季節に夜空を駈けるのが「獅子座」。獅子座は占星術では7~8月生まれの人の星座なので夏を思わせますが、これは春の星座だそうです。

今日は真鍋を紐解きましょう。(『儺の国の星拾遺』p129)獅子座ヅール星
獅子座を軒轅(けんえん)といった。黄帝軒轅氏(前2698~2599)の御車のことである。(略)

軒轅とは早春の星である。これを古人は仲女星(なかてのほし)・中條(なかてのほし)といった。「なかて」とは長門(ながと・仲渡)とも書く。時間空間の無明未妙の状を形容した古語である。

「とりづぎ」或は「ひきあひ」など媒酌人的存在であった。宮中では三太夫(さんだゆう)という。能の舞台で三番叟(さんばそう)がこの主旨を生かした例である。

古代中国では獅子座は皇帝の車に例えられていました。これを日本では「なかての星」と呼んでいたと言います。

「なか」とは「時間空間の無明未妙の状」を表すのですね。それは、人と人との間、演目と演目の間、そして春と夏の間、そんな所にも使われていました。

時あたかも冬至から春分、或は立春から立夏までの夜空に輝く黄金の星であって、一年の終りと始めの季節である。

獅子座の腰あたりに輝く星をDuhr(ヅール)と言い、黄金色をしているそうです。春の星座、獅子座。この獅子座が象徴する季節を一年の終りと始めとする部族なら「春分の日」を年の始まりとしたのでしょう。あと一週間で春分の日ですね。

昨年末、朔旦冬至で極寒の中を走り回ったのは遠い昔のようです。まだ三カ月前の話だというのに。

つづき。
「なかて」とは竿に紅白の二条の布を螺旋状に巻いて、神を先導する器である。今も宗像沖ノ島にこの伝統が守られている。五十年程前は祝賀の祭典の会場では天幕を支える柱にこの様式が採用されていた。

子供の頃、運動会の入場門の柱は紅白で巻かれていましたが、もしかしたら地域的なものだったのでしょうか。今もそうするのでしょうか。ネットで調べるとこんな商品がありました。

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この紅白の「なかて」は、本来「神を先導する器」だったと言います。沖ノ島に伝わっていたそうですが、今はどうでしょうか。

この紅白こそ、竹内宿禰が織幡神社の近くの波津(はつ)で織らせ、宗像大菩薩が新羅戦の時に船の先頭で振ったものでもある訳です。

さて、「紅白」と言えば現代日本では、それだけで大晦日に行われる紅白歌合戦を表しますが、北欧でも「行く年来る年」を象徴する二神に現れていると木下祝夫は言います。

香椎宮司木下祝夫博士(1894~1980)によれば、北欧の神話に出る二神で紅Fraiya(フライヤ)であり、白はJuhl(ユウル)であり、紅が来る年、白は去る年である。

木下祝夫は50年かけて『古事記』のドイツ語訳を完成させた人で、香椎宮の宮司でした。その一族の方が当ブログにコメントを入れられたので、香椎宮で尋ねると、香椎宮の宮司は世襲ではないとのことで、木下の話を聞くことはできませんでした。

木下祝夫はドイツ語が出来るので、北欧神話にも詳しかったのでしょう。その神話にも「紅白」がありました。「紅」はフライヤという女神です。

ネットでは「フレイヤ」と検索すると出てきます。ウィキペディアを見てみましょう。

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(画像出典 ウィキペディア)

美、愛、豊饒、戦い、そして魔法や死を守護する北欧神話の太母。美しい女性の姿をしており女性の美徳と悪徳を全て内包した女神で、非常に美しく、自由奔放な性格で、欲望のまま行動し、性的には奔放であった。

「太母フライヤ」その自由な生き方はウィキぺディアでゆっくり読んでください。

一方、「白」はユウルです。

ユールは、古代ヨーロッパのゲルマン民族、ヴァイキングの間で、冬至の頃に行われた祭りのこと。のちにキリスト教との混交が行われたが、北欧諸国では現在でもクリスマスのことをユールと呼ぶ。

