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ひもろぎ逍遥

大伴旅人ゆかりの地めぐり2 観世音寺 満誓 男が男に惚れた



④観世音寺





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この後、私たちはすぐ近くの観世音寺に向かいました。

ここは斉明天皇の為の菩提寺ですが、80年近くも完成できず、沙弥満誓が造寺司として派遣されていました。

ここから満誓は旅人邸に日々通ったことでしょう。

そして、旅人の、妻を失って悲しみに暮れる姿、
酒におぼれる姿、
薩摩大隅の隼人の乱後、苦しむ人々を救うために朝廷に税を免じる特例を求める使者を送る姿、
そんな日々を見ていました。

隼人の乱は旅人自身が征伐の大将軍だったので、数年後に再び筑紫に来て初めて民衆の苦しみを知り、民を救済しようとしたわけです。
それが大伴旅人という男でした。

男が男に惚れる。

そんな思いを、満誓沙弥は「痛き恋」という言葉で詠み、旅人が都に戻った後に送っています。

573番 
ぬばたまの 黒髪変わり 白髪(しらけ)ても 痛き恋には 会ふ時ありけり
  (黒髪が白髪に変わる年になっても、激しい恋にあう時があるのだなあ)
 ぬばたまの:枕詞

旅人がいなくなって寂しがる沙弥満誓です。

こんな満誓も梅花の宴では
821番
青柳 梅との花を 折りかざし 飲みての後は 散りぬともよし笠沙弥(沙弥満誓)
(青柳と梅の花を折って 挿頭にして 飲んだあとは 散ってもいいぞ)

と詠み、豪胆な人柄が伺える歌を残しています。

「梅花の宴」の時、旅人は参加者が歌の準備をしているのを見越し、はぐらかして御題に「落梅の歌」を出したんですね。これには参加者が「え~~~」と叫んだことでしょう。

上手く歌えずに準備したような歌を詠む人もいたのですが、満誓は「散りぬともよし」と、見事に即興で「落梅」を歌いました。なかなかの腕前です。

そんな満誓沙弥がこの観世音寺を完成させました。



⑤戒壇院





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戒壇院は観世音寺の左隣にあります。
もともと観世音寺の一部でした。
鑑真が命がけで来日し、ここで初の授戒を行った所です。










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こんな素敵な小路を通って観世音寺に戻りました。



<20191203>


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by lunabura | 2019-12-03 20:13 | 万葉・日本書紀の風景 | Comments(0)

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