2020年 04月 10日
「わだつみのいろこの宮」 青木繁
記憶はさらに遡る。

青木繁「わだつみのいろこの宮」
これはかつて久留米市の石橋美術館にあったが、今は東京に移された。
石橋をひっくり返すとブリッジ・ストンとなる。
久留米市にそのブリジストンの創業者の石橋正二郎が故郷に建てた美術館があり、この絵は常設で展示されていた。
私は小学生から中学生頃にかけて、お小遣いを持ってよくこの美術館に行った。
そして、この画を見つめたものだ。
他にも名作が並び、時々、東京の常設展と入れ替わって、モネなどの西洋系の絵も鑑賞した。
その頃、この絵の何を見ていたかというと、多分、「泡」だ。
海の底の不思議な世界に引き込まれていた。
ここには釣り針を探しにワダツミの宮に来た山幸彦と豊玉姫が出会うシーンが描かれている。
赤い衣装で赤い髪の豊玉姫と山幸彦が見つめ合う。
白い衣装の侍女が水汲みに来て、山幸彦が落としこんだ珠が取れずに困って豊玉姫を連れて来たのだ。今思えば、この侍女は玉依姫かもしれない。
私の色彩感覚はこの絵の影響をとても受けた。
また、この年頃に、私はよく高良大社に登った。
そして成人して東京である人から「合気神髄」という本をいただいた。
「玉依姫は白玉で潮干珠、豊玉姫は赤玉で潮満珠。その珠を使いこなすのが高良玉垂の神」
この一文を見て、衝撃を受けた。
何日も迷ってついに高良大社に電話して尋ねた。
すると、「そうですよ」と言って、三韓征伐の時の干珠満珠の話をされた。
それから、高良玉垂宮の玉垂命が磯良を含むワダツミの神の一族であり、忘れ去られた干珠満珠の物語があることを知る事になった。
今思えば、豊玉姫と高良玉垂宮は通じていたのだ。
自分の好きな物を並べて行ったら、ワダツミの世界に繋がっていた。
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