2021年 01月 31日
めじろ
このメジロは三兄弟だった。
朝、三羽、梅の木で楽しそうに遊んでいた。
その午後、一羽が交通事故で死んだ。
私が道路に横たわるメジロを片付けに行くと、二羽が道路に降りて心配そうに仲間を見ていた。
それから一週間経って雪が降り続いたので、私はミカンを枝に乗せた。
メジロは私の30センチほど目の前にいたが、逃げようとしない。
私を覚えたのだろうか。
それからは、庭に出ると、チュルチュルチュルチュル~ と長鳴きするようになった。
訳すと、「来たよ、来たよ」という感じかな。
道に出ると、脇から飛んで来て、眼の前の木に留まって姿をみせる。
ちょうど、私の視線の前に。
いつもヒヨドリに追い払われているが、私がいるとヒヨドリが逃げるので、メジロは安心してミカンをついばんでいる。
鳥は人間をよく観察していて、敵か味方が判断するようだ。
時々、サザンカの花を落としてくれる。
ちょうど七分咲の一番美しい頃の花を。
美の瞬間も見極めている。
そして、ダイダイはまずいらしくて食べない。
おいしいミカンしか興味がない。
そうだね、いつも、サザンカの蜜を吸っている大甘党だったね。
毎日、ハチミツを食べているようなグルメだったからね。
<20210131>