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ひもろぎ逍遥

脇巫女Ⅱ 11 ヤマトタケル


脇巫女Ⅱ


11 ヤマトタケル



2016年1月31日。

星読は七色夫妻と共に鷹ノ口おだ山に入った。二時間ほど回ったが、格別な発見は無かった。考古学的にも調査が入ったが、何も出なかった。表面は炭坑があった時、攪拌されたらしい。

それを聞いた夜、私は夢を見た。

土中から横長の岩が出ていた。
その向こうには丘のピークが見え、白いものが見えた。

その白いものをじっと見ていると、例のイチキシマ姫の写真そっくりの女性だった。
丘から風に吹かれながら下界を見ていた。
後の時代、そこには木々が生い茂った。

そんな夢だった。
丘とは「鷹ノ口おだ山」だろうか。確信はないが、そこに立つ優美な姿は忘れがたかった。

後日、チェリーが他県からやって来て調査に入った。
鷹ノ口おだ山と剣山の現地調査だった。七色が案内した。

そして、菊如と崋山もこの話に巻き込まれていった。
菊如と崋山は尼僧だ。

菊如のもとに、星読に関わる過去の物部の魂たちが訪れ、いろいろと訴え事をしてきたのだ。
菊如は仕事中だったので、改めて機会を設けて話を聞くと言って説得した。

そして崋山は原因不明の猛烈な痛み、腹を切られるような痛みに襲われた。

その時の事情を星読が記録していた。

星読はサウスポーだった。手が震える症状を抱えていた。
菊如はその原因が鞍手町の鎧塚(よろいづか)にあるとにらんだ。


2016年2月22日。

朝、メールが届く
・・・「菊如さん」だ!・・・手のことを気にかけてのメール
続いて「鎧塚」周辺についてのメールが届いた
・・・すぐには行動できない 午後確認することにした

再びメール 突然内容が変わった
「崋山さん」が胴体を真っ二つに切られるような痛みが出てる
・・・えっ???なに???崋山さんって誰なん?

そう思いながらも、鎧塚に行ってみた
・・・何もない・・・何も感じない・・・

七色さんに連絡してみた

七色さんはチェリーさんと一緒に「剣岳」に移動していた
剣岳はヤマトタケルに関係がある山だ

二人が「御神木」と思われるような木のそばを通りかかった時、
切り倒されようとしていた
チェリーさんが声を掛けたが、むなしく、チェーンソーが幹に押し当てられた

七色さんはそんな話をしてくれた

この話を菊如さんにメールした


◇◇ ◇

崋山は、この神木が切られる痛みを体験させられていた。

チェリーと七色は「鷹ノ口おだ山」から「剣岳」に移動していた。その時、木が何本か切り倒されている所に遭遇した。神木と思われる木を切ろうとしていたので、「それは御神木ではないですか」と尋ねたが、木は切り倒された。

この時、それを知らない崋山が胴体を切られるような痛みで苦しんだ。

この時のことをチェリーは次のようにコメントした。
<(おだ山では)ここだというような場所は見つけることができませんでしたが、
不思議なことがあったのです。

入山中に周辺で停電があったのです。信号も消えちゃったみたい…
しかも、そのあと剣岳に向かったのですが、原因というのがそこで行われていた大規模な伐採作業だったようなんです。九電の人が走ってたもの…>

後で聞くと、神木は神職によってお祓いがされていたという。
山の木々はあっという間に大きくなって視界をさえぎり、道を覆ってしまう。その為に定期的な伐採が必要だ。剣山はその点、よく手入れされていたが、この神木は特別な木だったのだろう。
停電も、伐採中に電線が切れて起きたものだった。

当日は事情が分からず、混乱した。
そのため、この日も星読と七色とチェリーは菊如のもとに集まった。
この時、初めて崋山も合流した。崋山は神懸かりをする尼僧だった。
霊媒の役目をした。英語で訳せばチャネラーということになる。

この時の事も星読が記録していた。

◇◇ ◇

夕方、ふたたび菊如さんを訪ねることとなった

「崋山さん」登場!!
・・・何が起こるの???

何かの準備が始まった
・・・どうしたらいいの?

いつもとは雰囲気が違う菊如さん
「星読さんはメモしてね。それと、目を合わさないように」
「誰と?」
「崋山さんと」

菊如が経をあげる
・・・二人の経は心地よい・・懐かしいようで・・・落ち着く・・・

菊如さんと崋山さんが向かい合って座った
・・・何が起こるの???

突然、崋山さんに何かが憑依した
・・・「猿田彦」がお見えになった
菊如さんは懐かしそうに猿田彦とお話をした

そして、猿田彦はお戻りになった


続いて「ヤマトタケル」がお見えになった
左手で腹部を押さえ、右手で水をすくい、口元へ・・・

菊如「場所は?」
星読「泉水」(せんすい)
何故か星読がとっさに答えると、ヤマトタケルがうなずく

菊如「苦しいのですか?」
ヤマトタケルがうなずく
菊如「誰にやられたのですか?」
ヤマトタケルは何も答えない

・・・なんとなく居心地が悪い
星読はそんな気がした

やがてヤマトタケルがお戻りになった

崋山さんが見たことを話し出した

ヤマトタケルは刺された後、五人の家臣に守られながら逃げてきたが
苦しさのあまり、自分の鎧を取るように命じ、家臣は鎧を脱がせた
ヤマトタケルは、のどが渇き、「血が滴る右手」で水をすくった
飲んだ水は「赤く濁った水」だった
その後、隊列とは別行動で「鎧塚」までたどり着いたが、ヤマトタケルは絶命した
亡骸(なきがら)を剣岳の裏手の裾に埋葬した五人は木の枝を持ってその場を離れた
やがて戻ってきた五人は埋葬した場所を囲み自害した

これが
崋山さんが見た内容だった

◇◇ ◇

ヤマトタケルが出て来た。

ヤマトタケルは終焉の姿を見せたかったようだ。
刺されたヤマトタケルは鎧を家臣に脱がせ、赤く濁った水を飲んで死んだ。これが水銀の混じった水だった。

その亡骸は五人の家臣によって剣岳の裾に埋葬された。
五人の家臣はそこで自害したという。

泉水も鎧塚も鞍手町の地名で、鎧塚にはヤマトタケルの伝承があった。

それにしても星読は何故、ヤマトタケルが水を飲んだ場所が泉水(せんすい)だと知っていたのか。

その謎は徐々に明かされていった。



<20190924>



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Commented at 2019-09-25 19:08 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lunabura at 2019-10-07 21:12
非公開さん、初めまして。
当方はリンクフリーです。
当方からのリンクは非公開にしておりますので、よろしくご承知くださいませ。
by lunabura | 2019-09-24 21:46 | 「脇巫女Ⅱ」 | Comments(2)

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