2026年 03月 23日
僕のためなら、やや大きいサイズで 万葉集 1278番

ある男が妻に歌を詠みました。
詠み人知らず 一二七八番
夏影の 房の下に 衣裁つ吾妹
裏設けて わがため裁たば やや大に裁て
(なつかげの つまやのしたに ころもたつわぎも
うらまけて わがためたたば ややおおにたて)
夏の木陰の嬬屋(つまや)で衣を裁つ妻よ
裏を付けて僕のために裁つなら やや大きめに裁ってくれ
〔機織りの音がやんだ いよいよ衣に仕立てるんだな
僕は少し大きい方がいい〕
✿「吾妹」とは妻のことで、「房」は妻のための別棟の家です。
夏の暑い盛り、大きな木が嬬屋に涼しげに枝を広げていました。
そこから聞こえていた機織りの音が或る日、やみました。
さあ、次は仕立てです。
夫は「僕のためならやや大きく裁ってくれ」と頼みました。
それは男が大きいからでしょうか、あるいはおしゃれ心からでしょうか。
これは577、577のリズムで詠まれた旋頭歌(せどうか)です。
『癒しの万葉集』-夜が明けるまでの心のサプリメントー
<20260323>









