2019年 03月 11日
持統天皇と天山6 黒尾大明神とは藤原四兄弟の一人、房前だった
持統天皇と天山6
黒尾大明神とは藤原四兄弟の一人、房前だった

『東松浦郡史』(大正14年)の広瀬の天山宮に「黒尾大明神」という末社のことが書かれている。
そこには、藤原安弘があの房前(ふささき)公の諱(いみな)だ、と書かれていた(驚愕)
まさかのビッグネームの登場だ。
安弘とは、のちに内大臣になる藤原房前のことだったのだ。藤原房前の父は藤原不比等。その父は藤原鎌足だ。房前は藤原四兄弟の一人なのである。奈良ばかりの人かと思ったら、公に出てこない歴史が佐賀にあったのである。
「東松浦郡史」を訳そう。
<黒尾大明神
右は末社である。参議正三位民部内大臣藤原安弘がこの神で、天山宮の社司の祖である。すなわち房前公の諱(生前の実名)である。藤原姓の祖とする神である。
天平神護元年(765年)(称徳天皇の)勅宣をたまわって、安弘公を黒尾大明神とした。>
藤原房前は681年生まれ、737年に56歳で薨去。
房前がここに天御中主命を勧請した701年は21歳の時になる。
この年、父・不比等は43歳。文武天皇は19歳。
持統太上天皇は57歳。
房前はその直前に対馬で異国人と戦って勝利したことから、天山に関わった。
天山神社の由緒には「勅」という字がたびたび出てくるが、これは「天皇の命令」を意味する。
天山神社の三宮は、文武天皇というより、持統天皇がダイレクトに指示して勧請しているのである。
持統天皇との連絡が奈良~佐賀でダイレクトに通じている謎がここで一つ解けた。天皇と大臣と子という緊密な連絡網があったのである。
その天皇が与えた褒美が小城市晴気(はるけ)という土地だ。当初は険しい山中に房前は天御中主を祀った。そこには磐座があるという。

しかし、険しすぎて300年後にラインに乗って来たが、チェリーが指摘するように意図してそのライン上に遷ったといえる。
始まりは明星山と岩蔵、広瀬のラインだ。明星山は「ひめちゃご」で散々調べた山だ。
この「明星山」(みょうじょうざん)について、前回は少々フライングをして、込み入った内容を書いた。
昨日あらゆるピースが繋がったので、説明不足を承知しながら、その結論を書いた。多分、十年来の読者しか分からない世界だと思いながら。
私自身、二冊の本の原稿をしたためたので、ようやく到達した内容だ。昨日の数行を理解してもらうには、不親切だなと思いつつ、自分にとって必要なメモだった。
さて、この話の肝要な部分をくじらがコメントしてくれている。
<新唐書に記述がある、『其王姓阿毎氏、自言初主號天御中主、至彦瀲、凡三十二世、皆以「尊」為號、居筑紫城。』
( 王姓は阿毎氏、自ら言うには、初めの主は天御中主と号し、彦瀲に至り、およそ三十二世、皆が「尊」を号として、筑紫城に居住する。)
矢野一貞は更に明星山の史跡につき、次のように述べている。
「上古、天津赤星が此の要害に拠る。
武内大臣久しく此山中にて西海を監護す。
筑紫君も代々当山に処る。」(ひもろぎ逍遥)
このふたつの文を見比べるに、明星山に天御中主を初代とし、
筑紫氏に至る、筑紫城があったのでは? という想いを抑えることが
出来ずに困っています。>
さて、磐井の姓については、筑紫氏という説が見られるが、筑紫氏は意外に新しい。多分筑紫君という語から現代の人が想像したのだと思う。
私が磐井の姓が阿倍だという根拠は『福岡県神社誌』に「阿倍」と書かれていたことによるものだ。
『新唐書』に書かれた倭王の姓が阿毎とある。
中国語では阿毎(アバイ)は阿倍(アバイ)と同じ発音になる。
日本語だと阿倍(あべ)は阿部(あべ)と同じ発音になる。
アメはアベの事だと結論づけた。
阿部氏は安曇族である。
宮地嶽神社は阿部氏だが、それは「阿曇の部」と言う意味だと伺った。
その安曇族は志賀島の沖津宮に天御中主を祀る。
一方、佐賀の天山神社はラインから見て明星山の神を引いている。明星山の神は未詳だが、佐賀の天山神社が当初、天御中主を祀っていたのだから、明星山には天御中主が祀られていたと推定したのである。
話を戻すが、小城市(おぎ)の「晴気」(はるけ)という所は天皇家がその価値を知っていて下賜した所である。
晴気にはどんな価値があったのか。
推測に過ぎないが、おそらく鉱物資源や武器工房があったのではないかと考えた。鉄、銅、金、銀あるいは水銀か。祀られる神が分かればある程度推測できるかもしれない。
20180310 初稿
20190311 編集して再掲
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