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ウーナ47 七つの珠12 御島神社にて



ウーナ47

七つの珠12 

御島神社にて
 


志式神社を出ると、都市高速を使って糸島に向かうことにした。

途中、香椎に近づいて歩道橋を見た時、ふと、道に迷ったことを思い出した。

それはラジオ番組の収録の時のことだった。

御島(みしま)神社で収録したあと、
ディレクターを鎧坂と兜塚に案内することになった。

ところが、目印となる歩道橋を一つ間違えて、違うところに迷い込んだ。


「私、ここで道に迷ったのよねえ。歩道橋の場所を一つ間違えちゃって。
ディレクタ―に鎧坂を案内しようとしてね。」
そう言いながら、ふと、出発点の神社を思い出した。
「あれっ?その神社、綿津見の神が祀ってあるよ」

その神社というのが「御島神社」だ。
それは香椎潟の海中の岩礁の上に立っている。

鳥居と石祠だけの神社なので、多くの人は気づかない。
しかし、神社の原風景だ。

昔は香椎宮に向かう船から手を合わせていったという。

菊如が、
「そんな形で思い出したというのが当たりということよ」
と言う。
「行ってみる?」
「行きましょ」
決断は早かった。
次の信号は右折せねばならない信号だった。
ギリギリ間に合った。






c0222861_155237100.jpg

しかし、現地に着くと、さすがに二人ともこれが神社かと驚いたようすだ。
社殿はない。



今日は岩礁がちょうど海上に頭を出しているので、グッドタイミングだ。



菊如は「どうかしらねえ」と言ったが、すぐに「あ、道が出来ている」と海上を指す。
私にはそういうものは全く見えない。

「ほら、あれ。波が違うでしょ」
ああ、それなら良く見える。
現実に、海上に明らかに波形が違う円状のエリアがあった。




写真でも白く写っている。






c0222861_1553273.jpg

これがどんどん近づいて来た。
みるみる橋の所までやってくる。
さすがに、これは尋常ではない。

人通りもあるので、菊如は小声で祝詞を上げると、
やはり白皇に海上に珠を奉納させ、代わりの物を受け取るようにと言った。

白皇も慣れたようすだ。何かを受け取りながら、
「痛…。指が膠着する。ロックかかった。痛い」
と手のひらを見せる。掌底部が赤くなっていた。
固そうな、鉄のような何かを受け取ったらしい。


崋山によれば、これは金で出来た扇だという。
要(かなめ)の所は丸い。
複数枚の羽は中央から左右に、ガシャンと開くタイプだった。
これは海底から波を起こすものだという。

どおりで。
白皇はガシャンと皮膚を挟んだようだ。

どれもこれも肉眼では見えないものだが、
白い円状の波間が移動するという自然現象は現実にあった。
こうして想定外の所で一つ役目を果たした。

さあ、これで糸島に行こう。

20180602



『神功皇后伝承を歩く』 下巻67 御島神社






歴史カフェ小城
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異世界小説

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by lunabura | 2018-06-02 19:49 | 「ウーナ」 | Trackback | Comments(0)
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