2016年 11月 01日
榧星 かやのほし ベガ 伽耶とはベガを祀る天壇
榧星 かやのほし ベガ
伽耶とはベガを祀る天壇
天の川を挟んで輝く織女と彦星。
織姫星はベガ。
そのベガについて、今日は『儺の国の星』を読んでみます。
今日は、その一部の抜粋です。p156
※
<榧星 かやのほし> ベガ※
古事記神代記上に曰く、
野の神、名は鹿屋野比売(かやのひめ)の神を生みたまひき。
またの名は野椎神(のづちのかみ)という。
榧星は織女ベガの古名である。
地中海の神話には榧(かや)を神女巫人の化身として
崇(あが)められているときく。
幹の中心部が女人の血液に似て、朱赤に染まっているからと説かれる。
画像出典 ウィキペディア
(略)
織女の古名をガリヤと言う。
トロヤ人は母なる大地を女神とした。
そしてエトルリア人は色女として、
冬至の夜に大地に接する彼方をガリヤと呼んだ。
今のライン川とローヌ川あるいはドナウ川のあたりで、
ローマ皇帝ユリウス・カエサルが太守としてその植民地に開拓した地方である。
(略)
韓人倭人は織女を祈る天壇を伽耶と唱えた。
遠く離れた地中海のガイヤに遡る古語である。
ベガを榧の木の精と見たのは地中海の人々。
それは女神の姿で語られました。
トロヤ人もエトルリア人も大地を女神としました。
同様に日本の神話でも野の神は女神でした。
私たちは七夕の時だけ、織女を意識しますが、
時代ごと、季節ごとに方角と時間を変えて姿を見せていました。
古代ヨーロッパで見えたベガは
冬至の夜に大地近くで冷たく輝いていたといいます。
あと少し、寒さを乗り切れば春が到来することを教えてくれる
「春の女神」でもあったそうです。
左 彦星 右 織女ベガ
凍り付いた北欧の大地近くに春の女神・ベガが輝く頃は夜も長いことでしょう。
短い昼に凍えた手をふところから出して、食事の支度をしたのでしょうか。
星を仰いでたくましく生き抜いた人間の強さが、心に浮かびます。
「伽耶」(かや)ということばはそんなベガを祀って祈る天壇だったといいます。
その語源がガイヤから来ているということは、
倭人の記憶の中に、遠い西の果ての祈りの心が残っているということでしょうか。
そのベガを志賀星(しがのほし)とも呼ぶそうです。
p166p156
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