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(3)紅旗と白旗・古代の宗像の王と旗


(3)紅旗と白旗

古代の宗像の王と旗


「古代の宗像」
宗像大社の「みあれ祭」は正平23年(1368)の行事記録を参考に昭和37年に復興されたのですが、その船に掲げられている紅白の旗は宗像大菩薩が出現した時に捧げ持っていたものが由来でした。それを「御長手」と言い、この宗像大菩薩の時代は思いがけず神功皇后の時代のものでした。

当時の宗像大菩薩の名は「高磯(たかいそ)強石(ごうせき)将軍」。新羅戦の前にすでに七度の夷敵討伐の棟梁を務めたと自ら説明しています。

この紅白の旗は同じ宗像の織幡神社の縁起によると、竹内宿禰が波津(はつ)で織らせたと伝えています。波津とは神社のすぐ麓の入江の集落で、もともと「はた」と呼んでいたので、秦氏の入植地と考えています。

竹内宿禰に織らせる権限があったということは、宿禰が秦氏と通婚し、縁戚関係を結んだからではないか、だから竹内宿禰の長男の名が波多八代宿禰というのではないか。そんな仮説を以前書きました。

これらから、古代宗像のクニを治めていたのは高磯強石将軍で、応神天皇の時代に縫姫を留めた宗像大神とは、この将軍か、その子孫と考えられます。

その神を祀る宮は宗像大社の側を流れる釣川(つりかわ)の対岸にあります。

宗像大神はいったい、いつ男神から女神に変わったのか、新たな謎が出て来たのですが、これもまたいつか解ける日を待ちましょう。



「紅白の旗」
先日からターゲットにしているのは「紅白の旗」でした。
「御長手」とは「神を先導する器」で「紅白を巻いた竿」であり、そのルーツは北欧神話の女神フライヤと男神ユール。紅白は春分の、年の変わり目を表すものでした。

以上がこれまでの復習です。

そもそも「紅白」の始まりは源平合戦とされているようですが、織幡神社で「紅白」の概念が存在しているのを見て、実は違和感がありました。「紅組」と「白組」に分かれて戦うというイメージが染みついているので、「紅白」一緒に持っているというのが違和感の原因かもしれません。

しかし、それが「神を先導する器」という意味を持っていたのなら少し納得できます。

実はガイドブックを書きながら気にかけていたものがありました。
それが「八本の白旗」です。

神功皇后が新羅戦から帰国後、祭祀のアイテムとして登場したのが「白旗八本」なのです。紅旗の存在が見つかりません。いつか調べて見ようと思っていましたが、リンクしている「遠野物語」さんからの問いかけに触発されて、今、見直してみようと思いました。

ここに八幡信仰の謎解きのヒントがありそうなんですね。

旗の伝承を伝える神社を時系列に並べてみます。

●竹内宿禰は紅白の旗を織らせた。(織幡神社)

●宇美町宇美八幡宮では新羅からの帰国後も警護を怠らず、神功皇后の産所の四隅に八本の白旗を立てたことから八幡麻呂と呼んだ。(宇美八幡宮)

●その時に警護兵だった田原麻呂は大事にその白旗を持って帰った。(正八幡神社)

●飯塚市撃鼓神社に再訪した神功皇后は白旗八流を納めた。(撃鼓神社)

この通り、帰国後は白旗だけが登場します。
次に、二社の絵巻を比べてみましょう。



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これは大善寺玉垂宮。

紅白がありますが、水色っぽいのもありますね。




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これは志賀海神社。

いずれも白旗です。


どちらが正しいのか判定は出来ませんが、より現地に近い方の志賀海神社の「白旗だけ」が気になります。
絵巻の時代は14世紀頃で、すでに1000年以上経って描かれています。風俗は平安~鎌倉っぽいですね。

「紅」を染めるには染料と染めの技術が必要です。
かつては貝で染め、のちに「あかね」で染めるようになった?

