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馬上の武人3 百済の武寧王


馬上の武人3
WAKIMIKO
 百済の武寧王


物部麁鹿火
(あらかひ)の娘婿は大伴金村(かなむら)に殺された。
この二人の武将がのちに力を合わせて磐井君を滅ぼすことになる。

それに至るまで、どのような経緯を辿ったのだろうか。


麁鹿火の娘婿は平群(へぐり)の息子、(しび)だった。
金村が鮪を殺したとはいえ、それを命じたのは武烈天皇だ。

影姫は武烈天皇の物になったのだろうか。
その後のことは書かれていない。

武烈天皇は金村の勧めで即位したが、
皇后には春日郎子(いらつめ)を迎えている。




さて、『日本書紀』には武烈天皇の時代の「百済からの朝貢」が書かれている。

今回、確認したいのはこの「百済との関わり」だ。
何故なら、先々、大伴金村は百済政策で大失態をしでかすからだ。

鞍橋君百済王子と共に新羅と戦うようになった背景も確認せねばならない。



『日本書紀』から抜粋する。

武烈3年11月、百済の意多郎(おたら)が卒(しゅっ)し、高田丘に埋葬された。
―「卒」からは身分が高かったことが分かる。

武烈4年、百済では末多王(まったおう)が暴虐無道のために廃位され、
嶋王が即位した。これを武寧王(むねいおう)という。
—武寧王は唐津で生まれた。あとで詳述する。


武烈6年10月
、百済国は麻那君(まなきし)を派遣して朝貢してきたが、天皇は長年朝貢しなかったことを理由に留めて帰さなかった。


武烈7年4月、百済王は斯我君(しがきし)を派遣して朝貢した。
文書で「先の使者、麻那は王族ではなかったので、
斯我を派遣して朝廷にお仕えさせます」と伝えた。


武烈8年12月、天皇は崩御した。



以上、百済との関係の部分だけを書き抜いたが、
百済は日本に朝貢する立場にあることが分かる。

他の国との交渉は全く書かれていない。
もちろん中国との交渉も書かれていない。

また我が国は「倭国」ではなく「日本」と表記されている。

百済の朝貢記事が並ぶ中、武烈4年の「武寧王の即位」の記事が目立つ。
この武寧王は先述のように唐津で生まれた嶋王だ。

この嶋王誕生については、雄略天皇の所に書かれている。

<百済が献じた池津媛が天皇に召される前に他の男と通じたために殺された。

それを聞いた百済王・加須利君(かすりのきし)は「女はもう貢がない」と言って、
自分の弟、軍君(こにきし)に日本に行って天皇に仕えるように命じる。

軍君は承諾したが、王の妻を自分に与えてくれるように願った。
加須利君は妊娠している妻を与えた。
「臨月なので、途中で出産したら、母と子と一緒に帰国させてくれ」と言いながら。

6月1日に筑紫の各羅嶋で出産したので、「嶋君」と名付けて帰国させた。
「嶋君」が武寧王である。>

これを読むと、感想に困ってしまう。男女の問題は人それぞれだ。

今回のテーマは「百済の武寧王が日本で誕生した」ということを
確認したかったのだが、状況は意外だった。
こんな説明、某博物館に書いてあったっけ?
かなり表現を変えていたね。



さて、この嶋王の誕生の記事は近年まで疑われていたらしい。

「筑紫の各羅嶋」とは「唐津の加唐島」(かからじま)のことで、
その浜の名は「オビヤ浦」と伝わっている。
http://www.saga-shima-show.jp/kakara/

そして1971年、韓国では王墓が未盗掘の状態で発見された。
墓誌から、『日本書紀』の記事が正しいことが証明され、
韓国の『三国史記』の記述も正しいことが証明されるという稀有な例となった。
(もちろん、それぞれに異説はあるが)

しかも、王と王妃の木棺は日本にしか存在しない高野槙だったという。

韓国の観光サイト(日本語)
http://www.konest.com/contents/spot_mise_detail.html?id=3149
を見ると、その黒い漆塗りの美しい木棺は何故か出ていない。


邪馬台国大研究
http://inoues.net/korea/buneiou.html
が詳しい。



このサイトによると、高野槙の棺の説明の日本語版はないが、
英語版があり、そこにはその説明が書かれているという。
お国柄が伺えて面白い。


この武寧王陵の発見により、日本と韓国の史料と出土物が一致し、
武烈天皇4年は西暦502年と証明された。


磐井の乱は527年。あと25年だ。
磐井君ももちろん活躍していることだろう。





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by lunabura | 2016-01-30 22:27 | 「脇巫女」 | Trackback | Comments(0)
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