2020年 04月 11日
「大穴牟知命」青木繁 キサガイ姫とウムギ姫

この絵も青木繁の絵で、題は「大穴牟知命」すなわち大国主命だ。
二人の姫神が、死んだオオナムチを救おうとしている。
これは古事記に書かれている話だ。
オオナムチがあまりにも姫たちにモテるので、嫉妬した兄たちが殺す企てをした。
兄たちは「上から猪を落とすので、受け止めろ」と、下で待つオオナムチに言って、焼けた石を転がした。それを受け止めたオオナムチはやけどして死んでしまう。
それを知った母の刺国若比売(さしくにわかひめ)は泣きながら天に上って神産巣日命(かみむすびのみこと)に頼むと、命はキサガイ姫とウムギ姫を遣わした。
キサガイ姫は赤貝で、ウムギ姫はハマグリの精だ。
キサガイ姫は赤貝を削って粉を作り、ウムギ姫はハマグリの汁でそれを練って母乳のようにしてオオナムチに塗った。すると、オオナムチは生き返って火傷も治った。
絵ではウムギ姫が乳を与えようとしている。
これは原典では「母乳汁」と記しているからで、この言葉を、貝姫たちが母乳を与えたと解釈して語られることが多かったからだ。青木繁もそんな風に聞いたのだろう。
ウムギ姫を、乳を与える姿で描いた。
オオナムチが裸なのは、衣服が燃えてしまったからだが、その描写やアングルが秀逸だ。
どんな顔をしているのか、壁に掛かった絵では分からなかったが、画像をひっくり返してみると面白い。短髪なのも、意外な感じがした。
<20200411>








