2020年 10月 17日
中国歴史ドラマ結婚式 赤い布で顔を隠す 火をまたぐ(伏羲と女媧 隋書倭国伝)
中国歴史ドラマを見ると、不思議な風習や、魏志倭人伝、隋書倭国伝などに書かれた風習や言葉が出てくるので、それを見つける楽しみがある。
驚いたのが、結婚式の時に花嫁が赤い布を被ったり、ウチワで顔を隠したりする風習だ。
これについて、『中国の神話の伝説』(伊藤清司)の「人類の起源神話」にその由来が載っていた。
伏羲(ふっき)と女媧(じょか) は兄妹だが、夫婦になる時の話だ。(一部表記を変更)
<太古の昔、この世界ができたばかりの時、崑崙山(こんろんさん)に伏羲と女媧の兄妹がいる以外は、広いこの世界に人間は誰もいなかった。そこで、兄妹は夫婦になることを話し合って決めたものの、同胞婚は恥ずかしいことであると考えた。
そこで、兄は妹を連れて崑崙山の頂上に登り、それぞれ火を燃やし、「もし、われら兄妹が夫婦になることをお認めになるならば、立ち昇る煙を一つにしてください。もし、お許しにならないならば、別々にしてください」とまじないを唱えた。
すると、二つの煙が一つになった。そこで妹は兄に身体を寄せたが、そのとき妹は草で扇を編み、顔を隠した。結婚をする際、扇を手にもつ今日の習俗は、この伏羲女媧兄妹の結婚に由来する。>
(唐「独異志」)
これは唐時代の本だが、なるほど、創造神話に基づく風習だったのだ。
もう一つ、「新婦が火をまたぐ」シーンがあった。
これは「隋書」の「倭国伝」に書かれていた内容を思い起こさせる。
<愛し合った男女はすぐに結婚する。花嫁が夫の家に入る時には必ず火を跨(また)いで、新夫と顔を合わせる。>
この「火を跨ぐ」という風習は魏志倭人伝には書かれていない。その由来も書かれていないが、まさか、中国の歴史ドラマに出てくるとは思わなかった。
ちなみに、この時代の倭国の服装は男女ともスカートをはいている。男性の服は筒袖で、靴は漆で固めた浅靴で、紐でくくりつける。
中国歴史ドラマでは男性もひらひらとスカートを靡かせているが、案外これに近かったのかもしれない。
※エキサイトの旧の投稿画面が使えなくなり、新しい投稿画面を使っていますが、プレヴューで造った画面がずれて公開されています。
エキサイトには依然知らせたのですが、改善がないまま。
慣れるまでしばらく乱れた画像になりそうです。m(__)m
<20201017>