2020年 04月 03日
奈多の浜
ブログを始めた頃、出会ったばかりの女性が私に「是非連れて行きたい所がある」と言った。
待ち合わせて案内されたのがこの海だった。
志賀島へと続く海の中道の根元にある「奈多の浜」だ。
そこに立って、はっとした。
ここはかつて来た海だった。
ずっと昔、志賀島の友人が連れて来てくれた海だったのだ。
思えば、これも何かの縁だったのだろう。
この海から失われた歴史を辿る旅が始まった。
ある日、独りでこの海に来た時、この後ろにある志式神社の氏子さんから「ここに伝わる神楽があるので、是非見に来てください」と言われた。
そこで、私は初めて神楽というものを見た。
その中の「磯良舞」は、この海の底に綿津見神がいて、干珠満珠を授ける神楽だった。
磯良神が綿津見神に会いに行くが、結局、干珠満珠は豊姫に授けられ、夫の武内宿禰に渡された。
この舞を見てから、一週間後、偶然にも久留米市の高良大社でも同じ話を伺った。
そして数年間、数百の神社を周り、安曇磯良とその海神が玉垂命として祀られていることを突き止めた。
分かりやすい証拠を挙げておこう。
高良玉垂命に奉納する品に覆面の布がある。覆面をする神は安曇磯良だ。
高良の神は子(ね)の日に三本の松を植える。志賀海神社の神幸祭の舞で磯良は子(ね)の日の松を舞う。
「玉垂」とは干珠満珠を垂れる(与える)こと。
その干珠満珠は海神の娘、豊玉姫と玉依姫に例えられた。
そして、山幸彦と結ばれた豊玉姫はこの宮に荒ぶる神として祀られていた。
この海は福岡市東区 志式神社の海
<20200403>