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ひもろぎ逍遥

21 波折神社セオリツ タギツの身代わりになった




21 波折神社セオリツ タギツの身代わりになった_c0222861_19314651.jpg



この日、二人の男女が波折神社で私達に合流した。


午前中、車の中で、所用があって菊如が男性に電話を掛けた。

すると、志賀島に居たので、午後からこちらの祭に合わせて移動して来たのだ。

その男性を仮にユウとしよう。


崋山に懸かっていたセオリツはユウを見て、にっこりと微笑んだ。

そして、穏やかに語りかけた。


「お久し振りですね。

無事に人間として生まれ、安心しました。

人として神に通ずる道を歩んでいますね。


人として生を受け、他の人に何ができるか。

人として与えられた命。

そなたしか、与えられぬもの。


海の匂いを嗅ぎ、ワダツミの人間として歩まれよ。


私は後悔していません。

何人かの人で、私を探している者たちがいます」


セオリツはユウの過去生を知っているらしい。

その過去生が現在のユウに転生した。

セオリツはいったい誰に話し掛けているのだろうか。


私は尋ねた。

「この人は元は何という名前ですか」

「タギツです」


驚いた。石占いのタギツなのか。

「脇巫女」の時代、亀甲に住み、日本武尊に道を占った人の名がタギツだった。同じ人物だろうか。


セオリツは更に語った。

「私が身代わりになりました。

大きな地震があった時、六ケ岳に穴が開きました。

そして、マグマが発生して山の奥から古代の魔物が出てきました。

大きな穴から、八つの首が生えて。

地の底から這いあがり…。


嵐、雷、地震、そのような事が起こると、いにしえの人々は考えました。

大きな力を押さえるには、生け贄が必要だと。


みずから、それを志願した者もありました。

『私が代わりになる』と、女神も志願しました。

この地には必要となる贄が育てられました。


けれども、総てを祓う私が身代わりとなり、地の底に。

だんだん封印の力が弱まって来ております。


今、この時、何千年前から決められた人々と神が手を結ぶ時がきました。

原点に戻って。


神はいつも人間の味方です。

しかし、人間は我が身を振り返らず、今の状況はすべて自分たちが起こした事。


何が出来るか、出来ることから考えていく事が必要です。

神々はそれを見ています。


この大地すべての物から自分たちが造られている。


今この現状は自らが作っているのです。


人が幸せになるように願う。

我が身ではなく、周りの者の幸せを。


大地、自然、そこに立ち返ること。

一人でも多くの人が気づくこと。


この状況は引っ繰り返せます。


私は今も、地の底で祈っています。


人間がすごい訳ではない。

人間と神々が手を結ぶ姿に戻ることが必要です。


何千年前は共に生きていました。


何が悪かったのかを考える人が一人増え、二人増えることで、神々に力を与えることができます。


ありがとう。


今日は来てくれて」


セオリツは優しく諭した。


私達は自然に立ち返り、何が悪かったのか、一人一人が考える必要があるという。

そして、セオリツの力が弱まっているとも。


何か出来ることはあるだろうか。

「私達は何をしたらいいのですか」

「私の三体を一体にまとめてください。

本体は今、魔物になっています。

三つの分霊を集め、本体の霊体になったセオリツに、その先のことは聞いてください。

このメンバーが揃った時に、『これを告げよ』と言われていました。


あの時、私が身代わりになると、タギツは嘆いていました。


セオリツには出来ることは沢山あります。

あなたにはあなたの役割があります。


それを信じて、心苦しいですが、六ケ岳に関連する方をお見受けし、お話ししています。

帰って来た時に戻ります」


タギツが六ケ岳の生け贄になる時、セオリツが身代わりになった。その時にセオリツの魂は三つに分かれた。しかし、本体は魔物の姿になった。

今、セオリツの封印の力が弱まり、それに力添えする必要があるという。


セオリツはさらに話を続けた。


「人間のセオリツが神として祀られるようになったかは、本体に聞いてください。

セオリツが何故、今もなお女神として祀られるかは…」


それから、菊如が尋ねた。

「波が荒れ狂うのがセオリツだと、ある宮司が言っていましたが」


「そうです。

代々人間として生まれましたが、ある出来事が起き、霊体として天に召され、役割を果たすようになりました。


この時期、日本が大変になります。


幸せというのは、人間がみずから作るものです。

神々が与えるものではありません。


神仏は必要な時に必要な分しか与えません。


幸せになる力は人間が本来持っています。


幸せの種を心に持っています。

不幸せの種も心に持っています。


どちらに水をやるか、その人次第です」


にっこりと微笑みながらセオリツは話を終えた。


崋山は言った。

「セオリツがゴルゴン本体になっている」と。


タギツの身代わりになったセオリツ。


もし、タギツが「脇巫女」の時代の石占いだとすると、セオリツは神功皇后の娘で、その時代に身代わりになったことになる。


ガードゥの時代ではなく、脇巫女の時代にも六ケ岳は噴火したのか。

私たちはユウの過去生からタギツを呼び出して、話を聞く事にした。


20211123




by lunabura | 2021-11-23 19:32 | ヒカリ | Comments(0)

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