ユールとは冬至の祭なんですね。のちにキリスト教に習合していきます。次はユール・トムテ。

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(画像出典 ウィキぺディア)粥をもらうユール・トムテ

北欧のサンタクロースは、ユール・トムテやユールニッセといわれる。ユール・トムテはスウェーデンのサンタクロースである。元々はノームで、赤い帽子に、白く長いあごひげを蓄えている。元々トムテは人間に善行を施す妖精で、家事を手伝ってくれたお礼として、クリスマスに椀一杯のスープまたは粥をもらう。

ユール・トムテはもともとノームですって。いろいろ手伝ってくれる小さいおじさん^^

ユール・トムテの帽子は赤。あごひげは白。ここにも紅白のシンボルがありました。その色にも「行く年来る年」の意味合いが込められているという事なのでしょう。冬至が新年の始まりなら「とひ族」かな。

春分や冬至をそれぞれ新年とする部族の話のようですが、真鍋の文には「時あたかも冬至から春分、或は立春から立夏まで」という不思議な表現があり、曖昧な季節感が書かれているのも、「なかて」の状態を表しているようですね。

そして先述のように、現代日本の「紅白」歌合戦も、まさに「行く年来る年」の祭典です。これは偶然なのでしょうか。それとも北欧と共通のシンボルが日本人の無意識層にあって、それが顕現したのでしょうか。

真鍋の話は心が地球規模に拡大し、また集合意識の深層を覗かせてくれるので、不思議な感覚になります。

さて、話は違いますが、今朝の新聞にフランス人の画家が「亡くなった仲哀天皇を偲ぶ竹内宿禰」という絵を香椎宮に奉納した記事が載っていました。日本神話の絵本を11冊も画かれたとか。

フランス人がどうして『古事記』を知っているのかと思ったんですが、木下祝夫がドイツ語訳しているので、ヨーロッパでも手軽に読めるのでしょう。この記事とシンクロして驚きました。



そして、明日は八幡東での下巻のお話会です。ガイドブックはあいにく間に合いませんでしたが、美しいフクオカ。画像でお届けします ^^


2015.3.14


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by lunabura | 2015-12-19 12:46 | 宗像大社・むなかた・宗像市 | Trackback | Comments(5)
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Commented at 2015-03-15 01:02 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lunabura at 2015-03-15 23:45
非公開さん、はじめまして。
δ星のこと、ご存じとはかなりの天文通でいらっしゃるんですね。私は全く知識がないのですが、眞鍋大覺は300ほどの星の和名を伝えています。昔の人々は季節を知るのに、太陽より星の観測を役立てていたようです。
少しずつですがブログでも解釈していこうと思っています。既にサイドバーの星の和名や眞鍋大覺などから検索されると色々と出てきます。太夫の話も真鍋ならではの伝えです。誰かの役に立つかもと思って書き写しました。お目に留まって嬉しいです。
Commented by 七色 at 2015-12-19 13:33 x
るなさん こんにちは
昨夜も残念でしたね(泣) 17(木)が空が透き通っていてシリウスがキラキラ輝いていました
友人と「シリウスがキレイに見えるから今日るなさんシリウス観測来てあるんじゃないの??」なんて話題していたのですよ(笑)
最近のblog 過去記事アップされてる意味が理解よくよくわかりました☆宝珠山&北欧神話「シンクロです」重なります 
そして今日のblog過去記事日も 八幡東でのお話会前日でしたね(≧▽≦)
るなさんとの「ご縁リング」が出来た日でした
凄い日です☆☆☆
話変わりますが・・・高校生時の体育祭出し物でメイポールダンスを披露しました
メイポールがそのような意味だとblog読んで驚いています るなさん ありがとうございます

自分のルーツ探す旅 素晴らしいものですね☆
(私の分野は相変わらず大変な日比ですが(笑)) 
Commented by 七色 at 2015-12-19 13:36 x
またまた字が間違えました失礼しました
日々です(笑)
Commented by lunabura at 2015-12-19 23:52
誰かが見に来ていたから、何気に再掲したら、重要な情報が満載でしたね。
我ながらびっくりです。
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