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ひもろぎ逍遥

脇巫女Ⅱ 27 シンロンの長はロージ―/田心姫


脇巫女Ⅱ

 27 シンロンの長はロージ―/田心姫


前回割り込んで来た沖ノ島の関守・ジンヨウの部族にも姫がいた。シンロンという名だった。

崋山にシンロンが懸かった。

菊如は船乗りのふりをしてシンロンに尋ねた。
「はじめまして。関所の方から聞きました」
「わらわのことですか」

「お名前は?」
「われ。シンロン。日本語で田心と書く人と同じ。われ心田(シンロン)」

「タゴリ姫と呼ばれていたのですか?」
「我はあの者の仲間ではございません。そこに居たことはありますが。
その人は大切にされていました。
宗像の田島に住んでいる「心」の字が付く女性で通訳をしていた。
田島に住むシンロンさん。「田心」さん」

「その人はどういうことをなさっていたの?」
「雨が降らなければ降らしたり、祈りを捧げたり。
神ではありません。雨が降り過ぎて波が高くならぬように祈りを捧げただけ。神ではありませぬ」

菊如は話題を変えた。
「いっぱい素晴らしいものが届きよったんですね」
「そう。光る石も採れるし」

これを聞いて私は質問した。
「それは金ですか?そこでも精製していたのですか?」
すると、シンロンは首を横に振った。
「ほら見たことあるでしょ」
とシンロンに言われたが、私はその時は思いつかなかった。
今思えば、鞍手の大塚古墳の石室にあった、ラメをまぶしたようにキラキラと輝く石のことだろうか。
よく分からない。

「農耕をしていました。畑だけでは暮らしていけなかった」
とシンロンが答えたが、菊如は話題を変えた。
「タギツさんは御存じ?」
「知らない」

「イチキシマヒメは?」
「知らない」

「他の女の人は知らない?」
「山の上に女性が一人住んでいると聞いたことがあります」

シンロンは四つの山の連なりを手振りで示し、海から三つ目の山を指した。
明らかに宗像の四連山だった。それを地元では四塚(よつづか)と呼んでいる。釣川を挟んで宗像大社の対岸にあった。

「四塚ですね。海から三つ目の山」
と、私が確認した。
四塚は海から湯川山、孔大寺(こだいじ)山、金山、城山。
金山!!
そこに女性が一人で住んでいたという。
孔大寺山は金が採れていた。
そこで、私は「金を採っていたのですか」と尋ねた。
「いいえ」

「金細工は?」
「それもしていません。関所から宝は来ていました」

菊如が尋ねた。
「長の名前は?」
「長はオージー様」

「姓は?」
「ウエクサ ジン・・(不明)」

「どこに住んでいるの?」
「釣川の上流に行きついた所」
そこはグローバルアリーナの南側になる。猿田峠の南。

さて、菊女が、時代が知りたいけど、どうしたらいいか、私に振って来た。
私も困ったが、北極星と北斗七星の名前を尋ねてみた。

「星には名前は付けません。ぐるぐるまわる・・あれ。名前でなく、形で伝えます。絵を見るように。人に知らせる時は絵に描いて知らせます。名前を付ける感覚はないんです」

西暦や年号の無い時代、何を以って時代を確認したらいいのだろうか。

シンロンの声が良く聞こえない。
以下はその断片。

「今は六ケ岳にいます。姫が集まるから。それぞれの姫が集まっています。それぞれの名前でこの国を表しています。
一つは田畑・・・田心(たごり)
一つは鉱山・・・市杵島(いちきしま)
一つは魚や水産・・狭依(さよりひめ) 海はさよりひめ
この三つで表しています」

シンロンの語りはここまで。次の存在が待っていた。

ここで分かったのは、シンロン(心田)の部族は中国から来ていて、宗像のグローバルアリーナの南に住んでいた。長はオージー ウエクサ? パオタン(泡丹)の元にジンヨウがいて、沖ノ島に関所を設けていた。農耕をしていた。

四塚の金山に女性が一人住んでいる。
宗像の田島(宗像大社の付近)には田心(たごり)姫と呼ばれ、通訳をする女性が住んでいた。



<20191108>



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by lunabura | 2019-11-08 22:10 | 「脇巫女Ⅱ」 | Comments(0)

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