2018年 10月 11日
ワダツミ23 竜宮祭3 封印解けし時
竜宮祭3
封印解けし時
大島の船泊を出ると、船は大きく左に旋回した。
東へ東へと朝日の方向に進んでいく。
そして、二つの岩が見えた。
小さな方に赤い鳥居が見える。
これが竜宮神社だ。
祭なら海上から参拝するのだが、この船は幟を立てるために出されたものだ。
私たちも上陸の機会を与えられた。
岩によじ登ると赤い鳥居。そしてその奥に石の祠。
それを見て私は思わず「鍵穴だ」と叫んだ。
そう、七つの宝具の一つは「鍵」なのだ。
鍵で開けて宝具を入れる算段だった。
菊如が祝詞を挙げ始めた。
白皇が宝箱の封印を解くと崋山が宝具を取り出して祠に向かった。
そしてその穴に入れると、戻ってくるときに巫女になっていた。
いや、豊玉姫だろう。
そして、白皇に「よう来られました」と告げた。
それから船を出してくれた人の前に立ち、「連れて来てくれてありがとう」と述べた。
さらに「何があっても驚かないでください」と言った。
確かに…。私たちは慣れているけど、初めての人には…。
こんな岩場で何が起こる?
そう思いながら見ていると、崋山はいったん体をかがめ、それから大きく伸びをした。
その時には別人になっていた。
ワダツミの神の姿だった。
海に向かって立ち、伸びをすると、左手でコブシを作って腰に当て、右手を開いて突き上げた。
二千年の封印が解けた姿だった。
そして、白皇をねぎらい、船を出した人に礼を言った。
「これから栄える。魚が戻ってくる」と。
そして「海から我が国を守る」と力強く言った。
こうして無事、私たちは七つの宝具を奉納し終えた。
思えば最高の神仕組みが待っていた。
その後、船から振り返ると、龍の形をした雲が集まっている。
そうだね。ワダツミの神は龍神なのだ。
祝福の龍雲だ。
「それにしても、後で思ったけど、崋山は鍵を開けた?」
と菊如に尋ねると、
「あの時、崋山は鍵を開け忘れたから、私が祝詞を読みながら開けたよ」
という。
ああ、左手でコチャコチャとしたのがそれだったんだ。
20181011
異世界小説
るなさんのブログの解説を頼りに四苦八苦しながら読んでいます。
格調高い文章ですが下世話な私には敷居が高いです(´-`
出版、講演とご活躍の様子ブログで初めて知りました。
久留米大でのありなれ川の講演会、知っていたら行きたかったです。残念。
初めてのコメントで不躾ですが、過去の講演会の記録(文、映像等)があれば
ぜひ拝見したいのですが。有料でも構いません。よろしくお願いします。
RKBラジオの古代の福岡を歩くも過去の分から聴いています。
るなさんの話、すごく分かりやすいです。
隠された古代史の発掘楽しみにしています。
真鍋大覚のこと、面白いのですが、ホント難しいですね。
少しずつ調べてまとめながら歴史カフェで発表しています。
映像はありませんが、資料は歴史カフェの時、過去資料も販売しています。
また、案内しますので、よろしくお願いします。