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ひもろぎ逍遥

『神秘書』「別所」に天竺から流れて来る水と戒壇があった



「高良玉垂宮神秘書」に「別所」についての記述がある。

「別所」とは久留米市高良山(312m)の山頂付近の地名で、山頂から二キロほど下った所に毘沙門堂と別所の清水があり、戒壇があった。

戒壇とは唐より招かれた鑑真が太宰府市の観世音寺の横に戒壇院を設けているが、高良山でも出家できたということになる。



三五四条
一、戒壇の在所、別所の毘沙門天の前なり。大菩薩の御宝を納め給う在所なり。これによりて、本尊を毘沙門天とは定めおかるるなり。


【訳】戒壇のある所は別所の毘沙門天の前である。大菩薩の御宝を納められた所である。これによって本尊を毘沙門天と定められた。



―ー大菩薩とは高良大菩薩のことで、仏教が入る前は高良大明神と言った。安曇磯良のことである。三韓討伐の大将軍だったので武神である毘沙門天が祀られた。そこには大菩薩の宝が納められていたという。




三九六条
一、別所ということは、天竺ムネ池、水を流し給う。又は、戒壇の在所なるゆえに別所とは名付けたり。


【訳】「別所」という地名は、「インドの善女龍王の住む無熱池から、ここに水が流れている」ことからついた。または、戒壇があるゆえに「別所」と付いた。



――天竺とはインドのこと。ムネ池とは「無熱池」(ムネッチ)のことで、インド神話に登場する八大竜王の一、沙掲羅(しゃから・シャガーラ)の第三王女である善女(善如)龍王が住んでいた所とされる。

即ち、「別所の清水」はインドの善如竜王が住んでいた無熱池に通じているという「特別」な所だった。

沙掲羅は沙伽羅とも記す。八大竜王の一つで海龍王のことである。
「海龍王」との縁が語られるのも、安曇磯良が当山を治めていた名残だろう。


高良山の戒壇で使う聖水はインドの聖地に繋がっているという思想があった。



<20191117>


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by lunabura | 2019-11-17 17:17 | 高良大社・玉垂宮・久留米市 | Comments(0)

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