紅旗は大変貴重なものなので「ながて」という神を示すシンボルのみに使われ、戦いに使われた旗は「白」だけだったのではないか。と今の所考えています。



2015年3月 投稿


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by lunabura | 2015-12-18 17:20 | 宗像大社・むなかた・宗像市 | Trackback | Comments(7)
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Commented at 2015-03-17 23:04 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lunabura at 2015-03-17 23:40
おお、そうですか。
対馬ですか。気になりますね^^
Commented by ぱら at 2015-03-18 02:30 x
るなさんこんばんわ( ´ ▽ ` )ノ

お久しぶりです。お元気でご活躍のようで何よりです。
古事記上巻八千矛神の歌に出雲の大神が山畑に茜の種を蒔き染木の汁の染め衣を着ることをうたっております。また延喜式には日本茜の貢進は太宰府の大茜だそうですよ。古代エジプトのミイラを巻く麻糸は藍や茜で染められていたとか。古代エジプト→ペルシャ→インド→中国と渡り日本へ来たのは秦氏と共に。おっとお話しが近くなりましたね〜〜(^-^)茜の煮汁で染めて椿の灰汁や明礬や硫酸鉄を使用した媒染技術を伝えたこの頃から鮮やかな染物になったそうです。蘇芳やべに花も赤色ですよね。
茜をそのまま擦り付けて染める方法が古い技法ですが、単一染めでは黄色褐色のまさしく茜雲の色になるようで、それをタンニンを抜き色鮮やかに染める技術を持つってイノベーション。 秦氏凄いわー通婚しとかなきゃですよ。出来た赤旗は神様に捧げたくも成りますっ!!随分と目立つ旗だった事でしょうね。
Commented by まーりん at 2015-03-18 21:46 x
るなさん、こんばんは。

「神を先導する」「紅白を巻いた竿」で、女神フライアに関係するといえば、メイポールがどうしても思い浮びます。
メイポールは世界軸または世界樹を模しているとも言われているそうです(wikiなど)。
いまどきのメイポールはカラフルなようですが、『メイポールは通常は白、よくあるのはさらに赤と青(red, blue)のストライプに塗られている』。
また、その周りを男女が『赤、白そして青のリボン』の端を持って踊りながら回ることで、リボンはポールに複雑なパターンを織り上げながら巻き付く。(The English Village: History and Traditions 著者: Martin Wainwright)

今回の復習にあたる内容で、メインの話題から離れますが、何かのご参考になればさいわいです。
Commented by lunabura at 2015-03-18 23:28
ぱらさん、お久し振り♪
紅のレポ、ありがとうございます。なるほどですね!
そういえば、八千矛神の茜のこと、染色家に尋ねた事思い出しました。太宰府の茜も三郡宝満山にあったはず。
せっかくですから、本記事に反映させてくださいね^^
Commented by lunabura at 2015-03-18 23:31
まーりんさん、こんばんは♪
そうですね!
メイポールは明らかに紅白で春を寿ぐ祭ですね!
utube見たら良く分かりました。あれはダンスかと思っていたけど、本来は螺旋の編み込みなんですね。
まーりんさんのお話も本記事にUPさせてくださいませ^^
Commented by 染福 at 2016-04-06 00:53 x
筑前茜染 として
数年前に福岡県の広報誌に 掲載されていました。
他にもweb上に 散見されます。

それらによりますと
旧 穂波郡山口村茜屋(現 嘉穂郡筑穂町) とあり、茜屋において、古くから江戸時代初期より自生する茜草による茜染が行われていました。
飯塚市の 人口スキー場 サンビレッジ茜 への道の傍に 筑前茜染之碑と説明板などがあります。
地理としては 桂川・穂波地域の三郡山の中腹の谷間いの地域、県道65号線との分岐付近には、 若八幡宮がある。
( 65号線を辿ると、茜屋を中心に見て、西に竈門神社麓で曲がると大宰府政庁跡、東に大分廃寺跡 ですね。

また 日本国旗の 日の丸の朱・茜色 について
幕末、外国船との識別とに迫られ、 薩摩藩11代藩主 島津斉彬 が日の丸 を日本総船印として用いるように幕府に強く建議したが、
赤を染める染料と技術者の確保に難儀し、
薩摩8代藩主 島津重豪 が その九男で福岡・黒田藩へ養子に行き藩主となっていた黒田長溥に相談し、助言を受け、
茜屋を知り、現地にて製作され提出。
日本国旗制定の基となり、後に 太政官布告で新政府の国旗と定められた。

現在 筑前茜染保存会が活動してあるそうです。



住吉能楽堂にてお会いしました 久留米の染屋でした。
今度 高良大社の関係で、宗像大社へ参拝しますので、その下調べというか予備知識を と宗像の欄を参考に拝見させていただいていて、気になりコメントさせていただきました。
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綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『ガイアの森』   Since2009.10.25


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