2019年 05月 07日
人麻呂は「なのりそ」と言い、志賀島では「ガラモ」と呼ぶ
宗像市大島の港から右手にブラブラとそぞろ歩きしていくと、浜辺に出る。

「夢の小夜島」の手前に、海ノ中道が出現していた。
潮が両方から満ちつつある。もう間もなくすると、中道は海に沈む。
恋の成就を願うスポットになっているらしい。
足元に見慣れた海藻が落ちていた。
そう、海人族の神社で見かける奉納された海藻だ。

(糸島 綿積神社の奉納台)
海中でミソギをした証として持って来て奉納するので、境内にはそれを置くための台もある。
この海藻はホンダワラのことで、ホオズキのような袋の玉がついている。
横の海を見ると、そのホンダワラが波に揺れていた。
海中で生きている姿を初めて見た。
確かに、海の中に入らねば、それを採ることはできない。
採ることがミソギの証しなのだ。
これを人麻呂は「なのりそ」と言い、志賀島では「ガラモ」と呼んだ。

そして、竜宮社の岩の周辺は「ガラモ」の森だった。
袋の玉で浮力を持たせ、波に立ちあがっているのだ。
何故この海藻でなくてはならないのか。
ふと気づいた。
袋の玉こそ、干珠満珠の象徴だったのだろう。
香椎宮の綾杉は神功皇后が植えたということで知られているが、そもそも綾杉には干珠満珠が付けられて志賀島から奉納されたものだという。
今、大島の竜宮社に来て、すべてが繋がった。
このホンダワラは、調べると、ヒジキやアカモクのことだった。
なんだ、いつも食べているものじゃないか。
大島のターミナルの二階の「ミルキーウェイ」で買ったヒジキはプリっと歯ごたえがあっておいしかった。
ターミナルの手前の購買部「小夜島」ではアカモクが入ったてんぷらがおやつ。
そこで買った大島のワカメは絶品だった。
結局、ミソギではなく、喰いに走る私であった(*'▽')
万葉集
柿本朝臣人麻呂之歌集出 1279
梓弓 引津の辺なる 莫謂花(なのりそのはな)
摘むまでに 逢はざらめやも 勿謂花(なのりそのはな)
(引津の浜辺の「なのりそ」の花
摘むまでは 逢えないが 摘む時が過ぎたら 逢えるので 人に言わないでください)るな訳
20190507








