人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

ひもろぎ逍遥

万葉集34番 蟻が通ふ嶋門 遠賀川の賑わい


柿本人麻呂って、名前はよく知っている。

名前を知っているので、全容を知ってる気分になるのは悪い癖だ。


学校の試験でその名が書けたら、「合格」というレベルで思考停止している。

そこから進化していない。


あらためて人麻呂について、ウィキペディアを見ると、代表作とかは書かれているけど、糸島や遠賀川で詠んだ歌とか、これっぽっちも出てこない。


こちらは、遠賀川河口にある島戸を詠んだ歌。


304

大王の 遠の朝廷と 蟻通ふ 嶋門を見れば 神代し思ほゆ

おおきみの とおのみかどと ありかよう しまとをみれば かみよしおもおゆ


るな訳

(大王の遠の朝廷(太宰府)に 蟻の行列のように船が通う 嶋門を見ると 神代がしのばれる)


題が「柿本朝臣人麿が筑紫国に下った時に海路で作った歌二首」となっていて、これはその一つだ。


「嶋門」について、一般的には瀬戸内海に島が沢山あるように訳されるが、これは明らかに遠賀川河口にある「嶋門」だ。


かつては、河口に二つの島があって、ちょうど門のように見えていた。

その「嶋門」が「島戸」の字に変化している。

ここまでは、一度ブログに書いている。


今回、あらためて原典を見たら、「あり通う」は「蟻通う」となっていた。


やばい。これでは意味がまるで違う。


「あり」と「蟻」では伝わってくるものが全く変わってしまう。


「蟻が通う」ように、船が並んで航行しているようすを伝えようとしたのだ。

嶋門の間の水深が深いので、船がここを並んで通る。


蟻の字があってこそ、河口の賑わいと特殊な光景が伝わってくる。

それが人麻呂の心を動かして歌になった。


人麻呂が「神代」と書いたのは、神の造形の不可思議を伝えたかったからだ。


すっかり解釈が変わってしまった。


昔の筑紫の光景。万葉集に残された光景、あらためて見直すと面白そうだ。


20220821




Commented at 2022-09-21 02:49
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by lunabura | 2022-08-21 18:03 | 万葉・日本書紀の風景 | Comments(1)

綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『豊玉』『星の迷宮へのいざない』   Since2009.10.25
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31