ひもろぎ逍遥

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ひめちゃご33 再会



ひめちゃご33

再会
 

白山神社への道は伊野天照皇大神宮の山沿いではなく、
もう一本、平地寄りの道沿いにある。

鳥居が道路沿いに無いので見つけにくい。
七色と星読は口々に「ここだとは」と驚いていた。

私が道案内しないと、行きつくのに苦労しただろう。

私がこの宮の存在を知ったのは、福岡の研究者の本からだった。

著者の名前は忘れたが、鉄工所を経営する人で、
この宮のご神体は「鉄滓」だと書いてあったのが強く印象に残った。

言い換えれば、鉄の民の宮だということになる。
それで、ご神体を見てみたいと思って出かけたのだが、それは遠慮された。

現在の祭神は「五十猛神」で、かつては「菊理姫神」など、と掲示板にあった。
この宮は祭神が書き換えながら、変遷していったようだ。

社殿は急な石段を上った所にある。



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参拝を済ませて、境内を回ってみると、
ここもまた小さな山のピークを平らに削ったものだと分かった。

稲荷地形だ。
前日の馬見神社と同じだった。
やや、こちらが狭いか。
左右には溜池があった。

すると、奥には裏参道があるのか、と思っていくと、やはりあった。
途中まで車のワダチがあるが、あとは山道のようだった。

七色がスマホで確認すると、これが首羅山に通じている道のようだった。
前回、まおからも「首羅山に白山神社から登った」というコメントが入ったので、
これが登山道なのだろう。

三人はそれぞれに地形を見ていった。
七色が来なければならないのは、ここだったのだろうか。
弥生の遺跡のような姿を夢で見せられたというが。



首羅山は道昭が仏教を開いたという。
法相宗なら、ヨガセンターのような感じで、多くの人が瞑想をしたのだろうか。
350ほどの坊があったという。
それを感得したのか。



ここで、斉明天皇の菩提を弔ったというのだが、
その出典が何だったのかも、忘れてしまった。

中大兄皇子に乞食の相があるのを見抜いたのは道昭かもしれないと、
淡い期待を持っているのだが。

「乞食(こつじき)とは、単なる物乞いの意味ではない」と、
タケが話してくれたのを思い出す。

改めてウィキペディアを引くと、
<僧侶は比丘(びく)というが、これはサンスクリット語の音写訳で、
「食を乞う者」という意味である。
これが後々に中国で仏典を訳した際に乞食(こつじき)、
また乞者(こっしゃ)などと翻訳されたことにはじまる。>
とある。
比丘と乞食は同意となる。

また、続きに、
<『大乗義章』15に
「専行乞食。所為有二。一者為自。省事修道。二者為他。福利済世利人」>
とあった。

乞食には二つの目的があり、一つは自分の為、そして、もう一つは
他者のためとある。

言い換えると、私たち一般人が托鉢僧に布施をするのは、
僧を助けるためではなく、
自分のカルマを浄化してもらうためということだ。

僧は布施をした人のカルマを引き受けて修行する。

だから、托鉢僧は頭を下げないのだ。

これは傀儡子(くぐつ)と同じ思想だ。
人形に穢れを移して祓う。
あるいは自らに穢れを移して祓う。
これが、のちに雛祭りに変化していく。

中大兄皇子は天皇という最高祭祀者に即位するに当たって、
仏教にも同じような思想があることを知って、心魅かれたのかもしれない。

神道の最高祭祀官が、仏教徒に母の弔いを依頼するということは、
よく考えると、驚天動地の出来事なのだ。

死後の世界観が違うのだから。

中大兄皇子は人を殺めたその手を見る時、
そして、自分の御代に倭国を滅亡させてしまうのかと、その罪深さにおののくとき、
仏教にも「自らに受けて祓う」という思想が在ることを知り、
「乞食の行」に救いを求めたのかもしれない。

それが、旧山門郡の長島(おさじま)の太神宮へと彼の足を進めさせた。

この数か月、私はそんなことを考えていた。

私が白山神社の参拝を欲したのは、天智天皇の心を覗きたかったからだった。




七色が、三人が出会ったのはちょうど一年前だった、と言った。
そうか、そうだったのか。
11月に三人が出会い、「脇巫女」が始まった。

「きっとこれから何かが始まる」
と、七色が言った。


              <2016年11月25日>




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by lunabura | 2016-11-25 22:22 | 「ひめちゃご」 | Trackback | Comments(8)
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Commented at 2016-11-26 07:38 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lunabura at 2016-11-26 20:41
そうなんですね。
削除しておきます^^
Commented by 星読 at 2016-11-26 21:55 x
「脇巫女」から一年・・・お世話になりました
いろんな方とご縁をいただきました
ありがとうございました

守るべき者たちを守り通せなかった
今もなお・・・

この地域は守り発展させる
この思いだけは変わらず・・・

Commented by lunabura at 2016-11-26 22:13
思い起こせば濃密な一年でした。
まだまだ、さ中のようで、どうなるのでしょう^^
Commented by 七色 at 2016-11-26 22:24 x
るなさんへ
メールまだ送れずじまいで すみませんm(_ _)m
帰ってきてから沢山の課題と子育と
家事にテンヤワンヤでして…Σ(ノд<)
メールも上書き上書きしながら少しずつ書いています。


本日、星読さんとお会いしました。
星読さんお疲れ様でした。お世話になりました。
そしてありがとうございましたm(_ _)m

何かの扉が開かれたのでは…?
と勝手な妄想をしております。




Commented by lunabura at 2016-11-28 22:14
七色さん、こんばんは。
旅の後も大変ですよね。
ゆっくりどうぞ。
Commented by gokuuan at 2016-11-30 13:10
るなさん 星読さん 七色さん こんにちは。

皆様に お会いした事で 有意義な時間と タイムスリップしたような経験を 華山と共に致しました。
貴重な経験の縁をいただき 感謝しています。

さて 今朝は 携帯を開いたら 脇巫女29 が 画面
に出ておりました。
脇巫女29を見落としておりまして 背景しており
ませんでしたので よく読んでみて 今更ながら
ビックリしております。
多分 華山も 読んでないと思います。
何故 今頃?なのでしょう。

また 鞍手町八尋にもまた 深い謎?がありそうな
予感があるのは 私だけかしら‥‥

12月になりますね。
一段と寒くなりますので お身体ご自愛くださいませ。
Commented by lunabura at 2016-11-30 21:21
あれあれ、不思議現象ですね。
脇巫女29はずいぶん前に順序良く投稿しています(^^;
どなたさまかが、「読め」というお知らせかも、です。
だって、昨日は歴史カフェの案内をUPしてるんですもの。

また、リンクが始まるようですね。
これからもよろしくお願いします^^
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