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ひもろぎ逍遥

脇巫女58 熱田サブロウタ


脇巫女58 

熱田サブロウタ


サンジカネモチは再びこの地に生を受けた。
星読として。

さて、ある日、菊如と崋山の結願で「熱田サブロウタ」が呼び出された
この男は結願があるたびに来ていたが、姿を現さないでいた。

この日、崋山の身体を借りて、「熱田サブロウタ」が現れた。
星読がその場に居合わせた。

◇◇ ◇
見えない世界から「熱田サブロウタ」を呼んでみる
何日も前から来ていたそうだ

だが・・・なかなか現れない・・・どうかしたのか?

やっと現れた・・・その姿を見て驚いた

怯えている
確かに怯えている
目を合わそうとしない
それどころか、星読の顔も見れない状態だ

「何があった」
星読は促すが・・・サブロウタはただただ怯えている

なぜ?
星読には状況が掴めない

菊如と崋山のやりとりを見つめるだけだった

やさしく、うながすように菊如が声をかけると
「熱田サブロウタ」小さな声でささやいた

「殺した
イチキシマ姫を殺した
熱田の木の根元に埋めた」

そう言うと、「熱田サブロウタ」は小さくうずくまった


この時、はっと突然、星読は「サンジカネモチ」になった

サンジカネモチは「熱田サブロウタ」に語りかけた

「もうよい
辛い思いをさせたのう
もうよい・・・もうよい
サブロウタよ、余を見よ
すまなかった
もうよい・・・もうよい」

更に続けた
「余がフルベで死んだことを知って
余の言い付けを守っただけじゃ
もうよい
辛い思いをさせたのう
もうよい・・・もうよい
サブロウタよ、余を見よ
すまなかった
もうよい・・・もうよい」

熱田サブロウタは最後までサンジカネモチの顔を見ようとはしなかった
ただただ小さくうずくまっていた


「熱田サブロウタ」
その者は「熱田」に残り
攻め込まれたときには
「姫」ともども自害せよと言い付けた
下級の武士

最後まで言い付けを守った忠臣の者

「熱田サブロウタ」よ、許せ
辛い思いをさせてすまなかった


◇◇ ◇
フルベに向かう前、熱田に匿っていたイチキシマ姫の今後について、
サンジカネモチはサブロウタに命じていた。

熱田が攻め込まれたら、イチキシマ姫を敵に渡さぬよう、
共に自害せよと。

サブロウタは命令を遂行した。

サブロウタは1800年もの間、その罪に震えていたのか。

魂たちが再生した時、
サブロウタはようやくサンジカネモチにその報告ができた。





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by lunabura | 2016-04-22 16:01 | 「脇巫女」 | Comments(0)

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