2016年 04月 17日
脇巫女56 最後の戦い
脇巫女56
最後の戦い
三折(みつおれ)の剣とは、
稲妻のように、ギザギザに折れ曲がった剣だったという。
両刃であるために、断面はソロバンのように左右が尖っていた。
鞘(さや)が作れないために、革袋に入れていたという。
一方、草薙の剣は直刀で、軽かったと星読はいう。
それを妖刀と呼んだのは、
何でも出来る気持ちにさせる剣だったからだという。
◇◇ ◇
このままでは、再びヤマトタケルが攻めてくる
そう思った「熱田もののふ」
ヤマトタケルの剣を手にしたとき・・・心がゆらいだ・・・
〈 自分は何でも出来る
われに従え
「熱田」の者たちよ 〉
ヤマトタケルの剣は「妖刀」だった
「熱田もののふ」は自らの剣「三折の剣」と「妖刀」を両手に持った
これに従う多くの「熱田」の者たちは
「熱田」がこれまで蓄えてきた強靭な武器を持ち
われらの聖地「六嶽」と
「星読の民」「月守の民」が暮らすそれぞれの地を守るために
「ふるべ」の地に向かった
その途中、「熱田もののふ」は「妖刀」を
「月守の民」が暮らす「木月」に預けた
◇◇ ◇
サンジカネモチは妖刀である草薙の剣を木月に住む
月守の民の脇巫女に預けた。
そして、自分に何かあったら、三折の剣を人に奪われぬように、
持ち去って欲しいと頼んだ。
サンジカネモチたちは
熱田に蓄えた武器を持ち、仲間であるフルベの地へと向かった。
いざ、ヤマトタケルとの決戦へと。
しかし、フルベではサンジカネモチが勝手にヤマトタケルを殺した事が
問題になっていた。
――和議が出来ていたものを。
――よけいな事をした。
と。
こうして、フルベはサンジカネモチを亡き者にしようと待ち構えていた。
◇◇ ◇
「ふるべ」の地でヤマトタケルの反撃を待ち構えるはずだった
「熱田もののふ」たちを待つ「ふるべ」の地には
多くの「モノノベ」たちが集結していた
サンジカネモチの声が空しく響く
「フルベの者達よ
モノノベの者達よ
この地を守り大切な者達を守る戦いだ
われに従わないのか」
謀られたことをサンジカネモチが悟ったときには・・もう遅かった
先の戦いで利き腕の左腕に傷を負ったまま、右手に剣を握って戦った
「フルベ」の地は戦場となった・・・モノノベ同士の・・・
仲間だった者たち
なぜ戦いを挑んでくるのか
そなたたちでは、この命、奪うことは出来まいに
いくつもの剣先を受けるカネモチ
傷つく身体
なれない右腕の戦い・・・
サンジカネモチは両の腕に深手を負い、これ以上戦えないことを悟った
それでも、相手の命を奪い続けた
いくつかの深手が自由を奪う
動けない
動かない
戦場での死とは、このようなものか
経験がない
動かない
意識は、まだ、ある
これ以上は戦えない
最後の者が、わが命を奪うのか
◇◇ ◇
サンジカネモチは仲間と思っていたフルベたちに命を狙われ、戦った。
しかし、深手を負って、次第に意識が遠のいて行った。
いつもポチっと応援ありがとう。
にほんブログ村









