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ひもろぎ逍遥

18 田力男命 アマテラスとスサノオの計画


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「光の道」が出来る時「陰の道」も出来る。

それを辿って、封印を解く。

岩に田力男が眠っているという。


これだけの情報で、田力男の封印された岩を探さねばならない。

しかし、私には宮地岳の山頂の朝日に向かう磐座しか考えられなかった。


「光の道」が出るのは今日から一週間だ。

これを逃せば半年後になる。

三人の都合が合うのは翌日の2月21日だけだった。


ということで、私たちは翌朝10時に宮地嶽神社の駐車場で待ち合わせをして正面から山頂に向かった。


まずは「光と陰」の転換点と思われる旧社殿跡へ。


一歩足を踏み入れた時、菊如が後ろから「今の一歩がちょうど10時10分でしたよ!」と言った。


「へえ、そんな偶然もあるんだ」

と言いながら、参拝をして古墳の方に向かった。これが「陰の道」なのだろう。

宮地嶽古墳にも手を合わせて、山頂に向かった。


ゆっくり、ゆっくり休憩を入れながら25分で到着。

山頂には古宮がある。神功皇后がここで戦勝祈願をした。

ここで手を合わせて、その奥に向かった。


奥の東側に磐座がある。

今日のメンバーは宮地岳登山自体が初めてだし、誰もこの磐座の存在は知らない。


我ながら、何でこんな所を知っているのだろうかと苦笑した。

かつて磐座ばかり探査していた頃に、ここを訪れていた。

一応、磐座については拙著には記している。


磐座の前で菊如が祝詞を上げた。

終えるといきなり託宣を言いだした。

まさか、ここで出るとは想定していなかったので、私はあわててノートをリュックから取り出した。


「そなたは東西南北、またその八方に九字を切れ。その九字は東に剣印、西に剣印、南に剣印、北に剣印、その間に剣印。断ち切った八方の中心に剣印、垂れため」


目には見えないが、磐座は鎖で絡められており、その中に田力男が座って眠っていた。


剣印で四方の封印を断ち切るのだろう。

磐座は登る事は禁じられているので、手前に崋山が立ち、剣印で八方を切り、身に納めていたスサノオの剣で鎖を断ち切った。


仕上げに「臨・兵・闘・者・皆・陳・列・在・前」と九字を切って事を収めた。


そのまま、崋山に田力男(たぢからお)が懸かった。


「お~~~。そなたらは何者じゃ。

よう寝た。

今は何年じゃ」

菊如に尋ねた。

「西暦2021年です」


「大きな地震があった。

アマテラスからのう、この地に。災いが起こるのを防ぐために八百万の神々がそれぞれの位置に眠り、今この時、この地で目覚めされられた。

また八百万神たちがいとえに集い、

人間たちは自分たちの力ではどうしようもない時に来(き)やはり、我々の力が要る時が来たか」


「どちら様ですか」


「んん?お前は何をしに来た。ワシを起こしにきたのではないのか」


「お名前をお聞きしたいのですが」


「ああ、ワシはそんなに有名ではないからのう。

ワシは…

田力男という神を知っておるか。

ワシは岩を動かす、山を動かす」


「田力男さまでしたか」


「お前はワシを起こしに来たのであろう」


「ずっと探していたのです」


「んん。ワシがこの世に出て来たからには。これはすべてハカリよ。

アマテラスは、予言されていた。

いずれ我々神々を人間は尊ばず、自分達の利益を願うために祈るだろうと。


ただ、アマテラスはあきらめたわけではない。

いずれまた人間がこの事に気づき、何を尊び、何を捨て、何を重んじて生きて行くのかを知る。


その時が来た。その時が来るまでこの地で眠るように言われた。

スサノオが闇で動いておる


スサノオの剣がすべての神々を起こす。

その時までこの地に眠るように。


スサノオに剣を渡し、いずれその時がくればスサノオの剣がすべての神々を呼び起こす。


その時にまた新たな時代が始まる。


よう来た。よう来た。


で、ワシはここにおれば良いんかの。

それとも、ああ、お前の後ろの者が剣の納められた山があると言う」


「剣岳ですね。そこにお連れしましょうか」


「じゃあ頼むか」


そう言うと、田力男は如月に向かって言った。


「お前はワシが目覚めるまで、ここでこの地を守れと言われた如月の巫女という者。

もうその任務は終わり。ワシは戻って来た。案ずるではない。


お前の役目は終わり、今からお前の人生、神々が面倒を見る。

