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ひもろぎ逍遥

脇巫女56 最後の戦い


脇巫女56

最後の戦い



三折(みつおれ)の剣とは、
稲妻のように、ギザギザに折れ曲がった剣だったという。

両刃であるために、断面はソロバンのように左右が尖っていた。
鞘(さや)が作れないために、革袋に入れていたという。

一方、草薙の剣は直刀で、軽かったと星読はいう。
それを妖刀と呼んだのは、
何でも出来る気持ちにさせる剣だったからだという。

◇◇ ◇

このままでは、再びヤマトタケルが攻めてくる
そう思った「熱田もののふ」

ヤマトタケルの剣を手にしたとき・・・心がゆらいだ・・・

〈 自分は何でも出来る 
われに従え
「熱田」の者たちよ 〉

ヤマトタケルの剣は「妖刀」だった



「熱田もののふ」は自らの剣「三折の剣」と「妖刀」を両手に持った

これに従う多くの「熱田」の者たちは
「熱田」がこれまで蓄えてきた強靭な武器を持ち
われらの聖地「六嶽」と
「星読の民」「月守の民」が暮らすそれぞれの地を守るために
「ふるべ」の地に向かった

その途中、「熱田もののふ」は「妖刀」を
「月守の民」が暮らす「木月」に預けた


◇◇ ◇

サンジカネモチは妖刀である草薙の剣を木月に住む
月守の民の脇巫女に預けた。

そして、自分に何かあったら、三折の剣を人に奪われぬように、
持ち去って欲しいと頼んだ。


サンジカネモチたちは
熱田に蓄えた武器を持ち、仲間であるフルベの地へと向かった。

いざ、ヤマトタケルとの決戦へと。


しかし、フルベではサンジカネモチが勝手にヤマトタケルを殺した事が
問題になっていた。

――和議が出来ていたものを。
――よけいな事をした。
と。

こうして、フルベはサンジカネモチを亡き者にしようと待ち構えていた。

◇◇ ◇
「ふるべ」の地でヤマトタケルの反撃を待ち構えるはずだった

「熱田もののふ」たちを待つ「ふるべ」の地には
多くの「モノノベ」たちが集結していた

サンジカネモチの声が空しく響く

「フルベの者達よ
モノノベの者達よ
この地を守り大切な者達を守る戦いだ
われに従わないのか」

謀られたことをサンジカネモチが悟ったときには・・もう遅かった

先の戦いで利き腕の左腕に傷を負ったまま、右手に剣を握って戦った

「フルベ」の地は戦場となった・・・モノノベ同士の・・・

仲間だった者たち

なぜ戦いを挑んでくるのか
そなたたちでは、この命、奪うことは出来まいに

いくつもの剣先を受けるカネモチ
傷つく身体



なれない右腕の戦い・・・
サンジカネモチは両の腕に深手を負い、これ以上戦えないことを悟った

それでも、相手の命を奪い続けた

いくつかの深手が自由を奪う

動けない

動かない

戦場での死とは、このようなものか

経験がない

動かない

意識は、まだ、ある

これ以上は戦えない

最後の者が、わが命を奪うのか

◇◇ ◇

サンジカネモチは仲間と思っていたフルベたちに命を狙われ、戦った。
しかし、深手を負って、次第に意識が遠のいて行った。





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by lunabura | 2016-04-17 20:47 | 「脇巫女」 | Comments(0)

綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『豊玉』『星の迷宮へのいざない』   Since2009.10.25