2018年 08月 19日
ウーナ71 七つの珠32 竜宮祭3
ウーナ71
七つの珠32
竜宮祭3

大島の船泊を出ると、船は大きく左に旋回した。
東へ東へと朝日の方向に進んでいく。

そして、二つの岩が見えた。右手の小さな方に赤い鳥居が見える。

これが竜宮神社だ。
祭なら海上から参拝するのだが、この船は幟を立てるために出されたものだ。
私たちも上陸の機会を与えられた。

岩によじ登ると赤い鳥居。そしてその奥に石の祠。
それを見て私は思わず「鍵穴だ」と叫んだ。
そう、七つの宝具の一つは「鍵」なのだ。
鍵で開けて宝具を入れる算段だった。
菊如が祝詞を挙げ始めた。
白皇が宝箱の封印を開けると崋山が宝具を取り出して祠に向かった。
そしてその穴に入れると、戻ってくるときに巫女になっていた。
いや、豊玉姫だろう。
そして、白皇に「よう来られた」と告げた。
それから船を出してくれた人の前に立ち、「連れて来てくれてありがとう」と述べた。
さらに「何があっても驚かないでください」と崋山に戻って言った。
確かに…。
私たちは慣れているけど、初めての人には…。
こんな岩場で何が起こる?
そう思いながら見ていると、崋山はいったん体をかがめ、それから大きく伸びをした。その時には別人になっていた。
ワダツミの神の姿だった。
海に向かって立ち、伸びをすると、左手でコブシを作り、右手を開いて突き上げた。
封印が解けた姿だった。
そして、白皇をねぎらい、船を出した人に礼を言った。
「これから栄える。魚が戻ってくる」と。
そして「海から我が国を守る」と力強く言った。
こうして無事、七つの宝具を奉納し終えた。
思えば最高の神仕組みが待っていた。

その後、船から振り返ると、龍の形をした雲が集まっている。
そうだね。
ワダツミの神は龍神なのだ。
祝福の龍雲だ。
「それにしても、後で思ったけど、崋山は鍵を開けた?」
と菊如に尋ねると、
「あの時、崋山は鍵を開け忘れたから、私が祝詞を読みながら開けたよ」
という。
ああ、左手でコチャコチャとしたのがそれだったんだ。
20180819
異世界小説
最初から読む ウーナ1 https://lunabura.exblog.jp/28210844/
ウーナ 過去記事 https://lunabura.exblog.jp/i240/








