2018年 09月 19日
ワダツミ1 ことのはじまり
ことのはじまり
2017年7月、宗像の沖ノ島と関連遺跡群が世界遺産に登録された。
この物語はそれからまもなく10月10日から始まった。
事の起こりは、崋山が大島に行きたくなったので、菊如を誘って観光に出掛けたことからだった。
大島に渡るには神湊(こうのみなと)からフェリーに乗らねばならない。
乗船まで時間があったので、菊如は崋山を岡垣町の大国主神社に誘った。
一度、彼女を連れて行きたいと思っていたのだ。
ところが、行ってみると、大国主神社なのに、そこにいたのは豊玉姫の分御霊だった。
そして崋山に懸かってしまった。その手には筆のようなしっぽのある亀が乗っていた。
豊玉姫は崋山の口を借りて「志賀島に帰りたい」と言った。しかし、その日行くのは大島だったので、どうしようもなくて、豊玉姫が懸かったまま二人は大島に渡った。
大島で巡回バスに乗っている時、菊如のビジョンにある神社の映像が浮かんだ。
―島の中にその神社があるはずだ。
港に戻ってそれを探すうちに、辿り着いたのが厳島神社だった。
地元では弁財天社とも呼ぶ。
大島といえば宗像大社の仲津宮が有名で、厳島神社の存在は全く知られていない。
地図を見ると、港から東の方の岬の上にあった。
厳島神社参拝ののち、二人のアンテナは厳島神社の近くの民家を指した。
二人は導かれるまま見知らぬ民家に上げてもらい、祭壇に祝詞を上げた。
菊如がふと見ると、床の間に掛軸が懸かっていた。
その掛軸の下部には二つの亀が描かれていた。その亀には筆のようなしっぽがあった。
この時、崋山に懸かっていた豊玉姫が「その亀に乗って志賀島に帰ります」と言い出した。
そして、本当に豊玉姫はそこから志賀島に戻っていった。
二人が豊玉姫に関わりだしたのはこの時からだった。
二人は後で「渡すものがあるから、糸島の二見ケ浦で受け取れ」と言われた。
朝のうちに二見ケ浦に行き、夕方再び戻って来てそれを受け取るように指示された。
空いた時間をどう過ごすか。
そんなこんなで菊如から私に連絡があった。
「るなさん、糸島って何処に行ったらいい?」
そう尋ねられて、状況を全く知らない私は観光案内のつもりで「平原遺跡。豊玉姫なら志登神社がいいんじゃない?」と答えた。
話しているうちに私も糸島の陽光が浴びたくて同行することにした。二人が行く日はちょうど私も空いていた。糸島にはテレビ撮影で行ったばかりだったのに、もうあの海が恋しかった。
20180919
大国主神社
遠賀郡岡垣町手野1306
御祭神:大国主命 須佐之男命 室大神
異世界小説