今までの任を解かれ、光の中で生きるが良い」

と。


如月が現世でこの地から離れられないのは、宮地岳を守る任務があったからだった。

代々、この地に生まれたのもそういう理由があったのだ。

これからは自由な人生を歩むのだろう。


田力男は菊如に尋ねた。

「お前に入ればよいのか」


「丸い石がよいでしょう」

私たちは依代(よりしろ)になる丸い石を探した。


待つ間、田力男は廻りを見回して、

「昔はこのような木はなかった」と言った。

――そうか、造山活動したばかりの時には石だけの山だったのだ。

今は周囲が見えないほど緑が生い茂っている。


私が「あなたは誰からここに封印を」と尋ねると、言葉を遮り、


「ワシは誰からもここには封印されてはおらぬ。

アマテラスの計画によって、その時が来るまでここで眠っておくように言われただけだ。

すべてアマテラスとスサノオの計画のもと」

と言った。


――そうすると、八咫烏は神々が眠る地を見つけ出しては、鎖を絡めたのだろうか。


崋山が数年前にスサノオの剣と楯を貰ったのが、この日のためなら、かなり前から計画が動き始めていたのだろう。


菊如が田力男を探せと言われたのも数年前から。

いや、私がこの磐座を知ったのは数十年前になる。

この日、それぞれの個性があって、事は成就したようだ。


皆で丸い石を探すが、山の頂上なので、角ばった石ばかりだ。すると、田力男は

「もう石はいらん、この者の中に入るがよかろう」

と言って、崋山の中に入って、剣岳に向かうことになった。

この時、1119分だった。


私たちは下山して参道の茶店で食事をして、剣岳に向かった。


剣岳は山腹まで車で登れる。

山頂の岩に田力男を移し、この日の任務を終了した。




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これで宮地岳と剣岳を結び、神の道が通ったのだろう。

それは六ケ岳の力を弱めるためだという。


この日の内容をすっかり忘れていたのだが、英彦山の巫女になったヒイラギから話を聞き、あらためてここに記録しておくことにした。


20210821


多分、「ヒカリ」シリーズは以上でしょう。


この中で「脇巫女」の時代や「ウーナ」の時代が出てきていたので、整理して、それぞれのシリーズに追加します。同じ記事を挙げますが、また別の角度で見てくださいな。




Commented by 華山 at 2021-08-21 20:54
神々の役目、仏の役目、人間の役目が其々にあると言うことなんでしょうね。祈るだけじゃ、願うだけじゃ駄目な時に来たということなんでしょうかね。
Commented by lunabura at 2021-08-21 21:39
そうですね。
他者ではなく、自分自身になることが大切だ、と応援してくれているように感じました。

タゴール媛の
「自分の困難に立ち向かい、大切なものに気づき、何をしたいか、何をすれば己の魂が喜ぶか、」
という言葉が一番納得しています。
行動とは、他所で行うのではなく、眼の前にあることに取り組むこと、とも。
Commented at 2021-08-22 10:58
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 如月 at 2021-08-22 23:31
今世での私の人生は、現代版の如月そのものでした。田心姫が祀られる神社に巫女として従事し、転生した今藤両国と結婚し、似たような姓に変わり、大きな塀で囲まれた家に住み如月が、烙印を押された家紋と同じ家紋の家に嫁ぎました。私は、その大きな塀に囲まれた家の中から外を見て、この家から出ないと‥と毎日、外を見ていました。あれから半年が経ち、胸の烙印の痛みも心の痛みも無くなりました。巫女の如月としてのお役目が終わりましたので、私の人生をやっと歩き出したところです。
Commented by lunabura at 2021-08-27 09:50
> 如月さん
苦難の人生が神ハカリに組み込まれていたのが分かり、驚きました。でも、神が苦難を与えたかったのではなく、人間の欲が如月さんに苦難を与えたのも、よく分かりました。
人生の疑問も、こうして転生の観点から見ていくと、新しい境地が手に入りますね。私もそばにいて同様です。
この先、もう一人、タゴールの解放が待っています。それは必ず成し遂げられると思っています。
by lunabura | 2021-08-21 16:31 | ヒカリ | Comments(5)

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