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ひもろぎ逍遥

ワダツミ10 染井神社 四つ目



 ワダツミ10  

染井神社 四つ目

 
  
 

七つの珠のうち、三つを奉納した。あと四つだ。

都市高速を使って糸島に出た。まずは染井神社に向かう。
ここには豊玉姫と玉依姫と山幸彦(ヒコホホデミ尊)が祀られている。

下宮と中宮があるので時短を考えて菊如に尋ねた。
「染井神社は下宮と中宮があるけど、どっちがいい?両方行ってもいいけど。
下宮は井戸がある所。神功皇后が鎧を染めたって言われてる。
中宮はその鎧を干した所だけど」

すると菊如は「松がある?」と尋ねた。
「ああ、それなら中宮ね。鎧を干した松の木がある」

そう、中宮には神功皇后ゆかりの松の木があった。それは江戸時代に枯れたが、その巨大な幹が保存されていた。

染井信号から車で山に向いながら、バスハイクの時に赤い曼珠沙華が美しく咲いていたのを思い出した。あれは秋だったなあ。

中宮へ上る道は幅が狭くバスが通れないので、下宮だけを案内したのだが、たまたま現地で地元の人が中宮への山道があることを教えてくれた。
それは江戸時代には分からなくなったという道だった。

それを聞いた皆さんがどうしても行きたいというので、知らない山道を探検しながら中宮に向かったのだ。
5分ほどの道のりではあったが、一度は迷ったが無事に着いた。

それをブログに書きかけていてパソコンが壊れた。
だから、そこでストップしたままだ。

そんなことを思い出しながら、季節がすっかり変わった田んぼの間を進んだ。
すぐに鳥居の前に出た。

車道から参拝するとその深い杜のたたずまいは素晴らしく、訪れた人は誰もが立ち止まって声を挙げる。
「すごい」
と。

菊如もそうだった。
「ここは普通と違う」







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手前の小さな池には小さな石橋が架かっている。








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そこから石段を上ると苔むした参道だ。
何度通っても感動する。









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正面。








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拝殿と石祠が分離していて、直接石祠の前で参拝することもできる。

そこで菊如は祝詞を上げた。
太陽が正面にあってまぶしい。

祝詞を終えると、菊如は太陽を指して白皇を促した。
白皇が太陽に珠を差し出すと、代わりに剣のような長い物を受け取った。


崋山によると、白皇が受け取った長い物は黄金の矢だった。

矢でも、普通のものとは形状が違う。
軸の先の矢尻は重りのような形をしていた。
また、羽根もひし形を伸ばしたような形をして薄い金で出来ていて、ハタキのように一か所から八方に広がって付いていた。
矢は全体が発光していたという。

一段落すると、菊如に豊玉姫が懸かった。
「よくぞ来てくれました」
と白皇に言った。それから私に向きなおり、
「ここまで連れてきてくださってありがとうございます」
と頭を下げた。

びっくりだった。
まさか、豊玉姫に頭を下げられるとは(汗)

帰りしな「ここには龍がいる」と菊如は言った。

『神功皇后伝承を歩く』下巻63染井神社


20180928




異世界小説 ワダツミ10 染井神社 四つ目_c0222861_15184581.gif

by lunabura | 2018-09-28 19:21 | 「ワダツミ」 | Comments(0)

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