2021年 05月 30日
大岩山弘法院2 香春岳から朝日が昇る
2021年5月30日
朝、菊如から電話があった。
今朝も弘法院に参拝してきたという。
弘法院の磐座が一ノ岳の遥拝所ではないかという私の見解を聞いて、磐座の前から一ノ岳を遥拝したそうだ。
すると、正面から太陽が昇って来たという。
当然ながら、弘法院は一ノ岳の西にあるので、日の出が観測できる。
ただ、現在は一ノ岳が削られているので、古代より早い時間に昇る。
古代においては、磐座から見る日の出はもっと遅かったはずだ。
実は昨日から、話題の磐座は「鏡岩」という言葉が何度も浮かんでいた。
ただ、鏡岩としたら、他の地域の磐座群に比べると、少し低い位置にあるので、どうだろうかと考えていた。
磐座群には方向石や祭壇石、陰陽石など、それぞれの役目を持つ岩がある。
勝手ながら、話を進めるために、この磐座を仮に「鏡岩」と呼ぶことにした。
関係者のブログ内だけの話である。
32000分の一の地図を広げて見ると、(真行寺)-(一ノ岳)-(鏡山大神社)がほぼ東西ラインに乗って来る。一ノ岳の頂上が失われているので、仮説だ。
残念なことに、この地図には弘法院が書かれていないので、上記の東西ラインに乗って来るのかどうかは、チェリーの調査に委ねなければならない。
(弘法院)-(真行寺)-(一ノ岳)-(鏡山大神社)となると、面白いのだが。
太陽観測のポイントの決め方として、二上山のように、二つのピークの谷から昇る太陽を観測する方法がある。
鏡岩からは上の画像のように、二ノ岳も見えていたので、一ノ岳と二ノ岳の間の谷から昇る朝日を観測するポイントも近くにあるはずだ。恐らく山頂付近には夏至の日に観測ポイントがあるのではないか。
誤解を招かぬように書いておくが、観測ポイントはあらゆる地にある。
自宅のベランダもそうだ。
東側に家が無ければ、夏至、春分、秋分、冬至の日に太陽が昇るポイントが存在する。
そこに目印の山影があれば完璧だ。
古代においては、逆に目印の山影を利用して観測ポイントを決める。
家のベランダから三点を見るようなスタイルではなく、人間が移動して目印の山影から出る日の出を観測するのである。
話を戻そう。
鏡岩から見て、一ノ岳の向こうには鏡山大神社がある。
そこは神功皇后が鏡に御魂を入れて祈ったという丘がある。
鏡山大神社から日没ラインが観測できる。しかし、山にかなり近いのでそれは無いだろう。
もし最澄が建立した六ケ寺が特定できて、それぞれの祭祀ラインを見つければ、最澄が作る結界の方法が明らかになる。それは地元の修験者たちが、もともと営んだ結界に重なるだろう。
こんな想像をしてみた。
金剛界と胎蔵界を表す磐座の下で参籠した修験者は一定の期間が終わると地上に出て、鏡岩で得度をする。その暦として、香春岳から出る日の出を観測する。
あくまでも想像だ。
そういえば、三週間もすると夏至の日が来る。
一ノ岳と二ノ岳の間から夏至の太陽が昇るとなると、かなり早い時刻になるだろう。
拙著をお持ちの方は、上巻14鏡山大神社と下巻60若八幡神社を読むと、一緒に謎解きが出来ると思う。
<20210530>