2018年 10月 12日
ワダツミ24 竜宮祭4 神占大島
竜宮祭4
神占大島
かじめおおしま
無事、船泊まりに戻り、私たちは竜宮祭に参加した。
正しくは「宮崎宮 竜宮神社祭」という。
場所は弁財天社だが、祭壇は海に向けられていた。
今回の玉串奉納は白皇だった。
ワダツミの血を受け継ぐ者として。
祭事が終わったあと、崋山がまだまだ考え込んでいた。
そう、各神社に奉納した「七つの珠」のことだ。
それをパーンと割らねばならないのだという。
珠が割れて、復活したワダツミの神気が飛び出すのだ。
そういうことだったのか。
最後まで、その仕組みに驚かされ続けた。
私たちは竜宮神社のある海に向かい、崋山の音頭で一度だけ拍手をした。
ちょうど、博多の一本締めのように。
これが2018年5月3日のことだ。
こうして奉納の神事はすべて完了した。
直会(なおらい)に参加し、この大島が祝詞(のりと)に「神占大島」(かじめおおしま)と唄われていることを知った。私たちはレンタカーを手配したままだった。
どのようにも動けるようにと、借りていて使っていない。
せっかく借りた車なので、私たちはもう一つの竜宮祭の方に玉串を奉納することにした。
地図を見て見当をつけ、山の方に上がっていったが、行きつかなかった。
一番近くと思われる所に玉串を立てて帰路についた。
後で聞くと、もう一つの竜宮社の方も船でないと行けない所だったそうだ。
20181012
異世界小説