2020年 07月 12日
万葉 海女乙女が海に船を出す 筑後守葛井大成
1003番
筑後守外従五位下葛井連大成の、遥かに海人(あま)の釣船を見て作る歌一首
海女おとめ 玉求むらし 沖つ波 恐こき海に 船出せり見ゆ
(あまおとめ たまもとむらし おきつなみ かしこきうみに ふねだせりみゆ)
【海女乙女が「玉」を求めて 沖の波が恐ろしい海に向かって船を出しているのが見える】
「玉」 干珠満珠になぞらえられる「玉藻」。
それは恐ろしい海に出ないと採れない海藻。

これは大島の竜宮社のそばの海です。茶色に見えているのが玉藻です。
海女たちはこんな海に素潜りしたのでしょうね。

これを詠んだのは筑後守となった葛井(ふじい)大成です。
久留米の国府に赴任したのでしょうね。
赴任する時、船で玄界灘を通った時にでも見たのでしょうか。
彼は「梅花の宴」にも出席して、大伴旅人が「落梅」を詠めと言ったのに、全く無視して
820
梅の花 今盛りなり 思ふどち 挿頭にしてな 今盛りなり
(うめのはな いまさかりなり おもうどち かざしにしてな いまさかりなり
【梅の花は今が盛りだ、思う同士 冠に挿そう 今が盛りだ】
と詠んだ人です。
「今盛りなり」を二度も詠んで、旅人の御題を無視してます♪
こんな葛井大成は旅人に会うのが楽しみで久留米から大宰府に通った人です。
<20200712>








