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ひもろぎ逍遥

岩波文庫が隠そうとした真実とは?



岩波文庫が隠そうとした真実とは?



先日、古代史ファンの数人で話し合ったとき、
中国正史に書かれていた倭国の話題が出ました。

このとき、
「岩波文庫が一行目を削除していた」
という、信じられない話を聞きました。

真実を書く文庫と思っていたのでショックを受けて、
どの正史で隠蔽が行われたのか、聞きそびれてしまいました。
岩波文庫の該当する本も持ち合わせていないので確認することもできません。

そこで、今日は「講談社学術文庫」の『倭国伝』から
列代の正史の冒頭部分を書き抜いてみることにしました。
これが結構面白かったです。


『三国志』(いわゆる魏志倭人伝)
「倭人」倭人は帯方の東南、大海の中に在り、山島に依りて国邑をつくる。

『宋書』
「倭国」倭国は高麗の東南の大海の中に在り、世貢職を修む。(貢物を持ってくる)

『隋書』
「倭国」倭国は百済、新羅の東南、水陸三千里に在り。

『旧唐書』
「倭国」倭国はいにしえの倭奴国なり。
「日本」日本国倭国の別種なり。

『新唐書』
「日本」日本はいにしえの倭奴なり。
(倭国の記事は『新唐書』には無い。)

『宋史』
「日本国」日本国は本(もと)倭奴国なり。

◇◇ ◇

講談社文庫では、「倭奴」を「倭の奴」と訳していますが、
「倭奴」としておきます。

こうやって、並べてみると、日本の国の変化がよく見えてきます。

紀元前には「倭人」という集団だったのが、
「倭奴国」→「倭国」としてまとまって中国と交渉するようになった。
そののち「日本」が東に出現して中国と交渉を求めてきた。
しかし、中国では「日本」を国として認めなかったので、
「日本国」とは書かなかった。
ところが、次の時代には「倭国」が消滅して「日本」が「日本国」となっていた。

こんな感じですね。

しかし、私たちはこの歴史を「倭国」が「日本国」に国号を変更したと教わります。

それはちょっと違ってたんですね。
「倭国」と「日本」が存在していた時代があったのですから。


こんな歴史を学校で教わったことがないから、
どこの歴史講座でも、ここをきちんと説明しないと会場がざわつきます。
これは私以外の講座でもそうです。

しかし、ここを押さえないと真実の歴史は語れないのです。

真実は真実。あるがままに説明する必要があります。
これまでは真実を捻じ曲げた「嘘」を国民は教わっていました。

一部の学者しか歴史書が手に入らない時代ではそれで済んだのかも知れませんが、
今では文庫本で手軽に読める時代になったので、
いろいろと隠されていたことが明らかになってきました。

でも、その文庫本も信じられないとしたら、困ったものです。

嘘をつかずに真実を隠す巧妙な手法があります。
それは「書かない」という手法です。

これは『日本書紀』がよくやる手法で、神功皇后を書いている時に気づきました。
豊浦宮の時、新羅軍に上陸されて皇居が襲撃され、
仲哀天皇があやうく殺されかかったこと。
このとき、天皇と皇后を守って阿部兄弟が戦死したこと。
天皇と皇后に宮殿を提供し、船を出した古代豪族、すなわち安曇族がいたこと。
それらを「書かない」ことで隠蔽した。


岩波文庫も同じ手法を取ったようです。
上のリストの内のどれを隠蔽したかったのでしょうか。
「書かない」ことで国民に教えたくなかった事とは何でしょうか。

いや、主犯は著者だよね。著者が隠したかったんだ。

さあ、準備は整いました。答えは何でしょうか。

でも、本がない (~_~;)
皆さんの中でそれを持っている方は教えてくださいな。
本のタイトルも著者も分かっていませんが… (^^;

私の住む田舎の書店に岩波文庫が置かれているはずもないし (-_-;)
真実を隠す本なんか買いたくないよ。





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Commented by こゝろ at 2016-04-19 03:49 x
初めまして(^_^)
神社への興味をきっかけに、1年近く前からブログ楽しませてもらっています。

真実に学びたいと思っているのに、
ちゃんと文字で残っている物は企みが多すぎて
伝承のほうが真実味を感じやすかったりします(u_u)

個人的には漢委奴国王印の 委奴 も 倭奴 も
イトって読むほうが自然に思えてなりません(笑)
ルナさんと似たような憤りが僕にもあったので
ついついダラダラとなってしまって失礼しました(笑)
Commented by lunabura at 2016-04-19 22:03
こゝろさん、こんばんは。
真実と虚偽。
それを明らかに出来る時代、ありがたいと言えば、ありがたいですね。でも、刷り込みをはずすのは、至難の業です。

「委奴」の読み方、いろいろ議論されていますね。
福津の地名「奴山」は「ぬやま」と言います。
「奴」には「大きい」という意味があるそうです。

「匈奴」は日本では「きょうど」と読みますが、
中国では「シャオンヌ」という感じみたいです。
いわゆる「フン」族で、「ふんぬ」と読む説もあります。

黄氏によると、中国語で「奴」を「ド」と読むことはなく、
「ぬ」と読み、「倭奴」は「倭大」という意味になるそうです。
それがひっくり返って「大倭」「大和」となったと想像しています。
そいういう訳で、私は今の所「ゐぬ」と呼んでます。^^
Commented by こゞろ at 2016-04-25 12:49 x
中国での読み方を意識した事もなかったです!
教えていただきありがとうございます。
また新しい目線で考察というか、妄想する楽しみが増えそうです(笑)
ありがとうございます(^^)
Commented by lunabura at 2016-04-25 20:36
現代の中国読みでは「うぇいぬ」と発音するそうで、
そのままかな、と思っています。
「うぇいぬ」を何度も繰り返すと、「わぬ」とか「わな」とか「うぃぬ」とかになっちゃいますね^^
by lunabura | 2015-10-29 19:50 | メモ | Comments(4)

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