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ひもろぎ逍遥

2019年 07月 05日 ( 1 )

松浦川2 大伴旅人のジョークに山上憶良はこう返事した 



松浦川2 

大伴旅人のあからさまな嘘に山上憶良はこう返事した 




さて、松浦川で鮎釣りをしていた美しい娘ら(複数)に声を掛けたら、求婚されたという手紙は漢文で書かれていましたが、それがわざわざ山上憶良の元に届けられました。

上司からこんな手紙が来た時、憶良はどう対処したのか、とても気になります。
万葉集には一人おいて二人目の所に憶良の返事が書かれていました。



憶良はかしこまってぬかずき、謹んで申し上げます

 憶良はこう聞いています。
「四方の山のような諸侯の長、都督(ここでは大宰府)の長官、国守などは典法によって部下を率いて巡行してその風俗を視察する」と。

心の中ではそうしたいと思う事が多いのですが、口には出しにくいものです。謹んで三首の田舎の歌で心の内の晴れやらぬ我が思いを除きます。

868
松浦県 佐用比売の子が 領巾振りし 山の名のみや 聞きつつ居らむ
まつらがた さよひめのこが ひれふりし やまのなのみや ききつつおらむ
(松浦県の佐用比売が領巾を振ったという 山の名だけは聞いております)

869
帯日売 神の命の 魚釣らすと 御立しせりし 石を誰見き
(たらしひめ かみのみことの なつらすと みたたしせりし いしをたれみき
(神功皇后の神の命が鮎を釣って御立ちになったという石を 誰が見たのでしょうか。私はまだみておりません)

870
百日しも 行かぬ松浦路 今日行きて 明日は来なむを 何か障れる
ももかしも いかぬまつらぢ きょういきて あすはきなむを なにかさやれる
 (百日もかからぬ松浦への路を 今日行って明日は帰って来れるのに 何の障害があって行けないのでしょうか)


オオマイゴッド。
まさかの返事は堅苦しすぎ。旅人の冗談を無視してる?
憶良は仕事一筋?堅物?
それとも拗(す)ねてる?
大伴旅人の妻が死んだ時の挽歌はあんなに素晴らしかったのに…。

ということで、憶良は想定外の返事を書いていました。
少し気鬱な感じも伝わってきますね。


さて、同じ手紙を都でもらった人がいます。吉田宣(よろし)という人です。
この人には「梅花の宴」の歌も一緒に送っています。

その吉田宣の返事には、旅人の冗談について、

松浦の仙媛(やまひめ)の歌に和(こた)ふる一首 (吉田宣)
865 
君を待つ 松浦の浦の 娘子らは 常世の国の 天娘子かも
きみをまつ まつらのうらの おとめらは とこよのくにの あまおとめかも
(君を待つ松浦の浦の乙女たちは 常世の国の天女かもしれませんね)

と、上手く合わせてくれていましたよ。

やはり、少しは空気読んでくれるほうが、嬉しいかも、ですね。

<20190705> 




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by lunabura | 2019-07-05 21:07 | 万葉・日本書紀の風景 | Comments(0)

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