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ひもろぎ逍遥

26 脊翁律(せおりつ)3 人間の魂の輝きが神々の力になる




私はセオリツに尋ねた。

「造り固めについて、ワダツミの神と話し合いをされるのですか」


「私はワダツミの神とは話をしない。この先々の結果がどうなるか分かりません」


「ワダツミの神は大島に封印されていましたが、七つの珠で封印を解きました。それで終わりではないのですか」


「終わりではなく、最終章です。


ワダツミの話を復活させることがメインではなく、私を出すことが最終章です。


代々、八百万の神を名乗る者、あるいは人間で八百万の神となる者がいるのも間違いではない。


神降ろしをする者は多々ある。


巫女の役目として神降ろしの出来る子、それがいつしかセオリツ姫と呼ばれるようになる。そして、今使われている瀬織津という文字になることも。


本当のセオリツとは男でも女でもありません。


この宇宙、地球そのものなのです。


ワダツミの神が封印され、私も三方に別れました。私は封印では無く、身を隠しました。


三つに分かれた分霊として、最後のひとしずくを分けました。

ただ、私の本体はあの山の奥へ」


「あの山とは六ケ岳のことですね」


「ええ。あの山に巣食う者を排除しなければなりません。


それにはワダツミの力が。人間の力も要りましょうぞ。


腕っぷしではなく、自分が何かを知り、力強く生き抜こうとする力。


その、すべてのもの、自分をも、きちんとした眼(まなこ)で見れる心、それが人間の強さです。


どういう状況であれ、生き抜こうとする者。


魂の輝きが力になるのです。


私を三体集め、ワダツミの神の元へ。

あとは、私達に任せればよい。


その後、私の本体は大海原の沖ノ島に帰ります。


あとは三体集めた時、話をしましょうぞ」


「三体とは、一つは波折神社、そしてあなた様ともう一つ、となりますが、もう一か所は何処ですか。


年毛(としも)神社ではありませんか。


以前、夕陽が沈む、ワダツミが祀られる所と言われましたが、年毛神社の北にあるアチメの宮ではありませんか」


「アチメですね。アチメと聞こえます」


「そこにはワダツミの宮は無いんですけれど、目の前が海です。勝島があってその先に大島が見えていますが、アチメで良いですね。


じゃあ今日行けます。今は神社がないけれど、行けば分かりますね。


ところで、六角形の箱の中には、もうすでに応神天皇のへその緒が入ってるんですよね。それに加えていいですか」


「応神のへその緒は取り出して、私のへその緒を入れてください。そのまま、ワダツミの所へ。


応神のへその緒を依代(よりしろ)に入れて、時が来たら、ジングウの宮へ」


「ジングウの宮とは?」

神功皇后を祀る宮は百社以上ある。その中で香椎宮が思い浮かんだ。


「香椎宮でよろしいですか」


「ええ。香椎の宮は神功皇后が唯一、心やすらかに、穏やかに過ごせた場所でした。香椎の宮へ。ジングウの魂と共に、応神のへその緒を持っていけばよろしい。応神は静かに眠っておられます。


箱には私のものを入れて竜宮へ。

大島の全てが終わりし時、私は沖ノ島へ帰ります」


「もともと沖ノ島におられたのですか」


「長い年月をかけて変化をしました。私もそこにずっといる訳ではありません。

ある意味、沖ノ島は宇宙の始まりと繋がっているような場所。


今度はほんとに神宿る島になりましょうぞ。


今は空き殿があるだけです。

形で表した、空と海が重なる場所。ラセンの階段がある」


「遠い昔話、そこはワダツミの神の妻の宮殿と聞いたんですけど、それは本当ですか」


「ええ。ワダツミの神の一族が住む屋敷でした。


ワダツミの宮殿とは、人間の意識が一つの頃、一族で一つの国で、とてつもない広さの国が当たり前の頃の、海の中で暮らす者たちの宮殿。


陸地で生きて過ごす者よりも長い年月、人間は海の中で暮らしていたのです。

そこから分かれて行った。


そこから分かれて地面で過ごすようになりました。

海の底が先なのです」


20220509



by lunabura | 2022-05-09 10:35 | ヒカリ | Comments(0)

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